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〈ウオーン〉など咆哮のような鳴き声

(roar)

☆この鳴き声は、ときには〈ングググ〉のようにも聞こえ、耳ざわりな鳴き声である(略)。

〈キーッ〉(略)より大きい場合もあり、どの場合も音声の質的な面は、鳴き声そのものの大きさによってかくされてしまうほどである。
この鳴き声は約一秒間つづき、実際、一回あるいはそれ以上、非常に力強く発せられるため、それを聞くものは、観察者にせよパンダ自身にせよ一瞬びっくりするほどである。

 チェンチェンは、彼女の巣穴がある木に私たちが接近したときこの鳴き声で鳴いたし、ワナにかかった野生の個体も私たちが近づくとこの鳴き声をあげることがあった。
オスはメスをめぐる争い時に、メスはしつこく迫るオスにたいして、それぞれ、この〈ウオーン〉の鳴き声で鳴いた。
ウェイウェイと若いオスも、けんかの間に何回もこの鳴き声で鳴きあった。
こうした状況下ではこの鳴き声は緊張感のもっとも高い攻撃的な威嚇になる。

 なお、交尾期にはいると相手のいない個体もこの鳴き声を発するようである。
一九八三年四月二六午後一時、蜂桶寨保護区の近くで、かん高い〈ウオーン〉が二度聞こえた。鳴き声のした方向へ這っていくと、一○メートル前方で竹が揺れている。一頭が〈ンエーッ〉という鳴き声で鳴き、つづけて長く引っぱった〈ウオーーン〉を発した。
九寨溝保護区では別の個体が一一時二○分から一二時一○分にかけ、〈ンーン・ウアン・ンーン・ンーン・ウアン・ンーン・ンーン・ウアン・ウオーン・ウアン〉と何度も繰り返しながら鳴いていた。

 

「ウオーン」

 ↓ 試訳

「うおお!」「オラッ!」「オイッ!」「コラッ!」「てめえ!」「この野郎!」「死ねやボケ〜!」
「私も、お嫁に行きたァ〜〜い!」「なんで僕には彼女がいないんだ〜〜!」

これがパンダにとって最も感情的な威嚇攻撃の声ですから、一番強い口調に訳してよいと思われます。ロアーはガオーと訳してよいものなので。

ウォー(war)の語源は雄叫びだろうというのは誰もがうすうす感じてるところですが、実際は、オペラ歌手みたいな低いウォー!という声は、かなりの訓練を要する。

たとえば武術でも、試合のときズ太い低い声を出すのは、一朝一夕にはいかないことです。
歌舞伎の「ィヨ〜〜ォッ」のような音。
現代剣道などには、「ヴォー」に近い「ウォー」を見事に出す先生方がたくさんおられますが、普通は、軽薄でカン高い「ヤァッ」くらいがせいぜいです。

千鳥姫が激怒した時に「やめろっ、トゥッ」と叫びます。
年配の男性が、なにか仕事上のヘマや危険を見かけて、驚いて急いで制止する時に、「ッテイ!」「っちゃあ!」「だあ!」などと言います。
たいてい、タ行になってしまうものなんです。

ウォーと言うのは、かなり腹が座って、具体的には下腹には力が入るが肩が下がって氣が降りて、うわつかない貫禄がなければ、なかなかできない。

交尾の相手がいなくてイライラするってことが、パンダにもあるんでしょうか?
クマは、冬ごもりをする場所を確保できないと、イライラして凶暴になることがあるため、この時期に出会うと命が危ないという話は、サバイバル術の世界ではよく言われてます。

黒柳徹子さん岩合光昭さん『朝日新書073 パンダ通』朝日新聞社2007によると、『私が会った白浜のパンダの赤ちゃんは、私のことをバカにするとき「ウィン」って鳴きました。「ヒ」とも「ワ」ともつかない「ウィ」って。』と黒柳さんが述べてらっしゃる。
幼生でも、この音は喧嘩腰ではないかと思われます。

 

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