12.7ミリ機銃

.50口径のことです。銃身の内径が半インチということ。
戦時中のアメリカは、このサイズでほぼ統一してました。
ブロウニングのM2が(かさばるということ以外は)大傑作だったことから、現在でも重機関銃の最も一般的なサイズ。ブロウニングは機関銃の元祖4家のひとつ。

戦前の複葉機だったら、12.7ミリでもかなり強力なほうです。
7ミリ台とたいして違わないだろうと思うかもしれませんが、弾丸というのはちょっと太くなっただけでも質量とか加速度とかが大違いです。
薬莢も、それ相応に太く長くなります、もちろん。
弾丸全体の大きさでいうと、7.62ミリ弾がクレヨンくらい、12.7ミリ弾はその倍くらいある、太さも長さも。

それに、12.7ミリ以上というのは、乗り物というかメカを破壊する弾です。
人間を殺すのであれば、これ以下で充分であり、これ以上になると、ただ死ぬだけではなく不必要に痛いうえに、脳ミソや肉片が散らばって見た目にも悲惨なので、ほかに手段がない場合以外は、12.7ミリ以上の機関銃を生身の人間に対して撃ってはいけないことになってます。そういう条約がある。
でも米軍の教育軍曹は、「人体を撃ってはいかんぞ、敵の重機関銃や無線機を狙って撃つのだ、意味わかるな?(笑)」というような指導をしてます。つまり、メカを操作してる人に当たっちゃうのはしょうがない、それは人間じゃなくてメカの一部、少なくとも機能の一部ではある。

ソ連の12.7は、いわゆるベレジン機銃。
ミハイル・E・ベリージンさん。
弾丸は「12.7×107mm」だか「12.7×108mm」だか、よくわからないが、B-32(通常弾)、B-30(徹甲弾)、BZ(徹甲焼夷弾)、BZT(徹甲焼夷曳光弾)、MDZ(榴弾)があった。弾丸重量48グラム。

 「BS」(БС)
「ベリージン、同調」の意。
歩兵用機関銃の転用? 一説には37年から設計して38年に採用して39年に配備らしい。
給弾に不具合がおきる欠陥があった。

 「UB」(УБ)
「汎用、ベリージン」の意。BSの改善型。ShKASの後継機。ガス作動。一説には41年4月22日から配備。
毎分1000発、同調800発。初速850〜860メートル秒。本体重量21.5キロ。

 「UBT」(УБТ)
「UB」の旋回銃座型。毎分1000発? 手動給弾。

 「UBK」(УБК)
「UB」の翼内搭載型。毎分1050発。空気圧自動給弾。本体重量21キロ。

 「UBS」(УБС)
「UB」の同調型。毎分800〜1050発。初速814〜850メートル秒。空気圧自動給弾。

 

 無反動砲

弾を撃ち出すのと同じエネルギー(固形質量か爆風)を、後方にも発射することによって、発射の衝撃を打ち消す大砲。
衝撃が全くないってわけでもないんですが。

対戦車砲を重く頑丈に作って、反動を吸収するスライド装置をつけて、車輌や馬で牽引していって、一個分隊みんなで手分けして地面に固定して、…っていう面倒が大幅に減る。
弾頭を工夫すれば一人で手持ちで撃てる。
ロケットやミサイルではなく、大砲を手持ちで撃てるというのは、ものすごいことなんです。
当然、飛行機にも積もうという話になった。

ソ連の航空無反動砲は、L.V.クルチェフスキイさん(これまた粛正された人)が開発。
36年ごろまでは、爆撃機に対する攻撃方法として実験してましたが、爆発事故が起きたり、なかなか正確には照準できなかったりで、そのうちに20ミリ機関砲やロケット弾が登場してきて、そっちで間に合うので、もうやめた。

 「APK-37」(АПК-37)
無反動砲だが口径不明、あるいは37ミリか。I-14に積んで実験したらしい。

 「APK-11」(АПК-11)
45ミリ無反動砲。I-14bisに積んで実験したらしい。45ミリは昔の大砲の定番サイズ、1.8インチ。

 (名称不明)
63ミリ無反動砲。I-4に積んで実験したらしい。63っていうのはキリの悪い数字だが、6ポンド野戦砲かなにかを踏襲したか。
インチをセンチになおす時に、キリのいいところをとって端数を切り捨てることがよくある。ソ連でも艦載砲などは、外国の何インチ砲を国産化したといってもじつは小数点以下を無視していて、実際の口径は少し違っていたりするので、ようわからん。

 「APK-4」(АПК-4)
76ミリ無反動砲、実際は76.2ミリ。これのことをDRPと呼ぶ人もいる。
弾数は5発しかなかったというが、それしか搭載できないのか、搭載しないということなのか不明。
76.2ミリは、3インチ砲のこと。日本風に言えば8サンチ砲。アームストロング速射砲以来、艦載砲の定番サイズ。

 「APK-100」(АПК-100)
102ミリ無反動砲。全長4メートルを越すもので、これを積むには、これ専用の飛行機を開発しなければならなかった。102ミリは4インチ砲のこと。英国が輸出用に作る軍艦の大砲のサイズ。

 

 →つづき 

 

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