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 ヴァルティV11GB(BSh-1)

 

ヴァルティ─11
「ティー」ではなく「ティ」でハイフン。

二-三座輕爆襲撃機

諸元及性能
識別上ノ特徴

最大速度
 襲撃機
  三七〇時粁
 輕爆兼機
  三四〇時粁

航續時間(距離)裝備ニ依リテ異ナルモ
 八-一二時間(二、〇〇〇-三、〇〇〇粁)
こんなに飛ばないだろう。1800キロ弱。

武  裝
一、襲撃機トシテ
  機關銃  六
  小爆弾

二、輕爆兼機トシテ
  機關銃  三
  爆弾

前方固定4、後方旋回1、後部下方隠顕式1、いずれも7.62ミリ、たぶんブラウニング。
米軍では14キロ弱くらいの小爆弾を胴体の爆弾倉に収納、270キロ、一説には最大490キロ。
翼下に爆弾を最大500、一説には550キロ付けることもできたらしい。

翼 長  一五米
ここだけ「約」がない。15.24。

一、「スッキリ」シタル低翼單葉ナリ

二、引込脚

三、胴體前部ハ長ク主翼前ニ突出シ且長大ナル座席覆ヲ裝ス

四、水平尾翼ハ垂直尾翼前方ニ裝セラル

五、垂直尾翼ハ胴體下マデ垂下シ尾輪部ヲ形成ス

 

 

ヴァルティ・エアクラフトは、アメリカの航空機メイカーです。
あまり大手ではない新興後発メイカーで、米軍に採用されないから輸出用の戦闘機なんかを作ってた。
ヴァンガードとか、ヴァリアントとか、ヴェンジャンスとか、ヴーヴーした感じの(どんな感じだよ)名前をつけるのが特徴。
というか、こういうことは英国なんかでは普通によくあることで、社名と同じ頭文字の名前を飛行機につけるんですよね。

このころコンソリデーテッドを買収して、コンソリデーテッド・ヴァルティ(略してコンヴェア)になりました。

のちに戦闘機の名門ジェネラルダイナミクスに買収されたが、ジェネラルダイナミクスは航空分野から撤退(現在ふたたびビジネスジェットを扱ってるようですが)、自社の航空部門はロッキードに売却、子会社コンヴェア部分はカナダ政府に売却。
国営カナディアになったが、建国以来の大赤字を出したため、スノーモビルなど作っていたカナダの重工業ボンバルディアに売却。

ボンバルディアエアロスペースになり、北アイルランドの老舗ショートブラザースが切り捨てた航空部門や、カナダ国営からボーイングに売り飛ばされたデハビランドカナダなど、似たような境遇の会社が合流して現在に至る。
旅客航空機の世界シェア3位、特に短距離の国内線に強い。
胴着などの小事故が多いことで有名で、「またボンバル機」というニュースの見出しのほうが威勢よく飛びまくっている。

 

V11も輸出用です。
主に中国に輸出してた。ブラジルも少し購入した。一説にはトルコも使ってたことがあるらしい。

水平尾翼が胴体の上、垂直尾翼の前にあり、こうすると後席の後下方視界が広いのかもしれませんが、飛びにくそうです。
ノースアメリカンあたりもときどきやることですが。

ソ連では36年ごろ、軽爆撃機仕様というか3座仕様のV11GBというのを4機買ってБШ-1(BSh-1)と呼び、31機ほどライセンス生産したらしい。
エンジンはサイクロン、おそらく「R1820-G2」。
ライセンス生産機には「M-62」を積んで、920馬力くらい。

 

米陸軍も38年ごろ、比較研究のために7機ほど購入してYA-19と呼び、5機をA-19と呼んで配備、残り2機はXA-19と呼んで、プラット&ウィットニーか何かのエンジンをいろいろ載せ替えてはデータ取りに使った。
当機に限らず、このメイカーが作る飛行機は、性能はたいしたことないので実戦にはあんまり使えないが、洗練されていないがゆえに頑丈でいじりやすかったらしく、エンジンテストの母体としては適してたようです。

本書の米軍機のページには、「V-11」という名前で掲載して「攻撃兼襲撃機」とあり、航続距離3930キロ、武装は固定機関銃×4と旋回機関銃×2に爆弾270キロ、翼長15.25メートルと、ソ連機のページとはだいぶ違う書き方をしてます。
また、米軍機のページには「V-12A」も掲載し、こちらは「爆撃兼攻撃機」としてある。

 

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