授与

 発行までの流れ
まず上から下へおたずねがあるもので、総理府からいきなり三権の長、そこから各省庁へ、下部団体へと、候補探しが下へ下へと依頼されている。
それで推薦が上がってくるわけですが、だいたい1年間にどのくらいという枠というか定員があることもある。日本だと1回に4500人前後、文化勲章だと5人くらいまでとか。
省庁の各大臣クラスが決めて自分の名で出していいものもあれば、連邦議会を通さないと発行できないものもあったりして、高級なものほど中央へ上へと話が回っていく。
審査して、書類が整理されます。この段階では本人に知らされてなくて、上司など推薦人が書類を作ることが多い。
政府や王室に統括部署(日本だと総理府賞勲局。ひところは賄賂をもらって手加減するので有名だった)があれば、許可じゃないにしても、ここに話だけは通る。
問題なさそうなら、このあたりで本人に内示してみる。日本だと、ここでもう一度、素性を確認する。
辞退しないようだったら、だいたい発行は決まったようなもので、あとは形式的な手続きが進む。
国が出すものだと、最終的には、各大臣や長官や知事から首相へ推薦という形になり、閣議を通し、王様の裁可を経て発行が決まる。
叙勲者名簿が発表され、新聞に載る。
等級によって、王宮か首相官邸か各省庁にお呼びがかかり、式典をやってもらって頂戴することになります。
大綬以上は君主のお手から、2〜3等くらいなら君主臨席で首相から、王宮でもらう。
このとき配偶者同伴です。これたぶん、騎士道の名残りだと思うんですよね。夫がサーで騎士階級なら、妻もデイムというか騎士夫人というか女騎士扱いになったりする。
4〜5等くらいなら首相官邸で首相から。それ以下はヒラ大臣か、それ以下からもらう。
で、記念撮影や記者会見があったり、後援者が祝賀パーティを開いてくれたり、音信不通の友人知人から急に電話が来たりする。
日本の場合、低い等級でも、あとで決められた日に皇居か御苑に参上して園遊会みたいなことがあり、陛下に拝謁し、御言葉をかけていただいたり、記念品をもらうことになってます。

 

 叙勲年齢
あんまり若いうちにもらうと、そのあと、どんな偉業またはバカをしでかすかわからないので、ある程度枯れていないと、発行しにくいわけです。伝記は死なないと書けない、生きてるうちから銅像を建てた奴にロクなのはいない、の類。
戦後の日本では、いろいろ例外もありますが、だいたい70歳から。いつ死ぬかもわからんような危険できつい仕事は55歳から。褒章の年齢制限はなくなりました。

 再叙勲
2回以上もらう場合、前回よりも高級なやつがもらえたりもしますが、死ぬか、3〜7年ほどたたないと次のやつをもらえない。
日本だと、前回から5年あけて3等以上でなければ、あんまり何度も出さない。
ということは、低い勲章をもらうと高い勲章をもらいにくくなるので、わざと辞退して先送りし、いきなり高級な勲章をもらうという小技があります。
ただし軍事勲章なんかは、1回目は低いやつ、2回目は中ぐらいのやつ、という出し方だから、辞退しないでどんどんもらわないと高級なやつをもらいにくい。
旧ソ連では50、60、70、80歳というように、10年おきにもらってました。

 臨時叙勲
日本では春と秋、みどりの日と文化の日に勲章を出すんですが、外人に儀礼的に出す場合、急に起きた事件や事故の手柄や犠牲、対象者が死亡または死にそう、88歳になって何ももらってない人、太平洋戦争の戦死者でまだもらってない人(すごくいる)に出す場合などは、必ずしも勲章の日を待たずに、毎月月末くらいでシメるか、即日出すこともあります。
これらを、特別叙勲、緊急叙勲、死亡叙勲、危篤叙勲、高齢者叙勲、戦歿者叙勲などと言ってます。

 

つづき 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送