20ミリ機関砲

これも定番サイズのひとつ。
大戦後半になると、このくらいでなければ通用しませんでした。
ただし、これは戦車や、重装甲の爆撃機に対して撃つ弾です。レシプロ戦闘機同士で戦う分にはもっと小さい弾で充分だし、大口径は弾数が少ないうえに命中率がはなはだ低い。
有名な零戦エースの坂井さんなどは、20ミリなんて全く使い物にならない、7.7ミリを大量にぶちこむほうが確実、とおっしゃってます。
ていうか、どんなに撃ったって、B-17には20ミリでも効かないですけどね。

銃ではなく砲です。弾丸全体の大きさは、ほとんど、魚肉ソーセージくらいある。
距離と角度にもよりますが、2.5センチくらいの鉄板に穴を開ける。旧日本軍の戦車に対してなら、どれでも、どこでも、簡単に撃ち抜ける。

旧日本陸軍は時期によっては何でも機関砲と呼んだり、11ミリ以上か以下かで呼び分けたり、旧日本海軍では何でも機銃と呼んでましたが、本書も、うちの父も、俺の感覚としても、現在のほぼ世界共通認識としても、20ミリ以下が銃(マシンガン)、以上が砲(キャノン)です。

それに、20ミリ以上になると炸裂弾ということが当たり前です。敵の内部に入ってから弾が爆発するということ。
硬いものを飛ばして運動エネルギーをぶつけているのではなく、爆弾を飛ばしている。
12.7ミリくらいでも、ときどきそういうことはありますが、小さいと、うまく炸裂しなかったりする。

ソ連の20ミリは、20×99R弾。弾丸重量96グラム。
OZ(焼夷榴弾)、OZT(曳光焼夷榴弾)、OF(破片効果榴弾)、OFZ(焼夷破片効果榴弾)、BZ(徹甲焼夷弾)、BZT(徹甲焼夷曳光弾)、PU(演習弾)、PUT(曳光演習弾)があった。

 「ShVAK」(ШВАК)
「シュピタリヌィ、ウラヂミロフ、航空、大口径」の意。ボリス・シュピタリヌィさんとセミョーン・ウラヂミロフさんの設計。
ShKASの大型化。35年ごろから開発して、36年から生産。
毎分700〜800発、同調750発? 初速750〜800メートル秒。本体重量40〜42キロ。
この時期は、ソ連機で20ミリというとコレ。戦車用の「TNSh(ТНШ)」もあった。

 「ShA-20M」(ША-20М)
詳細不明。

 「B-20」(Б-20)
UBの口径拡大版。ShVAKの後継。44年。
毎分850発、同調800発。初速750〜770メートル秒。本体重量25キロ。

 

 23ミリ機関砲

23ミリっていう中途半端なサイズは、VYa-23のこと。Il-2に積もうとして、これ専用に弾も作った。
23×152B弾。弾丸重量200グラム。
BZ(焼夷徹甲弾)、OZ(焼夷破片効果榴弾)、OZT(曳光焼夷破片効果榴弾)、PUT(曳光演習弾)があった。

 「VYa-23」(ВЯ-23)
ヴォルコフ、ヤルツェフの意。A.A.ヴォルコフさんとS.A.ヤルツェフさんによる開発。41年。ガス作動。作動が速いが詰まりやすく、反動が強いわりにそれほど戦車を射抜けなかったという。
初速905メートル秒、毎分550〜650発。

 「NS-23」(НС-23)
初速700〜900メートル秒、毎分550〜600発。

 

 30ミリ以上の機関砲

10年代にフランスで、37ミリとか47ミリとかのカノン砲を積んでみたのがありました。マンマユート団の飛行艇の機首につけてるのも37ミリだそうです。

ソ連では、戦時中に30ミリ以上を積んだことがありましたが、最初は反動が大きくて困ったらしく、37ミリでも失速しそうになったという。

旧共産圏やヨーロッパは、戦後は戦闘機でもほとんど30ミリ台を積んでます。
ミサイルを使い尽した場合の自衛用というより、地上攻撃に使うつもりだからです。

米軍機だけは、戦後ずっと、今でも20ミリが多いです。
今の米軍のは油圧ガトリングだから毎分6000発くらい撃ちまくるので、20ミリでも数で稼げるんですけど。

機関砲の上限は57ミリくらいです。
これ以上になると、大がかりすぎて扱いにくい、構造的に難しくて故障ばかりになる、弾数が少なすぎる、連射しにくい、というより1発で充分なので連射する必要がなくなる、ただし当たればの話。
航空では、こんなの撃っても当たりません。20ミリでさえ、いわゆる小便弾という放物線になっちゃうので、照準がデタラメすぎる。
今はミサイルがあるので、反動の大きい大口径を無理に積む必要もなくなりました。

ガンダムのこめかみについてるのは60ミリ各50発、ザクが持ってるのは120ミリ332発だそうですが、あれは絵空事ですから。

 「MPSh-37」(МПШ-37)
37ミリ砲、弾丸重量735グラム? 毎分220発。

 「Sh-37」(Ш-37)
37ミリ砲、弾丸重量735グラム。初速700メートル秒、毎分550発。

 「NS-37」(НС-37)
37ミリ砲、弾丸重量735グラム。初速900メートル秒、毎分250発。

 「N-37」(Н-37)
37ミリ砲、弾丸重量735グラム。初速690メートル秒。

 「NS-45」(НС-45)
45ミリ砲、弾丸重量1065グラム。初速780メートル秒、毎分250発。

 「N-45」(Н-45)
45ミリ砲、弾丸重量1065グラム? 毎分400発。

 

 →つづき 

 

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