補充兵役、補充兵

補充兵は、なんだかんだと軍隊に入らずにすんだ人たちが、その後10年間くらいは補欠として登録されているもの。
徴兵検査に合格しなかったか、合格したことはしたが文句なしの合格ではなかったか、あるいは、何十万人も採用する中には入隊初日にいきなり発病したり交通事故にあったりして即日免除で帰宅させられた人なんてのがいたり、あんまり合格者が多すぎて余ったりとか。

父が見かけた限りでは、どこか体の悪い人が多かったと言ってます。

若い男子すべてが軍隊に入っちゃったら社会がなりたたないので、兵士にむいている人でも徴兵されない場合もあるわけです。
民間の職業だって、どこも若い人材は必要であり、戦時に一時的には年寄りだけでやるにしても、新人も育てておかないと将来困る。

インテリさんは体力より知力があるから、雑兵1名として死なせるよりも、大学で原子物理学を研究とか、飛行機メーカーで新製品開発なんかをしていたほうが、軍隊にとってよっぽど有益だったり。

というわけで補充兵役として待機させておいて、いよいよ予後備役まで失った時に召集され、ごく簡単な訓練だけ受けて、部隊へ送り込まれます。

2種類あり、あらかじめ訓練をすませてまあまあの即戦力として待機する人と、召集されるまでまったく訓練を受けていない人がある。訓練のためだけの召集というのがあります。

うちの親戚にひとり、目に障害があってコレだった人がいましたが、結局は召集されました。でも生き延びた。
軍隊のほうでも、そんな急にシロートを入れても役に立たないってことはわかってるから、あんまり危険な役職にはつけないみたいです。

国民皆兵、すべての国民が戦うというタテマエで、一応、こういうふうになってたわけですが、しかしここまで動員されると、もう敗戦は決まりきっていて、いかに上手なタイミングで終戦するか、なるべく有利な降伏条件を引き出せるかということなので、それまでの間、数さえいれば何でもいいという程度。

欠員を埋めることを、世間では補充兵と総称してるみたいですが、正しくは、現役で埋めるのはただの新兵や編成です。

 

 国民兵役、国民兵

第一国民兵役は、後備役満了の人や、補充兵役満了だが訓練はすませているという人を、30代いっぱいくらいは待機させておくもの。

兵器もモデルチェンジしていくし、結局、役に立たない。
国民兵という部隊を作って、戦争末期に内地を守る程度です。

第二国民兵役は、第一国民兵役の補欠。な〜んの訓練も受けたことがないが、男ではあるから、人材として登録だけはしておくもの。
旧日本軍だと17歳以上45歳以下。

父は、第一と第二があったことすら戦時中は知らなかった、仲間内でも話題にものぼらなかった、と言ってます。まったく眼中になかったらしい。
こんなのまで戦うとなると、もう国家の滅亡、一億玉砕です。勝っても負けても、人がいないんじゃ国家にならないんで。

 

 傷痍軍人、廃兵、廃兵院

なおる怪我でも、戦闘で負傷すれば勲章が出ます。

傷痍軍人は、従軍中に、なおらないくらいの大怪我や病気をした兵隊さん。

もう軍人どころか普通の社会生活をやっていくのも困難になってしまった場合は、廃兵といいます。兵士の廃人です。
それ相応の金を支給され、行き場所がなければ廃兵院という国営の介護施設に収容して、死ぬまで国が面倒みます。

しかし、ネルソン提督みたいな高級将校は、経験や頭脳に用があるのであって、目や手足は若い部下がかわりにやればいいし、それほど偉い指揮官でなくても、後方や内地の軽い勤務なら充分に勤まるので、障害があっても立派に活躍する人もいます。

やっかいなのは精神的に故障してしまった人で、これは鍛えておいても防げるとは限らないみたいで、いい人ほどダメージが大きいといいます。
そこまでひどくなくても、人が人を殺すということは、少なからず心の傷を負う。

 

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