沿岸警備隊

 コースト・ガード

民間船や港の安全を守ったり、密貿易の取締などをする公的機関です。
厳密には軍隊ではないのですが、しばしば武装してます。

これが主に水上警察か、水運管理か、国境警備かというのは、国によって感覚が違う。
タイは海上警察、シンガポールは警察沿岸警備隊、韓国は海洋水産部海洋警察庁、中国は交通部海事局などと言ってます。

アイルランド、モーリシャスなどは、海軍を持たずに、沿岸警備隊だけでやってます。

英国には海事沿岸警備庁と王立国家救命艇協会がありますが、水難救助しかやらないし、カナダの沿岸警備隊は砕氷船で航路を作るなど交通関係が主な任務で、いずれも沿岸警備は海軍がやってます。

アメリカの沿岸警備隊は、じつは海軍の第一艦隊で、普段は海軍とは切り離して使っていて、有事には軍隊に戻って国防総省の指揮下に入ります。
1966年以降、法的には常に海軍の一部であると規定されているとかで、本土防衛の、最後の海軍になるんだそうです。

イスラエルでは普段から海軍に組み込まれてます。

昔から密輸とか麻薬は軍人と関連が深く、国境に軍隊がいるというのも相手国が緊張するから、国境警備は軍人でないほうがいい場合もあるわけです。

 

 海上保安庁

軍隊を持たないのなら、これが本来は海上自衛隊のはずです。

総理府の「保安庁(のちの防衛庁)」が管轄する「海上警備隊」を、「警備隊」さらに「海上自衛隊」と名前を変えて、国民にはよくわからないうちに日本の新しい海軍にしてしまい、イージスまで持っていて、最近はイラクにまで行っちゃうと、本当の保安庁、本当の海上警備隊が別に必要なので、運輸省の管轄の海上保安庁を作ったわけです。

だから、旧日本海軍の伝統や人材は、海上自衛隊と海上保安庁に二分されていて、ライバル意識や縄張争いがあり、ものすごく仲が悪いそうです。
巡視船に島・半島・岬・湾だけでなく山の名前をつけているのは、旧海軍の雰囲気を感じます。

ずっと隠してたんですけど、海上保安庁は朝鮮戦争に参加してます。
保安隊(のちの自衛隊)がまだなかった頃、米軍の手伝いで掃海をやりに行って、死者を出し、瀬戸内海で死んだことにした。
偉い人たちが遺族の所へ、黙っててくれと頼みに来たという。

 

宇宙開発機構

 平和利用

宇宙開発は、つねに軍事と共にありました。
ガガーリンもアームストロングも軍人です。
ロケットはV2以来のミサイル技術の転用だし、GPSも衛星写真も、軍事システムを民間に解放したにすぎない。

NASAは米陸海空軍の宇宙部門を統合したもので、今は非軍事分野を担当というタテマエですが、宇宙へ行き来するにしても、宇宙船内での低重力実験でも、新素材や新技術を開発するわけで、それは軍事にも使われる。

日本人宇宙飛行士が、どんなに世界平和と言いながら参加しても、結果的に、日本人が軍事に貢献したことになってしまいます。
軍事も平和のためにやることだから、平和利用で間違いじゃないんですが。

ノーベルが苦悩したように、道具は使い手次第、良心にかかっているわけです。

だからこそ、日本人が宇宙開発をやることに意義がある。

日本がそうだとは言いませんが、宇宙ロケットと原発があれば、核兵器とまではいかなくても、放射性物質を敵国にバラまくなんてことは技術的には今すぐ可能です。
北朝鮮なんて、太平洋に落ちたテポドンがじつは人工衛星で、今でも宇宙を飛んでいるとか言ってます。

 

 国家の競争

人類が戦争をやめられない生物で、国家や民族がある限り戦争がなくならないとすれば、スポーツの国際試合みたいに文化的な競争こそ、昇華された戦争、殺さない戦争と言える。

米ソの宇宙開発競争は、形を変えた冷戦でした。
しかし国威発揚にしても、陰で軍事技術に転用するにしても、宇宙開発で勝負してるうちは黄金期だった。
なんたって月にまで行ってきたのだから。

今は各国とも宇宙開発の予算を削っており、シャトルは新型はおろか壊れた分の代替機すらない。国際ステーション建設も予定が遅れてます。

いろいろな理由があるのですが、一番ひどいのは宇宙軍です。
宇宙兵器なんてことを想定したあたりから、かえって宇宙開発が止まってしまったのは、アメリカのSDIがSFまがいで幼稚だったからです。

 

 宇宙軍が宇宙を遠くした

SDIというのは、レーザー砲を積んだ人工衛星で弾道ミサイルを迎撃するというような計画でした。
これを言い出したレーガンが俳優だったせいか、荒唐無稽とわかりきっていたのに、中止になるまでに400億ドルくらい使われた。

もちろん、そこから派生した技術はチマチマ役に立っているはずですが、それだけ金があったら、とっくに火星くらい行けただろ。

第三世界の独裁者が核を持ったり、イラクのミサイルを意外に落とせなかったりで、ミサイル防衛計画自体はその後も続いているのですが、今すぐ必要だからこそ、子どもっぽい空想をやめて大人の対応に切り替え、今ある技術の発展だけにしたので、最近はかなり現実的になってます。

ソ連は、軍事衛星で軍事衛星を破壊する実験を何度もやりましたが、実用化できたとしても効率が悪くて使い物にならないと、おそらく自分でもわかっていて、SDIへのあてつけにやってただけです。
その時の破片は大量に地球を回ってます。
いわばゴミを打ち上げやがった。
そのロケットを使って宇宙ステーションの資材でも運べばよかったのに。

夢を追うのも大切ですが、この場合は、かえって夢を遠くさせてしまった。
人類が宇宙にあこがれて宇宙に旅立つのを、宇宙軍が通せんぼです。
宇宙軍は宇宙を守るのだから、ツジツマは合ってるのですが。

 

国連その他

 国連平和維持活動
 ピース・キーピング・オペレイション

国連は軍隊を持っていないので、国連軍というのは、加盟国が編成した多国籍軍に国連が正義の御墨付きを与えた場合ということになる。
制服や兵器も各自のものを使います。

しかし国連が本当に中立公正かと言えば、そもそも国連はユナイテド・ネイションズ、第二次世界大戦の連合国のことであり、名前もそのまんま、常任理事も戦勝国が独占したまま。

規模や装備や経験から、どうしても米軍が中心になるから、打倒共産主義軍や反イスラム軍になりかねない。
かつてソ連ぬきで国連軍を朝鮮に派遣して、本当にアカ撲滅戦争をやりました。

今はもうちょっと穏便な支援に回るようになり、ノーベル平和賞も受けてます。

国連がやるから正しいとは限らないにしても、やはり国際世論を前提にした、一応の歯止めとか基準ではあり、ほかにないんだからしょうがない。
2種類ある。

ひとつは国連平和維持軍、PKF。
各国からの軍人が参加した多国籍軍で、監視、治安維持、武装解除、爆発物処理、復興土木工事などをやります。
自衛のみの軽武装ですが、業務妨害への反撃は許されてます。

もうひとつは軍事監視団で、PKOの戦闘部門じゃない人たち。
じつは各国軍隊から派遣された将校で、個人として参加しているけれども、武装警護がつくこともあり、団体名も保護軍と言ってる場合があります。
協定履行、停戦、撤退、武装解除、違法な軍事物資の流通、人権、民主選挙や国民投票などを、監視、確認、調査、検証、報告、指導などするのが役目。

 

 国連待機軍

各国の国防軍をそのまま海外に出すのはいろいろとまずいので、北欧諸国、カナダ、オランダなどは、国連軍にするための専用の軍隊というのを、国防軍とはほとんど別に持ってます。

三島由紀夫先生も小沢さんも、自衛隊を2分して、国防専用と海外お手伝い専用にしろと言っている。
これに反対してる人は、まるで自衛隊をもうひとつ同規模で作るかのように勘違いしていたり、わざと勘違いさせるように言ったり、最初は50%が2つでもいずれ100%が2つになっちゃうだろうと心配している。

しかし、これをやらないんだったら、憲法で戦争放棄した国ですと言いながら自衛隊を海外に出すことは、筋が通らないと俺は思うんですけど。

せめて、制服は変えたら?
迷彩の戦闘服をダークグリーンか、できればオレンジの作業服にするだけでも、だいぶ違うと思うなあ。

心身が傷ついてる人たちに、元気だしてくださいねと応援に行く時に、迷彩服で行って、打ち解けて心の交流ができると思ってる神経がわからん。
人様の不幸を利用して、軍事訓練してるようにしか見えん。

自衛隊の広報写真を見ると、たいてい、女性自衛官が、現地の子どもさんと一緒に、折鶴を折ってる写真が使われるんですが、迷彩服なんですねこれが。
どうして、こういうウソ臭いことをするかねー、かえってイメージが悪くなるということが、わからないのかね。

 

 平和部隊 ピース・コーア

先進国が発展途上国に派遣する技術者集団。
アメリカがよく使う言葉です。

戦闘やりに行くわけではありませんが、こういう言葉があるというのは、海外派兵と国際協力支援の線引きがあいまい、少なくとも日本人の感覚よりもあいまいなようです。

日本も民主主義からチューインガムやチョコレートまで、進駐軍に恵んでもらった。

もともとアメリカは移民の寄せ集めだし、世界中に軍隊を展開してるんで、日本なんかより視野が大きい。

 

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