海軍 ネイヴィー

どこの国でも陸軍と海軍は仲が悪いか、自分たちのほうが偉いと思っています。

戦時中の日本では、ボートの速さが、海軍では13.5ノットくらい、陸軍では40ノットでした。海軍では1.5ノットの水雷艇でも「高速艇」と呼んでいたため、陸軍では鼻でせせら笑って「いわゆる海軍の高速艇」と呼んで区別していました。

歴史的にも、陸海は別々に発展してきました。
日本では、海軍は陸軍のオマケ的な立場だったのが、のちに同格になりました。
近代軍隊はナポレオンがほぼ完成させたことですが、あれほどの天才でも海軍はあんまり使いこなせなかったくらいで、あきらかに陸海は別モノです。

イスラエルなんかは新しい国だから、あんまり陸海空を分ける意識がないみたいですが、昔からの伝統があると、なかなか前例とか風習は変えにくい。軍隊は保守的だからです。
ベルギーは陸海空を統合しました。カナダも一時期、統合してたことがある。たいてい経費の効率の問題です。

うちは水軍と空軍は陸軍付属で強引に一本化ですが、立地条件によるもので、他意はありません。
地球は海ばっかりなんだし、海軍の重要性は言うまでもないことです。
このコンテンツはおおむね陸軍の話として書いてますが、陸軍だった父の受け売りだからです。
父が陸軍を選んだ理由は、カナヅチだっただけだと言ってます。

核弾頭つきの弾道ミサイルを積んだ原潜が、現在では、最強の最終兵器と言える。
最強なのは世論と言いたいですが、人類が滅亡しちゃったら世論もなにもないんで。

なお、ウソの軍歴をでっちあげる人に限って、陸軍軍人だったのが海軍に移籍したとか、その逆とか言いますが、明治初期の将官ならともかく、そういうことはまずありえません。
民間から非戦闘員の技術者を迎えて、待遇だけ准尉くらいの扱いにしとくということなら、移籍もあるかもしれませんが。
帆船時代の海軍については、近日中に二之丸で御紹介します。

太平洋戦争が終わる時、旧陸軍の中には本土決戦を主張する人が多くて、終戦処理が大変だったんですが、それは、ひとつには、「負けたのは海軍だけだ」という考えがあったからです。
陸軍はアメリカとの本格的な戦闘をろくにやってない、勝利を信じて死んで行った兵士の気持ちや、今まで出番がなかった兵士の死に場所はどうしてくれるんだ、という心情的な一面があったことも理解してあげないと、なんだ陸軍ってやつは国土を焼け野原にしてもかまわんというような、無鉄砲に突進するバカばっかりか、と誤解されてもかわいそうです。

日本では、飛行機でも艦艇でも、自殺攻撃は陸軍より海軍が先に始めました。

 

 海洋海軍 オーシャン・ネイヴィー

外洋で使える海軍です。じつは現在、ほとんどアメリカ海軍だけ。

外洋を航行できるということだけなら、商船や遠洋漁船だってそうです。
世界中どこの海にでも出かけていって、海軍として機能できるということ。

その海域の制空権が取れる。とにかく正規空母を持っている。もちろん1つでは作戦にならないから、複数持ってなきゃダメ。そもそも空母は大きすぎてパナマやスエズを通れないから、遣い回しができない。
もちろん空母だけじゃ海軍にならないから、駆逐艦だの給油艦だの掃海艇だのたくさんあって、なおかつ、その留守中に本国を守る海軍力もなきゃいけない。

原子力空母1隻を運用してるだけで、普通の国の陸海空全部くらい金がかかります。
しかも、金で手に入らないのが海軍なのであって、造船技術だとか航海技術だとか、技術を育成しなきゃいけない。
蒸気カタパルトまたは垂直離着陸機、これを開発できる国はほとんどない。

普通は自分のとこの周辺の海だけ、後進国だと沿岸を守るだけで精一杯です。沖まで出ることはあっても、まさか地球の裏側にまで、ほかの国の戦争にちょっかい出しに行かない。そこまで金もないし、そこまでバカでもないから。

 

 内水軍 ブラウン・ウォーター・ネイヴィー

普通の海軍(ブルー・ウォーター・ネイヴィー)に対する言葉。

米軍は、ヴェトナムの入り組んだ水路で動きがとれず、海軍の河川舟艇部隊と陸軍の歩兵旅団を組み合わせ、武装ボートを使いました。
旧日本海軍も一時期、砲艦という、喫水が浅い遊覧船みたいなやつを、揚子江などで使っていました。

こうした船は外洋を航行できないから、パーツで運んで現地で組み立てたり、現地で敵が使ってるのをかっぱらったりすることもある。

海を持たない内陸国でさえ、川や運河がたくさんあるとか、川づたいに海まで出られるとか、国境の多くが湖にかかるなんていうと、哨戒艇や輸送船くらいは置くもので、それを本当に海軍と名付け、海兵隊や海軍航空隊まで揃えたり、陸軍からは独立させている国もあるから、領海がないのに海軍があるなんて現象がおこります。
うちの城が海軍を水軍と呼んでいるのもこのへんの理由です。

ドナウ川、ニジェール川、メコン川、エーヤワディー川、ビクトリア湖、マラウィ湖、タンザニア湖など、みな重要地点です。
カスピ海は湖だけど広いうえに塩水なんで、海軍と呼んでさしつかえない。
スイスのような険しい山国でさえ、氷河が残したような湖がたくさんあるから、陸軍の中に水軍を置いてます。

もちろん規模は小さい。パラグアイやアゼルバイジャンが約2千人、多くてもこのくらいで、トルクメニスタン700、マリ50、ひところモンゴルでは7人なんてこともありました。

ボリビアは戦争で負けて海を失い、いつか取り返す日のために、標高3800のチチカカ湖で海軍を維持してるわけですが、軍艦を扱う技術は1年や2年で育成できるものではないからです。

内水っていうと、川や湖のことだと勘違いしてる人が多いですが、法律や軍事では少し違う。
瀬戸内海だって内水だから水軍と言います。
外洋で使わずに、湾内だけで使ってるなんていうのも内水軍。

 

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