|
|
平和的解決
交渉、説得
交渉は、対話や取引。当事者同士が会談する直接交渉と、中立国に伝言を頼んだりするような間接交渉がある。
説得も交渉だけれど、軍事では特に、こっちに有利なほうへ話を持っていく前提で、おだやかではあるけれども戦いではある。交渉の一方的な見方。
監視
たとえば廬溝橋のとき。
旧日本軍と中国軍が、戦闘はひかえましょうと合意してあったのに、夜になると銃声がおきるので、なんで撃つんだよと抗議したところ、撃ってない、そっちが撃ったんだ、と互いに言い張る。
こういう場合、双方から監視員を出して、相手の陣地で寝起きさせてみる。
すると、たしかにどちらの軍隊も動いていない、でも銃声が聞こえる、ということを確認できる。
じつは両者を喧嘩させようとして、共産党の工作員が、中間地点で発砲してたんですが。
こういうふうに真実を確認しないと、なにしろ銃を持ってイライラしてるから、ちょっとしたことで国家の行く末を間違える。
審査
軍隊で審査と言ったら普通、書類チェックのことですが、それじゃなくて国際審査委員会。常設はしません。
話し合って解決しないときは委員会で判断しましょうと、あらかじめ条約を結んでおくもの。
双方から委員を出し、第三国の委員も参加させ、非公開だから国家の恥になることでも遠慮なくホントのことを言って、客観的な事実を導き出し、見解の相違を整理して、誤解を解く。
自分たちに非があるのなら真摯に謝罪する用意はいくらでもあるが、事実かどうかハッキリしないことに頭を下げるわけにいかない、というようなことで交渉が進まない場合にやります。
逆に言うと、事実さえ確認できればすぐ解決する程度のことにしか役に立たない。
|
|
国益や名誉に関することは扱わない決まりです。
そういう重い話題は、自分たちが悪いとわかりきっていても、一歩も引けないこともあるから。
それに、これは判決じゃないから法的拘束力がなくて、多数決による報告書にすぎないし、結論を認めたくなければ認めなくてもいい。
しかし一応の答えがハッキリ出るし、今後似たようなトラブルがあれば前例にもなります。
周旋
感情的になっちゃってて話し合いに応じようとしない国同士を、第三国がつないで、話し合いのテーブルにつかせてやること。中立国が活躍します。
安全な会談場所を用意したり、電報を経由したり、便宜をはかってやるだけ。話し合いの進め方や内容には、口を出さない。
実際は、間に入ってくれと依頼することもある。
すでに戦争になっている場合、「自分から敵に話し合いを申し入れた」というのは、「降伏した」と歴史に書かれてしまうので、泣きついたわけじゃない、第三国が止めに入ったからしぶしぶ話し合いに応じた、という格好にする。
メンツ、です。子どもの喧嘩とまるっきり一緒。
そもそも戦争が始まる前に話し合えば、誰も死ななくてすんだわけですけど、ある程度は、実力や、強気なところを、見せつけてからじゃないと相手が譲歩しなかったりするんで。
仲介
周旋した第三国が、話し合いにも口を出して、積極的に融和をうながすこと。
こっちのみなさんがこれだけ譲歩してるんだから、あんたらもムキにならずに少し勘弁してあげたら?くらいのことは言いますが、あくまでも提案や忠告程度。
昔は、これを調停と言いました。居中調停。ミーディエイション。取次、媒介、仲立などと訳されていることもある。
英国は島国で、一歩離れてヨーロッパを見ていたりするから、こういうの得意だった。
→つづき |
|