←もどる 占星術における矮惑星問題

 

 「なになに座」の定義

「何座生まれ」というのは、正確に言うと「何宮生まれ」、もっと正確に言うと「トランジットとかコンポジットとかたくさんある製図法のうちのひとつとして、生まれた時の天体配置から生まれつき固有の性質を見る方法があるが、それの、ものすご〜〜〜く省略したやり方として、単純に人間を12種類に分ける場合に、生まれて初めて呼吸した瞬間に太陽が何宮にあったかということだけ、しかも出生時や出生地の誤差、境界期などを一切無視して、大ざっぱのそのまた大ざっぱでしか見ていない、しかも春分点誤差を計算しないやり方でありながら、宮と星座が一致しているかのような感覚」ということです。
これがどういうことかというと、太陽が通過する12星座と、それとは別に、太陽の通り道を30度ずつ等分したものがあり、前者を牡羊座、牡牛座…、後者を白羊宮、金牛宮…などと呼んでいるが、星座は大きいものから小さいものまでまちまち、太陽が横切る時間の長さもまちまち、しかも星座と宮は地球の歳差運動でどんどんズレていくから、現在では星座まるまる1つ分ズレている、ということです。
もっと具体的に言えば、現在、太陽が乙女座にある時に生まれた人は、誕生日が早いか遅いかによって、乙女座だったり、天秤座だったり、蠍座だったりする。
天秤座のように太陽がちょっとしか通過しない星座だと、太陽が天秤座にある時に生まれた人は全員、蠍座と呼ばれることになる。
何座は何月何日から何月何日までというのが、本によって21日だったり23日だったりしますが、じつは境目は毎年変わっている。その年の射手座が12月21日までなら、山羊座は12月22日からスタートかというと、そうではなく、たとえば21日の17時31分なんていう境目だから、次の星座は21日の17時32分から始まるんです。これは地球標準時だから、英国グリニッジから日本までの時差を出して、さらに日本標準時の兵庫県明石市からの数分の時差も、もちろん計算に入れる。北海道で夜が明けていても、沖縄では夜だったりするからです。
というようなわけで、間違った星座を自分の星座だと思い込んで、ほかの星座の運勢を見て一喜一憂していたりする女の子なんてのは、何千万人もいる。
こういう、いいかげんな星占いが世の中の主流になっているのは、てめえでてめえの首を締めてるようなもので、せっかくの占星術をダメにしているのですが、このコンテンツでは、みなさんが御存知の、日本で普通におこなわれている星占いの星座について(不本意ながら)お話ししています。
くやしいので言っときますが、うちの季節限定企画の占いサービスは、こんな大ざっぱなやり方ではありませんので!

 支配星の変更

太陽系の天体のうち、どれがどの星座を担当するかというのが、各星座に割りふられています。各星座の基本的な性質を決定づけている。
これがまたいろいろあって、1つの星座にメインの星1つ、補助の星1つ、その星座の前期中期後期ごとに補助の星が1〜2つずつという感じなんですが、守護星、影響星、象徴星などと訳語がまちまちなので、ここでは、セーラームーンになった時に何座の人は何星の戦士になるのかというくらいの、その星座に最も関連が深い太陽系天体とでも考えてください。
それが、天王星発見以降、変更されたため、新惑星を押し付けられた星座は損な星座になってしまった。
世の中にオタクやキチガ○が増えた原因のひとつも、コレのせいということになりかねません。

 

 「水瓶座」
本来、水瓶座の支配星は、土星でした。
水瓶座の人は、独創とか発明とか、芸術や研究に向いていて、あきっぽいオタク、変人、まともな人づきあいや社会生活をやっていけないという、危険な一面がある。
その欠点をカバーしてくれていたのが、土星だったんです。土星は、「忍耐」「堅実」「抑制」「労働」「社会貢献」「分別」「常識」などを司るから、水瓶座はどんなにブッ飛んでいても、冷静さや客観性や合理性や、誰かの役に立ちたいという博愛精神を失わなかった。
その土星を奪い、天王星を押し付けやがった!
星占いでは、天王星の性質は、「世間知らず」「恥知らず」「場違い」「異常な行動」などと規定されてます。
これでは、
自分さえよければ周囲との協調は考えないという、ただのヘンな人だ。
おまけに、ウラヌスがオカマだから、美容師とか服飾デザイナーとかに、オネエ言葉のイメージまでくっついてしまって、水瓶座の広い博愛主義が、ただのホモみたいになってきている。いや、俺は決して同性愛を否定はしませんが(自分はしたくありませんが、他人がやってる分にはその人たちの勝手)、しかし、博愛主義の人がベッド上のことまで分け隔てなしってわけじゃなかろうて。

 「魚座」
魚座の人の長所である「親切」「自己犠牲」「人を信じて疑わない純粋さ」「他人を過大評価してやる優しさ」「非現実的でロマンチスト」などは、支配星である木星からきていました。
しかし、これだと、いい人すぎて、だまされたり損をする。
ところが占星術はうまくできていて、「楽観主義」「打たれ強い」「夢みがちで、希望を抱き続ける」という性質もまた、木星が魚座に与えてくれていた。
なのに、変えちまった。海王星が見つかったので、魚座の支配星は海王星に変更させられたんです。
魚だから海っていう、この安直さが耐えられん。
海王星は、「包容力」「すぐ感化されてダラダラと流されてしまう」「不確定な運」「出世と没落」などを司ると定められた。包容力や順応性という危険はそのままにして、それで傷付いたときに立ち直る解決策を、魚座から奪い取りやがった。
おかげで、2つの魚をリボンがつなぐ「霊と肉」という特徴が悪いほうにばかり出る。ストレス、ヒステリー、ノイローゼ、薬づけ、アルコール依存症、不眠症、ひきこもりなど、
心と体のバランスが不安定という、魚座の悪い特徴が、ますます強化されてしまった。

 「蠍座」
蠍座は、もともと火星を支配星にしていて、火星の性質のうち、「困難に立ち向かう強さ」という部分を与えられていました。
「勇気」「大胆」「決断力」「行動力」「信念」「克服」「我慢」というような火星のポジティブな一面が、プラスに出るのが、蠍座だった。
ところが冥王星が見つかったので、蠍座の支配星は冥王星に変更させられたんです。
占星術において冥王星がどんな役割かは、80年代ごろまで、きちんと決まっていなかったのですが、だいたい、「ものごとの完全な終わりと始まり」「ネクラ」「影でコソコソ」「現実逃避」というようなことです。
これでは、蠍座の長所が、みんな欠点になる。
我慢強さはあきらめに、慎重さは臆病に、自己統制は内向的な自閉になってしまった。軟弱なサソリなんて、サソリじゃない! 刺せ刺せ!
蠍座は、ただでさえ損ばっかりな星座で、性病患者が一番多いとか、物欲を最優先して自分勝手だとか、嫉妬深くて冷たい悪妻になるとか、絶対に美男美女とは結婚できないとか、ろくなことを言われていない。
西洋占星術は結局、いつも獅子座あたりが一番トクするようにできている。

 

 →つづく 

 

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