章
勲章の金属部分。
プレートヘッドメダルスターなどといろいろに呼ばれていて、正式には何というのか知りませんが。知ったら加筆します。
素材は銅か銅合金、うまくすると銀か金。そこへ七宝(エナメル焼き付け)やメッキ。
ブルーマックスとか、金星・銀星・青銅星なんていうのは、この部分の色で言ってるわけです。
日本では、だいたい銀製で、裏は金色になってる。
いいものは宝石がつく。旧ソ連に、ダイヤモンドやルビーをてんこ盛りにしたやつがありました。

 鈕
ちゅう。章と綬を直接つながないで、その中間につなぐ金属部品。これがついてない勲章も結構あります。
これまた、西洋ではこの部分を正式には何と言うのか知らない。外人さんが書いた本だと、ハンドルチャンネル、クラウンなどとなってますが、とにかく昔の日本人は鈕と訳したわけです。
鈕は、篆刻のハンコや銅鏡銅鐸や根付なんかによくある、紐を通せるようになってるツマミをあらわす言葉。

鈕がなくて、綬と章がキーホルダーのような針金の輪でつながってるだけでも、この輪を鈕と呼ぶらしいから、リングと訳すべきではないだろうか、わかんないけど、と真田さんから御教示いただきました。ありがとうございます。

 正章 フルドレス・オーダー
その勲章の、最も正式な状態で使う時の、章の部分。軍隊でいうと正装のとき。

 星章 スター
リボンなしの大きなバッヂ。大綬章の副章などとして使われます。たいてい左胸につける。
軍服の場合、これをひっかけるための輪になった糸を、軍服につけておきます。
日本では正章と同じデザインでひとまわり大きくしたものですが、外国ではもっと大きかったり、まるっきり違う形だったりもする。
なんにしても、放射状になっていることが多い。
星といっても、ブルーガーター勲章のように葉っぱ風の八方放射だったり、バス勲章のように端が曲がっていたり、三日月勲章のように縦長だったり、セントフェルディナンド&メリット勲章のように丸かったり、いろいろです。

 刺繍 インブロイデリ
軍服に金糸銀糸で刺繍して、星章がついてるかのように見せること。星章をいつもつけているのは重いし、着替えのとき付け外しも面倒なので。
昔の、丈の長いフロックコート型の軍服でおこなわれてました。

 副章
大綬章の場合、章が見えにくいので、星章もつけます。このとき星章が、副章です。普段は副章だけをつけていることも多い。
北朝鮮の映像を見ると、将校たちが前身頃の全面にびっしりつけていて、あれをみっともないとは思っていないらしいんだからすごい。アメリカを滅ぼした日にゃあ、背中やズボンや裏地にもつけるんじゃないか?
中綬章の場合、星章があれば星章だけつけたり、星章のほうが正章になることもある。小綬があれば小綬をつけることもある。
小綬章は副章がないので、略小勲章か略綬で代用するのが、略式の使い方になる。
という具合なので、これを外人さんは何と総称してるんだか、ちょっとわからない。軍服に限れば、サービスドレスオーダーといったところだけれども。

 

 略小勲章 ミニチュア・メダル
章も鈕も綬もデザイン材質だいたいそのままで、大きさだけ半分近く小振りにした小綬章。
略小勲章というのは日本政府の言い方で、軍事の世界では夜会服メダル、夜会用レプリカなどと呼ばれてます。
本物を持ち歩いて失くしても困るんで、本物は王宮に上がるような特別な時しか使いません。ノーベル賞などのメダルでも、本物とレプリカと両方もらえます。
日本ではあんまり夜会服を着るようなパーティもないし、略式は略綬で足りてしまうから、略小勲章は希望者が金を出して買う。

 略綬 ラペル・バッヂ
その勲章をもらった人であることをあらわす、ごく小さなバッヂ。
夜会服を着るほどでもない席で、普通の背広などに、議員バッヂや社章のように、襟などにつける。外国のやつは、ネクタイを刺すピンみたいな構造です。
日本では勲章をもらうとついてきます。チビノワというスナック菓子がありますが、あれに底をつけたような構造。
円型の中に線があり、線の数が多いほど、立体的に作ってあるほど、高級な勲章であることをあらわす。勲章をいくつももらってる人は、複合型になることもある。素材は絹です。

 翼 ウイング
日本では中綬以上の略授につく四角い土台。これが左右銀か、右が銀で左が金か、左右金かで、3〜1等をあらわす。
これがつくと、全体が日産の社章みたいな形になります。

 線章 リボンバー
軍服用の略綬。
軍服にもいろいろあるんですが、学ラン風や背広風のやつに使うのがコレです。
綬だけを小さな徽章にしたもので、左胸ポケットの上につけます。
昔は正方形より少し縦長くらいで、ピンで留めるのもあったそうですが、今は横長の長方形ブロックになっていて、1列に3個くらいずつマウントにハメて使う。
勲章は綬の色だけでも個性があるから、判別できるわけです。
戦功章や従軍章もそうです。米軍だと、赤白青がどんな比率かで、どの戦功章か区別できるし、朝鮮戦争は青と白のストライプ、ヴェトナム戦争は黄色に赤線でフチが緑、湾岸戦争は黄色や緑などいろんな細線の束といった具合。自衛隊のは後述します。
これで軍人の経歴が一目でわかる。偉い人や長くやってる人は、ズラズラ並べてるわけです。米軍の高級将校だと7列くらいの人は結構いる。将官で9列になってるのを見たことがある。
もっと格式の高い会食や夜会のための軍服は、胸ポケットがなくて襟が大きかったりして、線章さえもつける場所がないから、襟の上に略小勲章です。

 勲記 サーティフィキット・オヴ・コメンデイション
勲章を授与した証明書というか賞状。これがないと、勲章自体は骨董屋でも手に入りますからねえ。勲章をもらう時に、一緒にもらいます。
日本のやつだと、「日本国天皇は誰を勲何等に叙し何章を贈る 何年何月何日璽をおさせる」とあって御璽があり、何年何月何日、内閣総理大臣誰、印、総理府賞勲局長誰、印、という感じです。
全体を囲む枠は、菊紋桐紋の連続で、中央に、もらう勲章の図がリアルに描かれてます。金鵄勲章の場合、もっと長い文章が書いてある。
これを入れて持ち帰る筒も支給される。外国だと、卒業証書の紙筒みたいなチャチなやつじゃなくて、羊皮紙の魔術書を入れるような、模様のついた木製のすんげえ立派な筒だったりします。

 

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