だから、なんなのか というようなわけで、新紀元社さんの武器の本っていうのは、「たぶん根拠がおありなんだろうけれども書いてない」という情報ばかりなのですが、「ない」を証明するのは「ある」を証明するより難しいことであり、不可能に近いですから、この本が正しいという可能性だって大いにあるんです。 つまり、邪馬台国が九州か畿内かはたぶん永遠にわからないし、俺は九州に違いないと思ってますが、さしあたり俺にとってはどっちだろうと何ひとつ困りゃしない、しかし、「その人がどっちの立場でモノを言っているか」、これだけは確認しとかないと、そのままでは本が読めません。 昔、心霊現象の番組で、織田無道さんが「水晶は純粋な水の結晶で…」とかなんとか言った時、同席してた大槻教授が聞き逃すはずがなく、「水の結晶は氷ですよ」と即座に声を荒げて突っ込んだのが、大爆笑だったんですけどね、それぞれの分野とか、お立場があるんで。 岩波版『西遊記』の訳者が、‘金産’をどう認識した状態で翻訳したのか、それを確認せずに、岩波版『西遊記』をそのまま引用してもしょうがないから、『武器と防具 中国編』を御紹介したまでです。 ふたたび岩波版『西遊記』の注を見ていきましょう。
‘金産’は鎌? 岩波版『西遊記』の注、月牙‘金産’のところでは、いきなり、こう述べておられる。 『月牙‘金産’---明代の武器。「‘金産’」とは鎌のことで(後略)』 この文の続きは、後できっちり御紹介します。 ‘金産’とは、鎌のことである? ‘金産’は、たしかに草刈に使われていたフシがあるんです。
少林寺では、‘金産’はシャヴェル たとえば、中国(たぶん)で出版された、少林寺の写真集があります。 使っていたのは、三日月刃とスコップ刃が、両方ついたやつ。 それはともかくとして、英文で対訳が添えてあって、「月牙‘金産’」の訳語はCrescent shovelとなっていました。 キャプションをつけたのが編集者なのか少林寺側なのか、確認したわけじゃないんで、少林寺が公式にいつでも必ず対外的にシャヴェルと訳しているのか、普段からシャヴェルという認識があるかどうかはわかりません。
この写真集のことは、ちゃんと確認してから書こうと思っていたのですが。 |
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