菊花章

シュープリーム・オーダーズ・オヴ・ザ・クリサンサマム。
旭日章に似たデザインで、上下左右に白光をのばし、皇室の象徴である菊の花と葉を四隅に配したもの。
日本の最高勲章です。大勲位(一等よりもさらにもうひとつ上の等級)しかない。
日本の勲章は、もう何等と言わなくなり、勲位も廃止されましたが、改正後も菊花章だけは、大勲位なになにというのがそのまま勲章自体の名前になってます。
満州国名義で出した分は、蘭花章といいました。

 

 大勲位菊花大綬章
グランド・コードン・オヴ・ザ・シュープリーム・オーダー・オヴ・ザ・クリサンサマム。
通称「菊花」と言ったら、こっち。
綬は紅に、かなり濃い紫のフチ。よく旧日本軍の大将クラスが正装のとき軍服の上に大綬をつけてる絵がありますよね、コレです。
正章は銀製、金メッキと七宝で、菊花は黄色、菊葉は緑。
鈕は黄色の菊花、裏に「大勲旌章」。
ほかに同デザインの大勲位の副章をつける。副章の裏には「大勲旌章」の文字。
皇室で親王が成人すると与えられる。
あとは外国への御贈答用。ヒトラーにあげようとしたら、いらんと言われた。
明治天皇が初めて外国から勲章をもらった時、お返しに贈ったのもコレ。
菊花は、王族か、国家元首クラスでなければ出しません。最初はわりとあいまいだったようですが、1888年11月19日に外国人叙勲内規というのを定めた。
外国の首相や元帥には桐花ですが、あんまりたいしたことない小国であれば、王様や王族でも桐花ですませたりします(タイの王弟様とか、サックスワイマール国のベルンハルト様とかは、旭日大綬だった)。
日本の首相経験者は、死ねば与えられる(数十日で辞職したとか、汚職で逮捕されたなんてことでない限りは)。
中曽根さんが珍しく生前にもらったのは、選挙区を譲って比例に回ってくださいヨという自民党内部の都合というウワサ。それで比例順は死ぬまで1位という約束になっていたのを、高齢者はさっさと引退しろということで小泉さんが取り消しちゃったんだから、そりゃ怒るわな。
うちの父は中曽根さんとは軍人会つながりでコネがあり、中曽根さんの息子さんは古流協会の理事で俺もちょっとかかわりがありますが、それでも俺の周囲では誰もが、生前に菊花はもらいすぎだ、田中角栄ならともかく、などと言ってます。

 

 大勲位菊花章頸飾
カラー・オヴ・ザ・シュープリーム・オーダー・オヴ・ザ・クリサンサマム。
通称「頸飾」。綬ではなく首かざりで吊す。
日本の最高勲章の最高級。陛下が洋服で正装のとき、首のまわりにつけてらっしゃるやつです。
明と治の文字を篆書で並べ、菊の花と葉で飾った純金のチェーン、そこから正章がぶら下がる。
正章は菊花大綬のそれと同デザインで少し小さい。
略装の時は、略鎖という細い純金チェーンで、中綬のように使うこともあるらしい。
すでに菊花大綬をもらっている人にしか出さないので、菊花頸飾を付ける時は、菊花大綬の副章を付ける(純銀)。これをつけるなら、菊花大綬の正章はつけない。ただし、アブドッラー2世陛下に贈った時は、大綬と頚飾をいっぺんに両方贈ったというから、どうやら外国人には両方贈って両方付けさせてるらしい。
日本人の場合、公爵以上くらいで大将や首相もやってて手柄を立てまくったとか。
外国人だと、国家元首でも皇族王族でなければほとんどもらえない。平民に出したのはアイゼンハワー大統領など一部の例外のみ。
昔は、大山、山県、東郷といった英雄的な元帥や、伊藤、松方、西園寺といった大物政治家が付けてました。これを付けてる人は、なにがなんでも、皇居で最上席。大隈重信や山本権兵衛でさえ、生前にはもらえなかった。
そんな偉い人もあんまりいなくなったので、戦後は、吉田茂と佐藤栄作に死後に贈られただけ。
これをつけて歩いてる日本人は、今では陛下おひとりになってしまった。しかし今上陛下は授与されたわけじゃありません。もらわないうちに昭和天皇が崩御なさったので、即位してから御自分で使い始めた。
たぶん今後は、国内では天皇陛下だけがお使いになる勲章になるのではないかと思います。

 

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