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 先がめくれているということは

『和漢三才図会』は、サンノクワは両手で投げ下ろすようにして使うと言っている。
やはり手前にひっかくんでしょうか。

農具だったらクワに近い。
名前もサンノクワと言っている。
しかし、これでどうして後退せずに、前へ進みながら使っていくのかがわかりません。
押して切るノコギリみたいに、単なる文化の違いでしょうか。

工具だったらチョウナ(手斧)です、まるっきり。
チョウナは昔の大工道具で、ノミのようなものの尖端が曲がってて、表面をひっかいて削る。
荒削りみたいですが、これって、たしかに
平らにする道具なんです。
昔は、木目にまかせて木を割って、その断面をこれで綺麗にした。

‘金産’が、なにかを平らにする道具で、板状の金属だっていうなら、これはたしかに‘金産’ですね。

それにチョウナは、実際に使ってるところを見ればすぐわかりますが(現代でも宮大工などで使う人は使う)、ひっかくというより叩きつけるようにして使うんです。
まさに、「投げ下ろす」という感じです。

これが、辞典によく出てくる「はつる」です。削ると書いて、はつると読む。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、木工の世界ではよく言う。
木目が走ってますから、はぎ取るように削っていく。
木の性質を無視してサンドペーパーみたいなものでケズると、表面がつぶれて死んでしまうんです。木が死ぬ。
植物としてはもうとっくに死んでるんだけど、材木としては生きたままにしたい。
「息ができなくなる」のはまずい。
だから、あくまでもカンナで、コリコリと細胞単位で取っていく作業なんです。

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 ↓       ■                ■
 ↓     ■                  ■
  ↓  ■                    ■
   ■    柄はあんまり長くない        ■
  ■                       ■
  ■     →                ■■■
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□□□□□□□□材木□□□□□□□□□□  □□□□材木□□□□
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意外に幅が狭いこと、草を始末する道具であること、「‘金産’」という文字を使っていることなど、サンノクワの使い方は、普通に考えたらコレだと思うんですが。

もしかして、槍ガンナの‘金産’と、チョウナの‘金産’があって、使い分けていたとか?
それを1本の柄の両端につけて、両端を使い分けていくものがあったとしたら、それが三日月刃とスコップ刃?

しかし、武器の‘金産’は、スコップ刃の先がめくれていない
これが最大の問題ですが、ここでは、サンノクワだけについて考えてみます。

 

 投げ下ろす、っていうのがわからない

これが、もしアンダースローみたいな投げ方で、むこうへ押し出して使うのであれば…。

 肩を中心に   ↓
 振子で     ↓
         ↓
         ↓
        ↓
       ←  フォークで干草をいじる時は
     ←    よくこうやってる
 ← ←

工具だったら、もっと寝かせて横にしてこするなら、槍ガンナに近い。

農具だとすれば、刃が幅広で長くて、わずかな反りだったら、スキなんです。
地面に突き刺して、すき起こす、つまりシャヴェル。

                   □     □□□
                  □       □
                 □        □
  この程度の反りしかない   □  ↓      □
               □  ↓       □ 
              □          □□□
           ← ■           ■□■
    ↑     ← ■            ■■■
     □     ■             ■■■
    □□□  ■               ■■■
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肩甲骨スコップは、こういう使い方ですよね。

しかし、投げおろして使うっていうのが気になる。
地面に強く叩き付けるというだけの意味?

 

次回、この話をもう少し。

 続く→ 

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