階級

国と時代と陸海空によって、制度はまちまちです。
旧日本軍も毎年のように改正してました。

兵種にも一目おかれるものと軽視されるものがあり、役職として、身分を超越して偉い人たちもいます。その話は移転加筆します。

 

  軍属・雑卒

サブ・プライヴェート。軍人ではありませんが、軍隊の階級で一番下っぱなのはコレ。民間人を雇用して手伝わせるものです。
昇級なし。簡単な歩兵訓練をさせてあったり、形だけ二等兵と同格だったりする場合もあります。

輸送部隊などで人夫や運転手をやらせることが多い。
植民地や後進国から、出稼ぎに来たり奴隷を買い入れたりして、貨物列車で危険な砲弾の積み降ろしとか、軍人がやりたくない役目をやらせたりもする。
父が見かけた例では、空襲で穴ぼこだらけになった飛行場で土を埋め戻す作業は、朝鮮人のみなさんがやらされていたそうです。

古くは、将校が自費で、召し使いを従軍させました。女を連れていくバカもいた。こういう召し使いが軍属で、これやっていると徴兵されずにすんだり、戦場に行ったとしても高級将校のそばでノウノウとしていられて戦死しにくいので、人気があったという。

あるいは不都合のあった軍人が身分を一時的に失っているとか、民間の自警団みたいなのが連携するとかで、この位置で扱われることがある。
軍隊にまでエタ・非人や苗字帯刀があるということです。
判任官待遇(准士官相当)で帯刀してる軍属もいました。

ただし、格闘技指導者とか兵器開発者とか、技術顧問として民間人を軍隊に迎える場合は、形だけ軍属にするかどうかにかかわらず、もっと待遇がいいです。
自衛隊の基地には民間企業から出向してる人がかなりいて、パソコンの使い方とか印刷物のデザインとかやってますが、たいていの隊員が敬語で応対してくれるそうです。

軍隊は、独立作戦能力、自己完結、全部自前でできるということが大切なので、なるべく自分たちでやるんですけど、民間にやらせたほうが安くいい物を作るなどの理由で、売店や広報や洗濯や清掃を外注に出していたりすることもある。
理容、調理、洗濯、通訳などは、軍隊の中で誰か適任者にやらせてもいいのだけれども、皇族や将官や同盟国VIPのために、一流の専門家を雇い入れることがよくある。

また、報道関係者は、まったくの部外者が同行させてもらっていて批判も書くが一部しか見せてもらえない人と、その軍隊の一員として従軍していて自国に都合のいいことばかり書く人(いわば、広報の外注)というのがある。
後者の場合、大昔は軍属でしたが、今は下士官か少尉くらいと同じように扱ってもらえて、身のまわりの世話係がつくことがある。

 

  兵

兵長以下を兵、プライヴェートといいます。
世界中どこでもハタチに満たないような若い人が多い。
もう頭数で勝敗が決まる時代ではありませんが、やはり軍隊は兵が体を張って支えている。

兵と下士官は消耗品で、特に兵は使い捨てに近く、かわりはいくらでもいる。
どんなに気をつけていても「減る」ということを前提にして作戦を立てます。
国民の命を守るために、兵の命を道具として使う。
戦争が楽しいと思ってる人は、兵の大変さを知らない人です。

兵の集団が狭義の「兵隊」です。
将校(と、准士官)、下士官、兵隊、という3つの区分。
暴力団や硬派不良学生の世界でも、「うちの兵隊が…」というような言い方はします。
自衛隊では士といい、陸士・海士・空士があります。

 

 新兵 リクルート

兵を何階級に分けるかは、制度によって違います。普通は多くて4つくらいですが。
「順番からいけばこの地位」「実際にやっている役割」「給与ランク」「階級名」「階級名の原語が意味するところを直訳したとき」「政府が公式に発表している訳語」「外国軍隊との比較対応表」「NATOなど国際標準にてらした場合」など、一致しないことのほうが多い。

あえて、二等兵の下に「階級なし」というのがあるものとして(実際ある)、御説明します。

兵の一番上の階級に、下士官代理という性格を持たせるかどうかは次ページに書きます。これによって、兵の最高が兵長か上等兵かが決まる。

そして、ファーストクラスは上等か一等かという問題がある。
すぐ思い出すのは、例の「地上階」。英国では1階はグラウンドフロア、2階がファーストフロアであり、2階のことを1階(階層が1段め)と数える。違和感あるけれど、そういうことになってるんだから、しょうがありません。

 

あと、月読という太陰暦がある。これがおこなわれていた時代は月をツクとかツクヨと呼んだので、「つきよみ」という言葉はないから「つくよみ」。
同じことを古代ローマでもやっていいて、それがカレンダーの由来カレンダエ(朔)ですが、これは基準点を勘定に入れるんです。
新月でも満月でも2日前と言ったら前日をさし、1日前というのはない(当日だから)。

これは、生まれてまだ1か年たっていない者を1歳と数える「数え歳」とか、西暦2000年代を(しかも2000年からではなく2001年から)21世紀とか、そういうやつです。

基準点から数えるかどうかは、それこそが、俺が数学を嫌いになった原点です。
「何倍」というのは「同じ数いくつ分」とか「同じ量を足した回数」のことである、ここにリンゴが1個あって、これが2個に増えるなら、現物1個分が増えたのだから複写1回つまり「倍」が1回で1倍である、2倍なら2個増えて3個のはずである、世間ではどうして増えていないものが1倍なのか、1個のリンゴが1個のままなら「元本と同じ量を元本に付け足して増やす行為が0回」つまり0倍のはずである、1個のリンゴが0個に減るなら掛けること0ではなく引くこと1である、もともとそこに無い空想のリンゴは0であるから、それがいくつあっても実在0個なのはわかる、しかし0に1を掛けるのではなく1に0を掛けるのならば話が違う、すでに1個存在しているものに0を掛けるという行為は、縦1横0、つまりコピーを1回もしておらず現物だけということであるから0倍のはずだ、納得できん、と小学2年の授業参観の時に手を挙げて発言して、違う、と言われまして、でもまあ小学校くらいだったらテストはいつも100点か98点くらい取ってたんですけど(0点を取るようになったのは高校から)。

コンサートはS席A席B席、乗物は特等一等二等またはグリーン指定自由、ひところ日本酒は特級1級2級なんて言いました。横綱・大関・関脇・小結も、特級・1級・2級・3級です。
この「特A」にあたるものをファーストと言うから、「並のA」つまり一等はセカンドになっちまう。

しかし、アメリカ人の知人に聞くと、どうも感覚的に、上等兵がファースト、一等兵がセカンドのようです。アメリカなのに英国式だ。
さらにややこしいことに、米軍は何でもかんでも米軍独自の言い回しに変えたがってるフシがあって、言い換えなくていいことまで違う言い方をしていることがあるんで、油断がならない。

米陸軍の兵の階級は、かつて
 ランスコーポラル
 プライヴェートファーストクラス
 プライヴェート
つまり「伍長代理、一等、ヒラ」だった。上等兵または二等兵がない。

これを改正して、
 プライヴェートファーストクラス
 プライヴェート(階級章がつく)
 プライヴェート(階級章がつかない)
つまり「一等、ヒラ、階級なし」になった。今度は兵長がなく、もしファーストが上等でなく一等ならば、二等の下に「新兵」という階級が新設されたことになる。
正規の兵が階級なしってこたあないんで、普通は一番下が二等兵と訳されますが、三等兵と訳してる本もある。

自衛隊の士は、「長、一等、二等」だったところへ「三等」を追加した。
これは三等兵を追加したのではなく、自衛隊が外国向けに使っている訳語では、
 リーディングプライヴェート
 プライヴェートファーストクラス
 プライヴェート
 リクルート
となっている。このリクルートがミソです。

いずれにしても、ファーストはあるけれどセカンドがない。
海軍の下士官や空軍の兵はサードまで置く国もありますが、陸軍の兵に関する限り、一等二等というよりも、ただのプライヴェートを基準にして、その上にベテランがいて、下には新人がいるという格好に見える。

新兵というのは階級じゃなくて、入隊して基礎訓練期間にある人をさします。
二等兵、または二等兵になる前の、少なくとも最初の3か月くらい、普通は6か月。
新兵であることをあらわす徽章をつけるか、つけるべき徽章をつけないことによってあらわします。

つまり、まだ適性もわからない状態、兵と呼ぶのもはばかられる、兵になろうとしている途中としか言いようがないわけです。

海軍は特に、下っぱが多い。一人前の船乗りになるだけでも大変なのに、戦闘もやるんだから。単にスィーマンといえば上等兵くらいをさすらしく、それ以下は見習いとか新人、まだ半人前という感覚らしい。
旧日本海軍には一時期、四等五等なんていう水兵がありました。五等は若水兵。これと関係あるのかどうか、海軍では実戦経験が少ない人を(高い階級だったとしても)ジャクと呼んでいました。

 

つづき 

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送