猫娘は実在するか

 

 ゲゲゲの美

このコーナー、シャレで始めたんですが、まるで「俺のまわりにはブスしかいから二次元のキャラに走らざるをえなかった」「生身の女性美がわかっていないから、アニメキャラなんぞにモエモエになっている」という格好になってしまうと、俺もだが彼女たちの名誉のために大変マズイということと、猫美ちゃんその他のことがあって、もう1ページ作ります。

主観で言ってるんじゃありません。
俺だって美術を職業にしてるから、自分の好みと違っても、美しいものは美しいと認めますよ。
不勉強なりに、アングル、哥磨、小磯、シーレ、深水、夢二、さらに稲垣足穂、井上清、井上章一、櫻井秀勲、本田和子各先生くらいは、ひととおり見聞きした上での話です。

俺が普段会ってる連中は、みんなそれぞれ、そこそこの魅力をお持ちで、M一門も、由美子ちゃん一味も、大したもんです。
西之丸「広間」をごらんください。
この城の創設者のひとり千鳥姫なんぞは、考えつく限りの理想をすべて備えた完璧をやっている。
うちの姪は、まだお子ちゃまなので、俺があらゆるノウハウをつぎこんで一流の美女に教育してるところですが、今の時点でも、足りない部分はほかで補えるくらいにはまあまあになってます。
理沙はあんまりたいした奴じゃありませんが、顔(だけ)は、美人だってことは認めざるをえない。

しかし、それはそれです。
このコンテンツでは、
「猫娘みたいな感じの人が世の中にあんまりいないのは遺憾である」ということを問題にしてるわけです。

妖怪ではあるが人間と容姿が変わらないから、人間社会にまじってアルバイトしている、というのであれば、普通の人間の中にも、猫娘っぽい人間がたくさんいてくれなきゃ困りますよ。

ゲゲゲッとしたかわいさです、って俺が言ってみたところで、どんなだよー?!と思うでしょう?
だーかーらー、それをお伝えしたくて、カップラーメンのフタなんかわざわざ撮影したわけで。
この魅力が、ぜんぜん世間に認知されていない。

 

 猫娘は少数派

いや、ネット上で猫を名乗る人だったら、何百万人もいるんです。ぶち猫さんだってかりんさんだってそうだ。

しかし俺が見たところ、御自分を猫に見立ててる人っていうのは、猫のたくさんある魅力のうち、ホッとさせる安心感とか、やすらぎのような部分を好み、また御自分もそうあろうとして、実際そんな感じになっていて、柔和で繊細、気配りがこまやかな、いい人が多い。

しかし、そういうのは猫娘じゃないでしょう。

あんまり傷ついたり落ち込んだりすることがなく、実際はあるのかもしれないが、本質的に強くて、打たれ強くてケロッとしていて、心臓に毛が生えたようなズ太さがあって、親切かもしれないが割り切って自分優先、ちゃっかりしててずうずうしい(それがかわいいから困る)のが、猫娘だと思うんです。
そもそも妖怪なんだし。

 

 本人の性分に一致しない

うちの城によく出てくる人物の中では、早紀様が一番、猫娘っぽいです。
八重歯だし、生意気だし、背がちっこいし、形意拳や洪家拳とは違いますが形象戦闘ができる。
義理チョコも誕生祝いも、何も言わずにサッとよこして、ニコリともしないんで、優しいんだけど無味乾燥。

しかし…、猫以外の、別の動物が好きみたいで(じつは猫美ちゃんもそうなんだが)、自分の団体のマークにしたり、グッズ集めたり、そっちの動物を熱心にやってらっしゃるので…。

たとえば阪神ファンに、あんた龍に似てるから龍のキャラをやれ、っていうのは無理。

猫娘の素質があるということと、猫が好きということと、猫以外の動物をキャラクターにした団体に所属していないということは、必ずしも一致しないというか、一致しないほうが多い気がしますね。
猫娘みたいに、元気で活発で積極的な人は、はにゃーとか繊細なことは言わないだろうし、猫よりも犬を好みそう。

たぶん猫娘は、猫が好きで意図的に猫になったんじゃなくて、生まれた時からたまたま猫だったというだけのことだと思います。

前述したとおり、猫が大好きだっていう人はいやし系のほうへ行っちゃうんで、猫娘が偶然にできあがる可能性は、はなはだ低い。
これが、猫娘が世間に少ない原因だと思うんです。

猫に癒しを求めない、ペットなんか飼わない、気が強くて自立してる、はにゃーとか言わない、でも、御自身は猫キャラやってる、…そんなのいるか?

 

 時間が猫娘を滅ぼす

あとは鮫島さんなんか、かなりいい線いってるほうだと思います。
キティが好きみたいだし、角手や手甲鉤とは違いますが、そういうことができる。
始発まで2人で飲んで、道ばたでバイバイすると、見えなくなるまで何度もふりかえって、何度も、バーカ!と叫んだりする。すんげえ大声で。

 

しかし、最近は顔が大人になって、めっきり落ちついたキャリアウーマンになっちまった。

俺の好みはツンノミなので、キリッとしてツンケンしてるのは大いに結構なことなんですけど。

猫娘は、「キレイなお姉さん」ではダメだと思うんですよね。
もっとコマシャクレた、小便臭い小娘でなければ。

これはロリコンとは違うんです。
大人になっても、かわいげがある人もいます。
川上麻衣子さんとか、原田知世さんとか、石川さゆりさんとか、気品をただよわせた大人の魅力でありながら、無邪気なかわいさをうまく残している。

 

 永遠の美少女

結局、猫娘というのは、思春期の(もっと厳密に言えば反抗期の)少女が、成長していく過程の中で、ごく短期間だけ見せる、ごく不安定な美を、いかに普遍化するかということだと思うんですよね。

現象としてはすぐ感情を爆発させる猛々しさ、それでいて悪気のない無邪気さ…だからこそ残酷な、だからこそ美しい、そういうものはすでに妖怪みたいなものなんだが、妖怪にすることによって、一過性ではなく半永久的な存在にしたのが、猫娘ではないかと。

これって、死からの脱却、まったくの宗教ですよ、解脱しちゃっている。
水木先生ならやるはずだ、あの人は元兵隊さんですからね、死を知ってらっしゃる。

カメラ小僧みたいなのは目の前の刹那主義だから、30代にもなってアイドルのおっかけを続けていくかどうか、20代の時にはあまり深刻には考えないでしょう?
猫娘はもっと中長期的な視野、心象先生や慶文先生のような、「こんなに美しいものがいずれは老いて死んでいく」っていう、無常感と向きあって、恐ろしく悩んだ末に、なんらかの答えを出しちゃっている。

もえ〜っていうのが、心が高揚することであるならば、こっちは逆にダウン系というか、見たとたんに胸をしめつけられて、むなしくて悲しくなっちまうような、うす暗い美です。

山口百恵さんがどうしてデビューしたかというと、あの人は、見た瞬間に誰もがハッとする「暗さ」があったからなんだそうです。
で、引退してそれっきりでしょう?

猫娘も、おすましが暗いんです。
魔族だから、闇の側にいて、谷崎潤一郎になってる。

しかし、「はかない」「か弱い」っていうのとはちょっと違う。

 

 猫田猫美の場合

この城のあちこちに出てくるこのお方は、昔から猫娘と恐れられていますが、この人は、その違うほうをやっちゃっている。
この人の場合、それがかわいいんですけど。

たしかにリボンは似合うし、妖怪にひけをとらない性格してますが、もっとフェミニンな、たとえばセーターの袖から指先をちょっとだけ出してるような、線の細いタイプです。
す〜〜〜〜〜ぐ泣くし。

この写真、俺の部屋なんですけど、この横で俺があおむけに寝転がっていると、脇腹をつっついて、くすぐってきます。
そういう茶目っ気はあるんですが、どんなにバカをやっても、どこか上品さや遠慮が抜け切らない。

これも、ロリコンとか年齢のことじゃありませんよ。
年齢にかかわらず、「妹タイプ」の魅力は、方向が2種類あると思うんですよね。
あにきー?、なんて呼んできて、言いたいことを言いたい放題言って、兄をタジタジにさせるようなのが、まずひとつ。
おにいちゃん…てな言い方で、首をかしげて涙ぐんでウジウジしてて、ほうっておけないので、「俺の妹に手を出す奴は許さん、半殺しじゃ!」っていうのが、もうひとつ。
猫娘は、あきらかに前者でしょう。

猫娘は、妹っぽく見えたとしても、自主独立の長女型のはずです。
オタクは気持ち悪い!とハッキリ言うような、情け容赦のない強さと冷たさを必要とする。

 

 →つづく 

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