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この時代のソ連機の発動機

 

はなはだ自信がありません。凡例を御一読ください。

なるべく離昇出力らしきものを記載します。
「いくつ〜いくつ」というのは、巡航〜離陸ではなく、俺が見かけた限りで離陸の「最低の説〜最大の説」です。
どっちみち、実際はこれより低いと思っていただいてほとんど間違いない。
この時代のソ連は、エンジンの生産はあんまりうまくいってません。冶金技術や工作精度の低さも、スターリンの矢の催促もですが、そもそも焦土戦をやってるのだから。

水冷も液冷と表記します。
V型のバンク角はだいたい60°だと思いますが、確実にそうとわかるものだけ加筆していきます。

生産開始の時期がわかるものは加筆していきます。
開発計画のスタート時ではないので注意。それならそうと書きます。

 

 リンカーン「リバティL-12」
液冷45°V型12気筒400馬力。
17〜19年に20478基ほど作り、第一次世界大戦の飛行船や戦車に使われまくった。ソ連の戦車にも使われている。
当時としては優秀なエンジンのひとつ。ここまで古い話は、うちの父でもついていけない。

 ネイピア「ライオン」
空冷W型12気筒450馬力、写真で見ると60°のようだが。
17年に開発、試作型やレース用など各種あった。当時としては世界一強力なエンジン。これがあんまり成功したために、この会社はエンジン専門メイカーになったくらい。

 ブリストル「ジュピター」
空冷星形9気筒435〜580馬力。英国の大傑作。
正確に言うと、コスモス社が倒産前に作っていた「ジュピター」をブリストル社で再設計した「ジュピターII」以降。ソ連が使ってたのは「ジュピターVI」など。
18年から生産。16か国でライセンス生産され、本書の時代にはそろそろ非力だが、これを手本にして開発したエンジンが少なくない。中島「寿」(ジュピターのジュ)など。

 ブリストル「マーキュリー」
空冷星形9気筒、各種あるがソ連が使ってたのは580馬力くらい。
ジュピターの回転数を上げて過給器を付けた改良型。完成したのは25年だが、生産はおそらく27年から、一説には26年から。

 ノーム・エ・ローヌ「9A」
 通称「ジュピター」
ノーム・エ・ローヌ社でライセンス生産したブリストル「ジュピター」。21〜30年くらいまで。この会社の場合、それを輸出もしている。

 ノーム・エ・ローヌ「9K」
 通称「ミストラル」
空冷星形9気筒550馬力。
ブリストル「タイタン」のライセンス生産が「5K(タイタン)」、そこへ2気筒追加したのが「7K(タイタン・メジャー)」、さらに2気筒追加したのがコレ。
この会社ではKシリーズと言っている。
ソ連が手本にしたのは、「9kbr」というヴァージョンらしい。

 ノーム・エ・ローヌ「14K」、
 
通称「ミストラル・メジャー」
空冷星形複列14気筒800〜1000馬力。
「ジュピター」の発展型としては、特に成功したもの。K14と表記されていることもある。完成は29年ごろ。

 

 カーチスライト「ライトR-1820サイクロン9」
 
通称「ライト・サイクロン」
空冷星形9気筒、膨大に種類があるが700〜1350馬力くらい。
31年。傑作中の大傑作。戦後も使われた。
ソ連の空冷星形の直系の御先祖。

 カーチスライト「ライトR-2600サイクロン14」
 
通称「ツイン・サイクロン」
空冷星形複列14気筒、各種あるが1900馬力くらい。
「サイクロン」の複列化。完成は35年。5万基以上作った。

 プラット&ウィットニー「R-1830」
 
通称「ツインワスプ」
空冷星形複列14気筒。膨大な派生型があるが、850〜1200馬力くらい。大傑作。完成は32年。40年代にかけて17万基以上作ったらしい。そりゃ日本がアメリカと戦争して勝てるわけないよ。

 BMW「BMW VI」
液冷60°V型12気筒。各種あるが680〜750馬力くらい。
V12の傑作のひとつ。26〜38年に9200基ほど作った。日本もライセンス生産させてもらった。
ソ連はこれをドイツよりもたくさん作って、ドイツを追っぱらうのに使った。

 BMW「BMW 003A」
BMW製のジェットエンジン。かっぱらってきて、戦後にMiG-9に載せた。

 カーチス「V-1570」
 
通称「コンクァラー」
液冷V型12気筒675馬力。
水冷ではなく本当に液冷。エチレングリコール冷却でラジエターの小型化に成功したが、信頼性に問題もあったらしい。26年。

 イスパノスイザ「12Y」
液冷60°V型12気筒。各種あるが760〜860馬力くらい。32年ごろ。
この時にはもうフランスの会社だが、スペイン軍もよく使っていた。
ソ連の液冷V型の御先祖。改良を続けて、ソ連の100番台のエンジン約13万基の元になった。

 ルノー「ベンガリ4」
空冷直列4気筒140馬力。
ソ連の初期の練習機に使っていた。

 ルノー「ベンガリ6Q」
空冷直列6気筒。
各種あるが、220馬力のものをソ連の初期の練習機に使っていた。

 ユンカース「ユモ205」
液冷対向ピストン6気筒2ストロークサイクルディーゼル867馬力。
33年に完成したとか、34年から設計を始めたとか、諸説ある。見た目は異様に縦長。
「ユモ204」を再設計したもので、航空用ディーゼルとしては最もマシなやつ。
じつは旧日本軍も、航続距離の長い偵察機を試作する時に、このエンジンを使ってみたことがあった。
ソ連も、このエンジンを手本にして、航空用ディーゼルの開発に挑戦したが、ものにならなかった。

 ユンカース「ユモ004B」
世界初の軍用実用ターボジェット。44年。軸流式。
ドイツ敗戦時に技術者ごと盗んで持ち帰り、戦後ソ連のジェットエンジンの基礎になった。
つまり戦後の話だが、これのテストベッドに旧式飛行機が使われたらしいので一応。

 

 以上、外国製。国産は次ページから。 

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