私兵、私設軍隊

公的でない軍隊、所属もですが発想も私的。

国を憂いて攘夷に立ち上がるとか、腐敗政治を改革しようとか、虐げられている庶民を救済しようとかいう意識が薄く、もっと現実逃避的で、社会から隔絶した自分たちだけのぬるま湯の縄張を、確保・拡張していくためのもの。

カルト宗教や、マフィアや、過激政党や、金持ち(どちらかといえば後ろめたいことで儲けてる金持ち)などが設置します。
ただの警備員や保安係とは違って、過度な武装で、違法的・攻撃的、殺人もいとわない。

うちの城がパンダなんぞを国家元首とあおいでいるのは、私兵にだけはなりたくなかったからです。

 

 寺侍

宗教団体が私兵を持つ場合、2種類あるうちのひとつ。
専門の僧侶ではないが、宗教にくっついてる戦闘員です。

古いたとえで申し訳ないですが、一向一揆に参加した土豪とか、格式高い寺に属する寺侍(僧侶の格好した武士)とか。

十字軍で略奪とか占領とか、人様の信仰を否定とか、てめえたちのほうから恨みを買うようなことをしたのは棚に上げて、移民や巡礼者を保護する!とほざいてたテンプル騎士団など、「騎士修道会」なんてのもありました。

人殺しを職業にしている軍人にとって、信仰する宗教に何か貢献しようとすれば、戦闘力とか強奪品を提供することになる。
人を殺してばかりいると、罪悪感や死への恐怖などとの折り合いというか精神安定に、宗教はとても便利だったりする。
宗教が正義の御墨付きをくださって、神様のためという大義名分で強盗やレイプができる。

あるいは、もっと一途なのもあって、信仰を他人に押し付けて改宗させようとするおせっかいを、末端の人たちは純粋な善意でやっていたりもする。
固い信念があって絶対譲らないから、宗教問題っていうのは民族問題と同じくらい、それ自体が戦争の原因になる。

 

 僧兵団

僧侶が自分達で戦闘をやるもの。
宝蔵院とか比叡山とか、地下鉄に毒ガスをまいちゃうとかです。

少林寺は寺ではなく修道院、テンプルではなくマナステリーと訳されてます。
修道士はストイックだから、戦闘をやれば確かに強い。まじめに信仰してる人は真摯な気持ちで宗教を守ろうとする。

しかし、みんなが幸せに生きていくのが宗教なのに、宗教のせいで人が死んだり、僧侶のくせに人様を殴ったり斬ったりなんてのは、本末転倒ではある。

信長公の宗教弾圧も、僧侶なら宗教をやりなさい、武士なら軍事をやりなさい、商人なら商売をやりなさい、宗教法人という肩書だけ利用して利権をむさぼり私腹を肥やし武装するのであれば、そんなの僧侶とは言えないから殺してもバチは当たらんわという理屈でした。
こっちの大義名分がそのまま、敵にも口実を与えてしまうわけです。

ただし、救世軍っていうのは軍隊の身分階級をまねたプロテスタント教会です。
なんで教会が軍隊風でなければならないかという問題は別ですが。
法難や悪魔にくじけず普及に邁進するというのは、文字どおり「ミッション」ではある。

普通の会社でも、それほど軍国主義でなくても、効率がいいというくらいの理由で、組織や新人教育を軍隊方式にしてる経営者は結構います。
従軍僧とか宗務兵というのは別のコンテンツに書きます。

 

 遊撃兵

これは正規軍ですが、ゲリラを御説明するには前提になる。
遊撃は、任務をあまり固定せず、戦列から外しておいて、忙しい所へ臨機応変にかけつけることこそが任務の、別動のことです。
一時的に2塁や3塁をカバーしたり、野球のアレがまさにそう。

 

 ゲリラ

ゲリラは、訳語がないから遊撃と訳されますが、厳密には違う。俺は奇兵と訳してます。

一番狭い意味では、敵の支配下または優勢下にある状況で、民間人が、たいていは廉価低能な兵器を用い、奇襲や待ち伏せなど変則的小規模の軍事行動またはそれに類する行為をおこなって抵抗、混乱させるもの。
非正規軍といったら普通、このへんをさしていることが多いです。

小戦闘という意味のスペイン語から来ているので、正規軍でも非正規の小規模であれば、たとえば特殊部隊などが奇襲や待ち伏せや強行偵察や破壊工作や後方撹乱をするならば、ゲリラ戦と言うことが多い。
とかく神出鬼没で身が軽い。

 

 パルチザン

パルチザンはゲリラと同義で使われる言葉で、やってることもゲリラ戦ですが、広義には、徒党を組んで暴れる民間人は何でもパルチザンといいます。

もともとが、党派という意味のラテン語から来ていて、ゲリラよりも政治的思想的な主義主張が濃い。
どちらかといえば、ゲリラは非正規でも戦闘員、軍人っぽいのに対し、パルチザンは市井に潜伏してコソコソと地下活動をしている民間人というニュアンスがある。

現地住民を見かけるたびに、誰が敵だかよくわからない、見えない敵というのは、正規軍にとって恐怖です。
オバチャンでも子どもでも、スキあらば攻撃してくる。
こっちから攻撃すれば、虐待とか迫害と言われる。軍人と民間人では、軍人のほうが悪者に見えがちですが、こういう卑怯なことされて軍人さんもなかなか大変ではあるんですね。

イスラエル軍は、行く先々で、子どもたちから大量に石を投げられる。
イスラエル軍は、子どもにも発砲する。

 

 テロリスト

テロリストは…、じつはテロリストの定義は100以上の説があるそうです。
おおざっぱに言えば、テロリズム(暴力主義)の活動家のことです。

暴力によって解決しようという短絡さは、普通の軍隊だって似たようなものではあるのですが、テロリストは悪い意味で非正規なので、外交などの戦争回避努力をあまり経ることがなく、戦争に関する条約などの秩序や歯止めがなく、手段を選ばないから、降参してる兵も虐待するし、民間人を巻き込んでも気にしないし、ときにはわざと民間人を殺したり拉致したりして社会を混乱させる。

ただし、普通の犯罪者と違うのは、民族の自決独立とか愛国心とか、彼らなりに主義主張や原理があって、私利私欲はあるかもしれないが少なく、義憤でやっているということです。
だから、やってることは確かに犯罪でも、それが成功して国家や民族が分離独立したりすれば、英雄になってしまい、そのまま新政府の要人におさまったりする。
今は、そういうことしても他国が承認してくれませんが、何百年も前にやったことなら、なんとなく時効になってしまい、お上品な王室やっていたりする。

 

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