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 キャラがかぶる

オタクは冷えたネクラなものを好むから、赤より青、地より天、太陽より月、光より闇、如来より魔神、コーヒーより紅茶などに人気が集中しすぎる。

みんなが同じになってしまった時に、私って風の化身なのよとかホザくためには、誰がそう認めたんだ?という嘲笑に対して断固言い返せる明解な答えが要ります。

春に港町で生まれたから本名は春海、魚座だからペンネームはアフロディーテって、あんた、それと同じ条件の人が何万人いると思っとるんじゃ(笑)

そんなことより、母親が昔から自分の娘には葵ちゃんと名付けたいと思っていた、植物や祭や徳川家には何の関係もないが、音の響きが好きで固くそう決めていた、というほうが唯一自分だけの根拠になると思います。

自分だけが特別と思ったら大間違い。
どのお子さんだって世界一の子どもとして産まれてくる。
母親はみんな、御自分のお腹を痛めたのだから。

 

 偶然も大切にする

縁とか出会いは、立派な根拠になります。
俺のバイクや楽器は全部、入手したきっかけや、その時の出来事などに由来して、名前をつけてます。
パンダやってるのも、たまたま。

3年間ほど、フクロウをマークにしてたことがありました。
真夜中に考え事をしながら自転車に乗っていて、なんとなく、ある寺まで来てしまったので立ち寄りたくなり、そこは山全体が杉林に包まれていて真っ暗で、ものすごく長くて急な石段の上空だけ細長く空が空いていて、星がびっしりと並んでいた。
石段を登っていくと、石と石の隙間からヘビがウネウネ出ていて少しビビったけれども、上で参拝中に気配を感じて振り返ると、フクロウがさっきのヘビ(たぶん)をぶらさげて、音もなく石段の上をすーっと滑空して降りていくのが、スローモーションのように見えた。
これが何かのお告げかというと、なぁ〜んの意味もないんですが、こういう場面に出くわす経験は、田舎に住んでいてもあんまりないかもしれないと思ったのが、たまたま神聖な場所、奈良時代から続いてる寺で、戦国武将がたびたび立ち寄った場所だった、ただそれだけのことです。

フクロウなんて武家の感覚では奸賊とかモノノケの範疇だし、西洋ではもっと高学歴の人にふさわしい位置付けだし、あんまり好きな動物でもなかったんですけど、ちょっと地味すぎて人が使わないくらいのやつのほうが、自分で名乗ってて恥ずかしくないです。

 

 

 

 限定してはいけない

フクロウのキャラをやってると、ただのジョギングでも夜中に出たり、金属でできたものはできるだけ光らないツヤ消し黒を選ぶとか、キャラが固まってしまい、それは自分を狭く縛ることでした。

こういうふうに狭いほうへ突っ走ってしまうのは、俺が若くてバカだっただけで、みなさんは大丈夫だと思うんですけど、もし御自分を飾るにしても、損をするような飾り方にならないように注意してください。
中学生くらいの人は特に要注意。

酔いしれてる時は自分が見えないんで、少しジャンルの違う世界の、御意見番のような忠告者がいると便利です。

ルパン一味がみんながワインで乾杯してるのに、いや、拙者は石川五右ェ門だから日本酒しか飲まぬというのは、ただの場違いな偏屈です。
変人になってはいけない。

 

 立てなくていい特徴は立てない

限定しないという意味での自己表現は、あんまり特殊なものは損だということです。

武術で好きな言葉と聞かれたら、勝って兜の緒をしめよとか、人のふり見て我ふり直せとか、みんな同じようなこと言いますが、これが、死して屍ひろう者なしとか、いずれも人知れず仕掛けて仕損じなしとか、あんまりヘンテコだと、本人がまじめに言うほど滑稽になる。

マンガに出てくるメンバーの特徴づけみたいな事なら、バレエの『白鳥の湖』の格好で相撲とる奴が一人くらいいてもいいんですが、現実的には、マワシは黒にするか紺にするか、その程度の狭い選択肢の中で、自分は空手もやってて初段あるから黒にしたいですとか、名前に水が関係するから水色とか、そのくらいのことでいいんです。

大相撲では、化粧回しの都合もあって、赤とか金とか派手なマワシも使われますが、公式ルールでは認められておらず、黙認されてるだけです。

それよりも、強烈な突っ張りで電車のように前に進むとか、右上手を取れば確実に勝つとか、四つに組んでしまえば変幻自在の投げが出るとか、もっと個性を発揮すべき所があるでしょう。

生涯平幕だったが、毎日の稽古はつねに誰よりも遅くまでやっていたなんてことでも充分です。

 

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