主翼 プロペラも翼の一種ではあるのですが、プロペラが発生しているのは、前に進む力です。 ジェットエンジンくらい強力なものは、特に音速以上で飛んでる時は、安定板さえつけてやれば、推進力だけで飛べないこともないのですが(だからこそ、下に向ければ垂直離着陸もできる)、普通は、主翼の角度や形が空気の流れをひっかけることによって、空気の上にのっかって浮いていられるわけです、「吸い上げられている」と言ったほうが正確なんですが。 ヘリコプターは、プロペラではなく主翼が回転しております。 主翼の数 主翼は、左右両翼あったり、パラソル翼の一枚物だったりするので、主翼の数え方は「何段あるか」です。 なんで主翼をたくさんにしたかというと、エンジンが非力だったからです。 単葉機をモノプレイン、複葉機をバイプレイン、三葉機をトライプレインといいます。 主翼4枚以上は多葉機(マルチプレイン)と総称するのが一般的です。 遅く飛ぶものほど主翼の面積が必要になる、 タンデム翼、潜望鏡翼、前翼、三翼、車軸翼 主翼を上下に重ねると干渉があって効率悪いので、スタッガー(食い違い。前後にずらして)配置することはよくあります。 タンデム翼の前後の間をシャッターにして、広げてふさいだり、たたんで開けたりできるのが、潜望鏡翼。これもスターリンの頃にソ連がやって失敗だったんですけど。 「揚力を発生する小翼を、主翼の前につける(見た目は、水平尾翼が主翼の前にある格好だが、水平尾翼も主翼の機能として使っている)」というのは、前翼(カナード、エンテ式、先尾翼)という形式です。 「水平尾翼とは別に、水平尾翼のようなものを主翼の前につけている(前翼なのに、普通の水平尾翼もある)」というのは、三翼(三面翼)という形式です。 これらは、主翼の役目をやってるものが2枚あっても、複葉機とは言いません。 また、大昔の固定脚の、車輪と車輪の間を、合板製の短い翼にしたものがよくありましたが、これは複葉半とか三翼半とは言いません。 支柱 主翼を何枚も重ねる場合は、補強のために、主翼間に支柱が立つのが一般的です。 まったくないものもあります。 現在の民間小型機だと、単葉でも斜めの支柱で下から主翼を支えていることがあります。 張線 張線は各部を引っ張り合っているワイヤーです。主に、翼端にかかる負担を分散するためにつけます。 じつは、この張線こそが、複葉機をやめて片持ち単葉に移行していく大きな理由のひとつです。
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複葉 主翼が2段でも3段でも、単葉以前のクラシックな飛行機を複葉機と総称することもありますが(2に限らず複数の意)、狭義には、「主翼が2段重ねになっている飛行機」が複葉機です。 翼面積がかせげるので横幅と格納庫が狭くてすむ、非力なエンジンでも旋回と上昇の性能が高い、短距離で離着陸できる、低く遅く飛ぶのが得意、年寄りが使い慣れているなどの利点もあり、今でも農薬撒布や曲芸飛行の人たちはよく使ってます。 折りたたみ複葉 複葉機の下翼をたたんで、単葉機としても使える、というのが試作されたこともありました。ソ連がやったんですが。 こんな機構をつけるだけ余分な重量というか、たいして効果もないので量産はされませんでした。 三葉 主翼が3段重ねということです。 主翼がたくさんあるほど旧式というわけではない、ということです。 多葉 四葉機は、作ったことは作ったんですが、使い物にならなかった。 一葉半 一葉半機は、セスクウィプレインの訳語です。 単葉 単葉機っていうのは、じつは大昔からあって、1909年にブレリオ機が英仏海峡を越えたりしてるんですが、しばらくは複葉機の時代でした。 単葉でも、最初のうちは、ワイヤーで翼を吊ったりしました。 単葉だと、振動やねじれの問題があるので、強度をとるために複葉よりも翼が厚くなってしまいますが、中に燃料や車輪や機銃を搭載でき、エンジンもどんどん強力になり、翼断面の形も研究されて、厚みの空気抵抗はあまり問題にならなくなっていきます。 じつは、ある程度は主翼が厚いほうが、空気の流れが効率いい。
→つづき
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