←戻る 軍隊での煙草

話が増えたので、1ページにまとめました。

 支給される
軍隊では、煙草も、食糧や酒のように支給されることがあります。
ほしい人だけが売店で買うことももちろんあるけれども、なんなら捕虜になってる時でも、なんだかんだ支給される。

 食事に、ついてくる
軍隊の食事は、野戦食とかレーションとかいう、1食分ずつパックされたのがあります。
そこに、ガム、キャンディ、インスタント飲物、角砂糖、缶切、つまようじ、トイレットペーパーなどが、もともとセットになってることがあるんです。
昔は、煙草4本くらいがついてくることがあった。
もちろん、吸わない人は、吸う人に譲ることになる。物々交換など、条件をつけて譲ることもある。

 吸わない人もいる
うちの父は吸わない人で、ためしに吸ってみたことはあったようですが、戦時中は吸ってなかったと言ってる。
軍隊にいた期間の大部分が未成年だったということがまずひとつ。軍隊では、未成年でも酒・煙草・女をやることが珍しくないらしいんですけど。
国家に身命をささげているのだし、航空兵は何かあった時に空の上だから、つねに最高の体調にしておきたかったという理由もあったという。
それに、自分が吸う楽しみよりも、欲しがってる人に譲って感謝感激されるほうが、はるかに気分が良かったとも言ってます。

 我慢
ニオイは想像以上に遠くまで届くし、吸い殻で存在や行動がバレてしまう。作戦中はガムやキャンディや塩の錠剤でガマンです。役職や任務によっては、吸わない人であることが人選の基準になるという。
俺はもう吸うからわからないけれど、吸ってなかった頃は、部屋を出て戻ってきた人が煙草を吸ってきたかどうかもわかったし、パチンコ屋や雀荘に行ってきたかどうかもわかりました。
今はどうか知りませんが、昔のパチンコ屋に半日もいれば、そのとき着ていた服は、1メートル先からでもわかるものなんです。

 通貨として使える
精神病院では、煙草が通貨になるので、吸わない人に対しても差し入れすると喜ばれるなんて言いますが、軍隊でもそんな感じのようです
戦時中は、煙草が出回らず、軍隊に優先的に回されるので、市民はなんとかして譲ってもらおうと、交換条件を出してくる。
父がいた基地の近くに農家があって、通るたびに、柿が食べごろだからもいでいってくださいとか、呼び止められたそうです。父も若かったから、ただでもらっては悪いと思って、持ち合わせている煙草を全部出すよう部下に命じ、御礼に置いてきた。すると味をしめたとみえて、以来、食べ物が基地に届くようになり、たとえば鶏卵に、「またよろしくお願いします」などと書いてあったんだとか。

 ヘビ除けになる
ほとんどのヘビはニコチンを嫌うから、吸い殻をひたした茶色の液をズボンにかけておく。軍隊に限りませんが、アウトドアでは結構有名な話です。

 ヒルをはがすのに使える
ヒルは無理に引っぱるとキバが体内に残ってしまう。焼いてはがすのは常識です。

 

 自殺に使える?
本当かどうか知りませんが、連行される時に、頼むからその前に一服だけ吸わせてくれと言って自殺するという、青酸入りの煙草というのがあるんだとか。
父に確認したんですが、聞いたことねえなあ、拳銃は自決用に1発残しておけと命令されていたが、とのことでした。
末期のナチスドイツならば、青酸カプセルを持ち歩いた人もいたようですが、べつに煙草に仕込まなくても、煙草だけでもよさそうなもので。
煙草は、吸ってる分には長生きも可能ですが、食べたら大変なことになる。赤ちゃんが飲み込むと、ほんの数本でも取り返しがつかないそうです。
自殺しないでくださいよ。煙草を食べると、ものすご〜く気持ち悪くて、ゲーゲー吐きながら、苦しみながら死ぬそうです。ダメダメ。

 ジンクス
戦場で3人同時に1つの火から煙草に火を着けると、そのうちの誰かが戦死するといいます。
これは、暗闇で明りを囲むと誰かが敵に背を向ける形になって狙撃されるから、あながち迷信ではないんです。

 灰皿
軍隊での灰皿は「煙缶」などといって、缶のやつです。木箱の内側にブリキを張ったものもある。その下には、不燃性の敷物を敷いてることが多い。
また、昔は火ダネとして火縄をくくりつけておくことがありました。

 ジッポ
ジッポの質実剛健とか実用本意は、まさに軍隊こそ本領発揮にふさわしい場で、銃弾が当たったのにジッポが受け止めてくれて助かったなんて話があります。

 謎の恩賜煙草
戦時中に、天皇陛下から拝領の、菊の御紋入りの煙草というのがあって、兵士たちがありがたがって吸っていたんだけど、これは吸った人の話によると両切りで(フィルター付きもあったという)、味はゴールデンバットに近く、あんましうまくないそうです。
じつは現代にもあるんです。警察関係者なら手に入るらしい。なんとしても一度は吸わねばなるまい!

後日談。廃止になったそうです。ううう。

 銘柄
『金鵄あがって十五銭、栄えある光三十銭、翼を広げた鵬翼は、高いよ高い五十銭、ああ一億の金は減る』(煙草の値上げにうんざりして作られた替え歌。『紀元二千六百年』という曲をもじったもの)。
戦時中は、鬼畜どもの敵製言語を使うなというわけで、ゴールデンバットが金鵄になったりしました。
うちの父が軍隊内で最もよく見かけたのは、「誉(ほまれ)」という両切のやつだったそうです。「朝日」という銘柄を作る時のカスで作ったもので、安かったのだという。

 ステイタス
高級将校にとって、いい煙草をバカスカ吸える御身分というのは、かっこいいことであり、シャーロックホームズじゃありませんが、なにやら思慮深いイメージもくっついてくる。
映画では、ミフネさん演じる阿南陸軍大臣が、終戦決議が片付いたあと首相の部屋を訪れ、戦地から送ってきてくれたものですが自分はたしなみませんのでと、高級そうな葉巻を贈るシーンがありました。これで首相はすべてを察す。案の定、そのあと切腹です。
陛下に戦争責任を負わせずにすんだのはあの人が切腹したからだ、と、うちの父が言ってます。秘蔵の煙草を、価値のわかってくれる人に託して死んでいったというのは、かっこいいけど悲しすぎる話ですねえ。

 

←戻る 

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送