区隊

旧日本軍の学校に、こういうグループがあったらしいです。
父の時は3個班くらいで、小隊よりは小さいが、区隊長は中尉だったという。
一学年、くらいの感覚でしょうか。

 

 小隊(プラトーン)

1個小隊は、およそ3個分隊。
ひとりで全員の顔と名前と性格を把握できて、目が届くのは、だいたい、このくらい。

各分隊に分隊長がいて、それとは別に、分隊長を兼ねない小隊長がいます。
これ以上の規模の組織は、全部そういう形。というのは、ここからは将校が指揮官をやるので。

もともと西洋軍制は、槍でやってた頃は、何千人という密集隊形をとってずんずん突き進んでいったんですが、近代軍隊は銃でやるので、固まっているといっぺんに死ぬから、せいぜいこのくらいが最小ユニットになりました。
ところが機関銃の登場によって、これでさえまだ多すぎる、もっとバラけて別々に動こうという話になって、分隊長以下にもある程度の指揮権を持たせるようになったわけです。

つまり、小隊は戦闘のための単位です。平時には置かない場合もある。
平時には中隊の中は内務班で小分けされていて、戦時になると内務班が分隊になり、分隊を組み合わせて小隊を作る。
大昔の日本もそうでしたが、満州国とかが始まってからは、つねに戦時みたいなものだったので。

小隊長には、小隊付軍曹(実際は曹長くらい)がつきます。無線兵や衛生兵が各1名いることもあります。

無線兵は、昔は小隊にはいなかったそうです。

衛生兵は、今の米軍だと中隊本部にいて、状況によって派遣されてきて小隊と行動を共にします。
今の兵士はボディアーマーを着てるし、応急手当セットも充実してるんで、衛生兵がつきっきりでなくてもいいみたいです。
父の時は戦時中だったせいか、航空兵だったせいか、衛生兵は各小隊に1人いたり、中隊に2人しかいなかったりだったと言ってます。

昔は軽機関銃分隊と擲弾筒分隊が1個ずつついて、1個小隊で5個分隊あったんですが、今は普通の小銃も自動連射できるし、各分隊に2人は軽機関銃を持った奴がいるし、各分隊に2人はグレネードランチャー付の小銃を使っているので、歩兵小隊くらいでは支援組織を持ちません。
迫撃砲なんてのは手榴弾発射器にすぎないので、砲兵ではなく歩兵の道具です。

小隊は、古代ローマではケントゥリアといいました。

空軍では飛行小隊、フライト、シュヴァルムなどと呼び、今は4機です。

 

 中隊(カンパニー)

戦術を大きく考える時の最小ユニットです。だいたい補給なども中隊単位で届きます。
自衛隊では法令で定める最小単位。

兵科によって呼び方が違い、騎兵だとトループ、砲兵だとバッテリー、空軍では飛行中隊、飛行隊、スコードロン、シュタッフェルなどといいます。
古代ローマではマニプルといいました。

1個中隊は、およそ3個小隊と、支援組織として小隊か班が1〜2個と、これらを運営する司令部です。
兵科にもよるけれども、ざっと100人は超える。
戦時にはもう1個小隊くらい追加されてることもある。

戦闘機だと3個小隊12機くらいですが、大型爆撃機だと人数が要るので、2個小隊くらいで1個中隊だったりします。

 

特殊部隊だと4〜5個班20名弱で1個中隊とか、頭数でいうと小隊規模でも少佐が率いてるなんてこともありますが、経費か任務か戦力かなにかが中隊なみということです。
インドでは空挺大隊を構成している中隊をグループと呼んでます。

実際に戦う人は少なくても、サポートスタッフが多い場合もある。
大型機は乗員が10人程度でも、整備員が100人なんてことがある。

支援組織というのは、ライフルを撃つ歩兵が3個小隊くらいいれば、それを援護する重機関銃や軽迫撃砲や対戦車砲などの専門組織が必要になるということです。
しかし、今の重火器は強力なうえに軽量で、持ち運びも組み立ても発射も少人数でおこなえるので、やはり人数は減ってます。
今の米軍だと、ひとりで運べてひとりで発射できる使い捨て対戦車ミサイルが各分隊に1つずつあるので、歩兵中隊につく重火器支援は、対戦車ミサイルの大規模なやつ4基と軽迫撃砲3門それぞれ1個班ずつです。

戦車には対戦車重火器を始末する歩兵がつき、砲兵には弾着を確認して照準修正値を指示する観測係がつきます。
対空防御の組織も持ち歩かなければならないし、工兵の出番が多い状況もある。

しかし中隊くらいでは、あまり自前では持っていません。
中隊は、あくまでも単一科目の基本単位です。

他の分野が必要なら、所属する大隊から回してもらって、一緒に行動します。
あるいは自分たちもヨソの忙しい部隊に貸し出されて、そっちの指揮下に入ったりする。

中隊から上は、組織を運営するためだけに組織を設置しなければならない。
これが本部(司令部)で、隊長と副官以下、通信、情報、修理、備品、会計、食事、医療などの人たちです。
旧日本軍では、旅団以上を司令部、以下を本部と呼びました。
コックさんとか、銃のメンテをする職人さんとか、帳簿だけつけてる事務員さんとか、自分は戦闘しないで、戦闘する人のお世話をする人というのがたくさんいる。
機械化でなくても、中隊なら連絡用の馬や車があるから、昔だと蹄鉄師かちょっとした獣医、今は運転手や整備士がいる。
中隊本部はテントとはいえ、そこに事務所というか基地を設置し、ケーブルをひいて各小隊の塹壕や大隊本部と電話でつながっていたりするから、電話交換手までいる。
応急手当の衛生兵ではなく、ちゃんとした軍医が、中隊に1人いたと父が言ってます。

戦車や戦闘機で中隊以上になると、各隊の総数とは別に、それらを指揮する戦車や戦闘機が2つくらいつきます。
これは武装を減らしてでも無線を強化するとか、指揮官用に少し特別仕様になっていたりします。

海軍では、この規模の人数を分隊と呼んでることがあります。

 

 編成中隊(チーム)

ヨソから隊を借りてきて追加増強するとか、もともと持っている隊を別の隊と交換するかして、戦況や任務に合うように一時的に調整した組織のことで、中隊に限りませんが中隊がよくやるので中隊チームなどと言います。

たとえば歩兵中隊の場合、戦車を(もちろん乗組員ごと)借りてきたり、歩兵小隊3つのうち1つを重火器か工兵か何かの小隊に入れ替えたりする。

 

つづき 

 

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