内務

 入営、入隊

入営とか入隊は、軍隊に入ること。兵営とか営舎と呼ばれる基地に入るから入営と言います。

この時は、まだチヤホヤしてもらえる。
父が軍隊に入る時は、両親(俺の祖父母)がついてきたそうです。入隊の式典で、わが子がどこにいるかわからなくてキョロキョロしていたので、父は整列してるのに小石を投げて合図し、手を振ってやる余裕があったという。そういうことが許される雰囲気だったわけで、かなりノンビリですよね。この時、父は14歳ですから、まだ落ち着きのないお子ちゃまだ。

 

 退営、除隊

退営とか除隊は、現役を離れることです。
現役でなくなったからといって、兵役終了とは限らないので、ただ基地を離れるだけ。

 

 内務班

内務班は、日常生活の班わけ。
ヤマトの森雪さんは、これを仕切ってるとすれば、意外に恐ろしい女かもしれぬ(笑)

戦時にはこれがそのまま分隊になることもある。
軍隊に入ったばかりの、まだ配属されていない段階では、教育専門の隊や、軍隊の学校にいるわけですが、配属されてからも、必ずしも同僚とつねに一緒にかたまっているわけではないです。職種の仲間と、寝起きする仲間は、別ということがある。

宿舎が大部屋なので、部屋ごとにチームになる。
部屋同士で競争させ、集合でも作業でも一番遅かったり手際が悪かったりするチームは、全員がペナルティを受ける。
特に、むかいの部屋が、直接のライバルチームになります。
兵舎っていうのはだいたい、廊下をはさんで、両側に部屋が並んでいる。刑務所と同じで管理上の都合。

 

 歓迎会

新人の歓迎。隊ごとに伝統になっている場合もある。

たいていはショック療法といって、最初だけ親切にチヤホヤしてくれて、入隊式の直後とか翌日から態度が一変し、どなられたり殴られたりして、大変な所に来ちゃったなあと気持ちを引き締めることになる。これも注意力や責任感や精神力を伸ばし、事故や戦死を防ぐため。

典型的なのは、いつの間にか自室がめちゃくちゃにされているというやつです。先輩たちの仕業なんだけど。
軍隊では、服や毛布のたたみ方とか、引きだしの中に靴下をどう並べるかとか、全部決まっている。それをせっかくやっておいたのに、全部もみくちゃのひっくり返しになってる。まだ集合時間まで余裕があると思っていたら、よけいな仕事が発生したわけで。大至急なおして、遅刻せず集合しなければならない。
これは、突然の異変に対処するということを身につけるためとされてます。自衛隊でもやります。父の部隊では「大地震」と呼ばれていたらしい。

最初の3日とか1週間、あるいは、初めての失敗だけは、まだ入営したばかりだからと、大目に見てくれて、殴らないでいてくれたりすることもある。
じつは、この段階が本当の歓迎なのであって、ここまではお客さん扱いであり、その後に歓迎という名前でやっているスパルタ行事は、すでに他人行儀ではなく身内として対等に扱っているのだとも言える。

 

 班長、副班長

内務班には正副班長がいます。その徽章もつけてる場合がある。自衛隊にはそういう徽章あります。声が大きくて大食いな人が、指名されるという。

この人が私生活まで仕切っていて、外出や、自分の金で買い物するにも、いちいち許可をもらう。女を買いに行くのでいくら使いますとか、申告しなければならない。父の時は、そんなことに使うなと説教されたという(笑)

もしかすると、普段は預金通帳も預けてある。
というのは、ギャンブラーが借金取りから逃れるために軍隊に入るというパターンが世界中どこでも多いので。また、若いのに金を持つとつい使ってしまうし、除隊したらツブシがきかないから、なるべく貯金させる。
給与の半分は強制的に貯蓄というルールになっちゃってる場合も多い。

下級兵士の部屋を仕切っているのは、兵長か、ベテラン上等兵くらいの人です。
班長は下級軍曹か伍長くらいの人ですが、同じ部屋にはいないことが多い。

 

 戦友

軍隊に入ると、直接の指導者である1年くらい先輩の兵が1人に1人ずつ、つきます。階級でいうと1つ上か、もしかすると2つ3つ上だったりすることもある。これが狭義の「戦友」です。先輩と後輩がペアになるわけで。

この人から軍隊生活のしきたりやコツなど、こまかいアドバイスをもらい、1日おきくらいに菓子をわけてもらう(知らないうちに荷物の中に入れておいてくれる)。
そのかわり、洗濯や掃除などは、この人の分までやる。

うちの父の場合、なぜか2〜3年先輩の人だったらしいですが、最悪な人に当たってしまい、戦後もなにかっていうとダラダラと頼み事を持ってきたり、大迷惑だったそうです。

ある程度は上級な学校だと、教官1人に生徒2人なんて形になって、この2人が同格の戦友?で、競争したり予復習を共同でやったりします。

 

 週番、日直

当番があります。
週番は、日本だと紅白ストライプの、将校はたすき、下っぱは腕章をつけたりしました。

こういうことも共同生活には大切で、連帯感や責任感を養ったり、全員が経験を積んでおいて、いざという時に誰でも代われるということです。

ほかに、当直、夜勤なんかが回ってきて、兵舎の管理責任者、室長、門番、士官室や下士官室のお茶汲み、数時間交代で寝ずの番など、回り持ちでやる。

行事の宴会部長みたいなこともします。
自衛隊ではしょっちゅう合コンしてるそうですが、それは息抜きとか御見合いの福利厚生をやってるわけで、ただ遊んでるわけじゃない。遊びの幹事も仕事のうちです。

 

 専属

お茶汲みは、指名の場合もあります。これはイジメからの開放です。
才能もやる気もあるが軍隊になじめずイジメられてつぶれかけている人材を見抜いて、貴様は俺が預かる、俺の部屋に来て手伝え、ということになると、あの野郎はだれだれさんのお気に入りだから手を出すのは控えようという感じになり、上等兵から殴られなくなる。

一人だけキツい仕事から開放されて、高級な菓子や煙草をしょっちゅうもらえて、暖房の効いた部屋にいられるので、恩に着て、その上官に命がけで尽すようになる。

あえて助けないでイジメにあわせておいたほうが伸びる新人もいるし、全員を平均的にかわいがる場合もあり、そのへんは上官の裁量で臨機応変にやります。

 

つづき 

 

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