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この時代のソ連機の兵装

 

 7.62ミリ機銃

7.62ミリは.30口径のことです。銃身の内径が0.3インチということ。
昔から、歩兵が使う小銃の標準サイズ。

うちの父に言わせると、こんな小さい弾は安土桃山時代の人も使わない。ノモンハンの時点で12.7ミリなければダメだったのだという。

ソ連の7.62は、7.62×54mmR弾。1891年。一説には、いまだに一部では使われているらしい。そのくらい定番で、もともとボルトアクションの歩兵小銃の弾。弾丸重量9.6グラム。

 「ヴィッカース・マシンガン」
英国の傑作。後述。
もともと7.7ミリだが、どうやらソ連では7.62ミリにして使っていた様子(他国でも、6.5ミリや8ミリになおした例がある)。
20年代のソ連機に積んだことがあったらしい。

 「PV-1」(ПВ-1)
「機関銃、航空、1号」の意。
毎分780発。初速860メートル秒。構造はマキシム系。弾薬は1丁あたり600発ほど積む。
ShKASが登場するまでは、ソ連の航空機関銃の定番だった。

 「機銃パック」
PV-1を4丁束ねたガンポッド。機外に吊るして地上を掃討するオプション。制式名称不明。

 「ShKAS」(ШКАС)
「シュピタリヌィ、コマリツキイ、航空、速射」の意。
ボリス・シュピタリヌィさんとイリナルフ・コマリツキイさんの設計。生産は34年から、一説には35年から。
戦時中のソ連機の主力になった成功作。登場した時点では、連射が世界最速クラスだった。
毎分1800発、同調1625〜1650発。初速775〜825メートル秒。本体重量10.6キロ。ガス作動。

 「ultra-ShKAS」(ультра-ШКАС)
39年。「ShKAS」の発展型らしいのだが、あまり使われなかった様子。ソ連の工業力では、これほどの連射は機械的に無理があって信頼性にとぼしかったという。
毎分2400〜2500発、一説には3000発。初速835メートル秒。

 「SN」(СН)
毎分3000発。詳細不明。
どっちにしても、このころソ連の航空兵は初心者が多く、ShKASでさえ撃ちすぎて弾切れになりやすかったので、こんなに速い銃では弾がいくらあっても足りなかったと思われる。
普通、固定機銃には、残弾数の表示システムはありません。いきなり弾切れになる。

 「DA」(ДА)
おそらく「デグチャレフ、航空」の意?
ワシーリー・アレクセーエヴィチ・デグチャレフさんが開発した歩兵用の軽機関銃の、航空型。
旋回機銃として使うものでドラムマガジン。
毎分780発。初速840メートル秒。
デグチャレフ設計局は今もロシアの銃器メーカー。

 

 7.7ミリ機銃

このサイズは、英国の小銃弾。
世界最初の航空機銃がコレだったために、機関銃の定番のひとつではありました。

戦時中の英国は、ホントにこれが大好きで。
口径が小さいほうが連射速度は速いので、英国では単発戦闘機に8丁とか12丁とか積んで、1機落とすのに平均4500発も使ってました。
戦後の英国は、かなり大口径を積むようになりました。

 「ルイス・ガン Mk.1」
これが、その世界最初の航空機銃。14年。
設計したのはアメリカ人、でも、どちらかというと英国の銃。
生産はバーミンガム・スモール・アームズ社。この時代にはバイクメーカーの大手だが、もともと英国の老舗の銃器会社。
毎分500〜600発。初速740メートル秒。弾丸重量11.3グラム。本体重量13キロ。ガス作動。
通常弾、徹甲弾、榴弾、曳光弾、焼夷弾があった。
太い放熱カバーがついてるのが大きな特徴、しかし航空機銃として使う場合はとっぱらっている。
マンマユート団の後部銃座で、女の子たちに邪魔されながらドラムマガジンを交換して撃ってた優しそうな人がいましたが、あれです。ドラムマガジンがでっかいことが欠点。連射は当時としては速いほう。
『誰がために鐘は鳴る』にも出てくる。日本の海軍もずいぶん使った。
ソ連の古い軍用機には、おそらくコレを積んだこともあったと思われます。帝制時代に6千丁ほど購入している。
この時代になっても、TB-3なら、まだ使っていたはず。

 「ヴィッカース・マシンガン」
これも英国。ものすごーく頑丈で故障しにくいのが特徴です。日本もライセンス生産した。
各種あるけれども、航空用は「MK.IV」と「MK.V」。
毎分450〜600発。弾丸重量9.7〜12グラム。
本体重量は30何キロという話もあるが、それは20キロ以上もある三脚を含めての話で、銃本体はたぶん15キロ弱くらい、ほかに冷却水4リットルなどを要する。
マキシム系の機構なので、反動作動(ショートリコイル)の水冷です。
ヴィッカースグループは、英国の軍需産業の大手。マキシムを吸収合併した。この機関銃を扱ってたのはメトロヴィック(メトロポリタン・ヴィッカース・エレクトリック社)。

 

 →つづき 

 

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