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 しつこいですが、また「月牙‘金産’」の定義

俺が知る限り中国武術では、三日月の形の刃は、なんの武器についていたとしても、その三日月刃の部分は月牙と言ってるようです(後述します)。

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↑これだけでも「月牙‘金産’」なのだから、俺は、これが月牙‘金産’(月の形の‘金産’)と解釈した。
最初のほうのページで御説明しましたよね。

そして、「月牙‘金産’」の英訳が「クレセントシャヴェル」だというなら、シャヴェルがクレセント型ってことでしょう。
ここまでは、なにも問題ない。

しかし!

どうしてコレ↓まで「月牙‘金産’」「クレセントシャヴェル」と呼ばれているのか?

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月牙‘金産’‘金産’?
クレセントシャヴェル・アンド・シャヴェル?
そんな言い方はしないにしても、品物はそうなってますよ。

これは、どっちが先に存在したか、どっちか後から作ったヴァリエイションか、ということにも関係しますよ。

精進とかカップラーメンとかで、本物の肉じゃないけど大豆の蛋白質で作った「肉のようなもの、もどき」は、あえて肉に分類して訳すとしたら、ビーンズミートとか、ベジタブルミートと言うんじゃないですか?
かつて米軍の野戦用の缶詰に、ミート&ビーンズとか、ミート&ベジタブルというのがあったんですが、こういう言い方だったら、肉と野菜が両方入ってますよということを言ってるわけです。

 

 金鐘‘金産’

「月牙‘金産’」は、‘金産’(各種ある)のうちの、一種類。

「月牙‘金産’」は、「月牙の‘金産’」という意味。

俺がそう判断した理由は、「なになに‘金産’」というのがたくさん列記されている中に「月牙‘金産’」があったことなど、このコンテンツの最初のほうにいろいろ書いたとおりです。

ほかにも根拠があることはあるんです。

たとえば、松田隆智老師の『図説中国武術史』新人物往来社1976では、「月牙‘金産’」は、三日月刃だけです。

 □□                     石突なし
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 □□       この本では、たいてい石突がないのだが 

そして、すぐとなりに、こういうスコップ刃だけのやつが載っていて、その名前が、「金鐘‘金産’」となっている。

  □                     石突なし
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横から見た鐘のような形、っていうことですよね、刃が。

ただ単に‘金産’と言えば、スコップ刃をさすイメージがあると思うし、中国でもそうらしいということは護手鉤の話で御説明したとおり。
それでも、スコップ刃それ自体だけをさす用語もあるわけです。

こう並んでいると、「長い柄に三日月刃(と石突)」という武器は、「なになに‘金産’」のひとつにすぎないように見える。

松田老師は日本に中国武術を普及させた先駆者のひとりです。
この人の実力を否定する人や、アンチの立場を取る出版社も、ないこともないのですが、そういう人たちも、この人の武術史研究の業績や貢献度は、絶対に否定しようがない。
特に『図説中国武術史』は、中国人でもここまで詳しくは書けないなどと、超一流の中国人老師たちからも絶賛されている本です。
中国武術やってる日本人ならば、この本(またはこれを参考にして書かれた本)の御世話になっていない者は皆無であると断言してもいいくらい。

しかし、この図は何に拠ったのか出典不明、原図転載ではなくて新たに描きおこした図、記号みたいな略した描き方なので、このコンテンツには使わないでおいて、元になった中国の資料を探してきてから取りあげようと思っていたんですが、どっちみち、このあと鎌や『三才図会』の話にも、この本を引用しなければならなくなりそうです。

日本の本は、このコンテンツには使わないつもりでしたが…。
もはや、しょうがないから雑誌『武術』なども後述します。

 

これからどんどん、こまかい話へ進みますが、それをやるためには、その前に、もっとこまかい話を次回…。

 続く→ 

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