靴下どめ ガーター
舞踏会で、ケント伯の娘ジェーンの靴下どめがズリ落っこちて、赤恥かいて笑い者になったとき、居合わせたエドワード三世が拾って自分の足につけ、困ってる人を笑う奴のほうが恥だ、とかなんとか一喝してかばってあげた(これは作り話とされてきたんですが、史実だった証拠が見つかっているという)。
この故事が、女性に奉仕する騎士道精神の象徴に都合よかったので、エドワード三世が設立した騎士団の名前と団員章になり、この団員章(つまり団員になること)が現在イングランドの最高勲章でもある。
金バックルで左膝上につけます。女性は左腕。
しまいこんではならないという規定があり、使いまくる(笑)
ジェーンは絶世の美女で、ホランド家の嫁になった翌年、夫が留守の間にソールズベリー伯と重婚、裁判沙汰になって、法王庁の調停でホランド家に戻り、結局エドワード三世の息子の嫁になったので、尻の軽い女に仕えるのが騎士道か?という批判もあるんですが、しかし「青い靴下どめ騎士団」は尊厳・名誉・名声において世界一の騎士団ということになってます。
へんな名前〜と爆笑されたりもしますが、だいたい騎士団の名前っていうのはヘンテコなのが多い。それはそれで由来や意味がある。
日本ではなぜかガーター勲章と呼ばれてますが、正しくはブルーガーター勲章、オーダー・オヴ・ザ・ブルー・ガーター。
通称ブルーリボンとも呼ばれているくらいで、青ビロード、そこに金文字で、その故事の、笑うな!かわいそうだろ!というような意味のセリフが入っている。綬は青無地。
各界これをマネしてレプリカを作ったり、映画賞や禁酒会の名前にしてます。うちの城の創設者のひとりは、秘密結社の赤リボンを左足につけ、俺は最初に帯甲式してくれた女性から受けた茶リボンを左足につけますが、みーんなコレのマネ。
フランスのレジオンドヌール勲章(通称レッドリボン。やはり赤無地の綬)と並ぶ両横綱、と言いたいけれど、どっちも西方だ(笑) 東の横綱はレーニン勲章か赤旗勲章あたり。
英国の場合、シッスル勲章(グリーンリボン)、バス勲章(レッドリボン)というのがほかにあり、いずれも綬がそういう色です。

 

 頸飾 カラー
チェーンともいう。ネックレス状の勲章。貴金属や宝石の飾りを数珠つなぎにして、首飾りというより襟ぐりに飾る。昔のやつだと、ほとんど肩の端からヘソまで届くような大きな輪だったりします。スウェーデンなんかは、玉ひとつひとつがかなりデカい。軍服の場合、小さければ肩章の下を通して留める場合もある。
ほかに副章として星章がつきます。
日本の頸飾には星章だけですが、外国だと、大綬、マントル、フード、帽子など、いろいろオマケがつくことがあります。英国の高級な勲章はだいたいそう。ブルーガーター勲章も現在では、頸飾その他、このへんがほとんど全部ついてくる。
ただし、頸飾をつけるなら、その大綬はつけないのが基本です。大綬はそこまで正装でない時に、普通の礼服の上につける。

 帽子 ハット
頸飾とセットになってるような帽子は、伝統ある独特の形だったり、飾紐があちこちについていたり、プルームという羽飾がついていたりします。
羽飾を立てた帽子をかぶる身分ということ自体が名誉です。イメージとしては、ハイヤーの運転手が客を待ってるときに二刀流でホコリを払ってるあれ、あれに近い。
ほかに、前頭部などに、ポリスバッヂみたいな金属プレートがつくことがある。これは正章とほとんど同デザインだったりします。

 マントル マント
マントは旧日本軍でもマントだったみたいで、軍事学では外套とか引廻とか道行というような訳語をあんまり聞かない。ただ、勲章についてくるやつは騎士道の伝統でマントルとかローブと言うことが多いみたいです。
頸飾をつけるほどの人が使うのは、ビロードだったり毛皮製だったりします。身分によって、使っていい毛皮いけない毛皮がある。
俺もマントはいろいろ買ってあるんで、画像は各Gにて。

 フード いわゆるフード
フードは、最初は本当にフードで、いかにも頭巾風だったのが、かぶらなくても形式的に垂らす飾りになったもの。
キリスト教以前の宗教からの影響があって、いろいろとうるさい作法があるんですが、マントと別色にして、アクセントにすることが多い。

 

つづき  

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