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ベリーエフBe-2(Бе-2)
カー・オー・エル─1
なぜかこのページから先は、数字の前にハイフンあり。
(К.О.Р─1)
艦載複座偵察兼多用途機
諸元及性能
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識別上ノ特徴
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最大速度
約三一〇時粁 277キロくらい。
航續時間(距離)
不明
530キロ? 偵察なら1000キロという説もあるが、3時間しか飛べないという説もある。
武 裝
機關銃 二-三
爆弾約一〇〇瓩
前方固定2、後部旋回1、いずれもShKAS。
爆弾は通常100、最大200キロ(100キロ弾×2)、ただしこれを積むためには機銃は降ろしたともいう。ShKASは航空機銃としては軽いほうですが、弾薬こみ3丁なら100キロ越えますたぶん。
翼 長 約一一米 |
一、單浮舟、複葉ナリ
二、胴體太ク短ク同乗者席ニハ圓蓋銃座アリ |
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ベリーエフは、戦前戦後にかけて優秀な飛行艇を生み出した第49設計局。
というか、ロシアの飛行艇の多くは、ここの設計です。ジェット飛行艇(おそらく世界唯一)も作った。のちにスホーイに吸収される。
ゲオールギイ・ミハーイロヴィチ・ベリーエフさん。
フランス人から技術を学んだのだという。フランスは水上機発祥の地。
КОРは、「艦載偵察機」の頭文字。
KOR-1(КОР-1)は、36年から生産したとか、39年から配備されたとか。
8千トンクラス以上の軍艦の後ろに乗せる艦載機として、ドイツからハインケルHD55を輸入してKR-1として使っていたが、その後継機として国産開発したものの、失敗作。
だから、実態はそれほど艦載機ではありません。
よくて水上機。
非力なのはともかくフロートの耐波性が悪くて、バルト海あたりで沿岸警備や救難捜索くらいにしか使えなかったという。
どっちみちバルト海の制海権は、大戦末期でさえドイツが握っていた。
フロートを外して車輪をつけて、エンジンを強化して、可変ピッチペラにして、黒海方面の陸上基地に置き、ルーマニア軍に対して使ったという陸上機仕様も、ほんの少しあったらしい。
それにしちゃあ、これ300機も作ったらしいんです。
機体は鉄骨に羽布張り。エンジンは「M-25A」。
このころソ連では制式番号のつけ方が変わり、種類や用途の頭文字をやめて、設計局の頭文字をつけるようになる。
共産主義お得意の、英雄崇拝式。
もっとも、これをきちんと徹底させていたわけでもないようで、MiG-13をずっとI-250と呼んでいたり、どうもバラバラな感じだったりもしますが。
ベリーエフ設計局で作ったものには、Беいくつと名付けるわけです。
КОР-1も、本書の出版時にはすでにБе-2に名称変更してました、たぶん。
本書の三面図では、上翼の真下に下翼があって、支柱は細め、補助フロートの支柱がV字、排気管部分は小さめに描いてあります。
カウリングシャッターは描かれてますが、実際にはついていない機体もあったらしい。
この飛行機って、前方固定銃2を上翼の上につけていたんです。
これは第一次世界大戦の頃のやり方です。
ドイツの爆撃機に困った英国が、世界初の夜間戦闘機を運用した時に、機銃の炎で目がくらんで残像になって夜目がきかなくなるのをさけるため、機銃を機首から上翼に変更したことがあった。
第一次世界大戦の時にはもう、ドイツがペラ同調をやってます。
本書の発行時には、モーターカノンということもすでに始まってる。
主翼の中に搭載するならまだしも、重心を高くするのは、あんまりいいことではありません。
しかし水上機なので、水をよけたかったんでしょうか。
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