「ナイフ屋ケンちゃん」
体じゅうに隠し武器を身につけて歩いている人。違法であるうえに、「そんなことをしなければ安心できないほど弱い」という恥である。
なになに屋ケンちゃんというのは、テレビ番組に由来。

「ナベさん」
オナベの意。女であることを捨てて、武道にうちこむ女性選手。
気取っていなくてさっぱりしているのでモテる。同性からもモテる。

「鳴りが少ない」
新人が入って最初の稽古の後、一同整列して師から一門に紹介があり、この時、一同拍手をするのがしきたりになっている。
しかし最近は、どう見ても三日でやめる人が入ってくることがあり(簡単に入門を許してしまう師も考えものだが)、この拍手がパラパラとしかおこらないことがある。
これを、「昨日新人が入ったけど、あんまり鳴らなかった」などと言う。

「鳴沢成美」
ナルシストの意。初心者やスランプの人が、鏡に向かって構えや立ち方の微調整ばかりすること。
オカルト的にも、鏡に向かって稽古すると、ろくなことがない。
客観視にしても、主観を体内に置かず、他人事のように、道場の天井から自分を見おろしているような意識がよいとされる。

「2段」
2段に限らず、柔道を途中でやめて外国武術に転向してしまった人を、柔道側から悪く言う言い方。

「二刀流」
学生時代に部活で剣道、任官中には銃剣道、それぞれ初段くらいは取っている自衛隊員。
世間では、男女両方、または、酒と甘味両方いける人をさすことが多い。

「二瓶さん」
入りびたっている部外者。
一休宗純禅師が小坊主の頃、二瓶という人がたびたび来ては深夜まで住職と碁をするので、その接待で睡眠不足になったという故事から来ている。
一般人が楽屋に出入りすることを、演芸の世界では「スズメ」と言っている。

「野武士」
気合充分だが体力中心で、技が冴えず、どんくさいこと。しかし、これはこれで、もし実戦なら確実に相手を殺すとされている。
普通は中級どまりだが、8段クラスにもいる。

 

「はーちゃん」
愚か者。
ミーハーのことを「ミ−ちゃんハ−ちゃん」と言う人もいるから、おそらくそれが語源なのだろう。相撲用語。

「袴田さん」
この部活になぜ入ったかという理由に、袴がかっこよかったからと本気で言う女性。ときどきいる。
きっかけはコスプレ感覚でも何でもいいのだが、指導者は、自分を鍛えたかったとか、先達の生きざまに感動したというような答えを期待しているので、少し苦笑いすることになる。文学少女っぽい美人に多いという。
同じ現象は神道の世界にもあり、巫女の人手不足はオタクが支えているという。

「幕末の人」
武術が好きなのではなく、勤王志士や新選組が好きで、武術に興味を持つ人。たいてい女性に対する言い方。
幕末の世界に遊離しちゃってる人、という意味をかけているものと思われる。
鉄板少女という料理ドラマに主演した堀北真希さんが、まるで私が鉄板みたい、などと苦笑していた。

「花子さん」
解放弦がハ・ナ・コ・サンと聞こえることから、ウクレレのこと。
ウクレレは弦が少なく小型なので、努力しなくても弾ける楽器だと誤解されており、欧米では、ヒマと金のある中高年女性が楽器を始めるというと、決まってウクレレであることが、安直とされている。
こういうオバサンは、ボクササイズ、太極拳、合気、気功、ヨーガ、社交ダンス、フラメンコ、フラ、陶芸、絵手紙、トールペイント、写経、アロマ、フラワーアレンジメントなど、片っ端から手を出すが、腰を据えて努力で上達しようという熱意が皆無で、努力しなくても勝手に上達するものイコール自分に合っているものと考え、それに出逢うまでは、むいていないと言ってすぐやめてしまったり、あるいは、もともと本格的にやる気はなくて、ちょっと体験してみたいとか、上手下手関係なく楽しめれば何でもいいと言い、たしかに充実して幸せな人生になっていて、これはこれでいいのだが、月謝を払っているからお客さんだという感覚なのが指導者にとっては困った存在なので、陰で、花子さんと呼んでいる。

「バレンタイン部員」
身の振り方が決まった3年生が、他の部活に混ぜてもらうこと。
今まで他の部活か帰宅部をやっていて、卒業まぎわだけ道場のすみで顧問にかまってもらい、この程度で、中学では空手部だったなどと言う。3年間続けた生徒から見て、バカにした言い方。
3年3学期には、校内でにわかにカップルが急増して、卒業すると別れてしまうことが語源。

「ハンパ者」
半分の意。部活は空手だが地元ではリトルリーグをやっているとか、柔道の町道場にかよっているが学校では軽音楽部にいたりすること。
ひとつに専念している子から見ると、合宿や出稽古に出ない奴、熱意が足りない奴とみなされる。上達が遅く、共通の思い出も少ないから話も合わず、脱落しやすい。
本人は、青春をいろいろに使いたいと思っている。指導者から見れば、武術を続けてくれさえすれば、ほかで何を趣味にしていようが全然かまわない。

「独り相撲」
自分さえ強くなれればいいという考えの、滑稽な人。
白鵬関の名言「相撲は独りではとれない」に由来。負ける人がいるから勝つ人があり、かまってくれる人がいるから成長させてもらえるのである。

 

 

「日の丸」
元自衛官。数が多いせいか、期待して見てしまうせいか、意外に体力も根性もなく、すぐやめる人が多い。
本人も、伝統や精神論ではなく、もっと近代的で科学的な、マニュアル化されたやり方を望むことが多い。
優秀な人は昇進試験を受けて曹になってしまい、定年まで自衛隊にいるから、町道場なんぞにあんまり入って来ない。

「ファンキーだね」
その女性は美人かブスか、と問われて、ブスと答えなければならない時、彎曲した言い方。もともとロック用語。

「ブギ」
自称不良の軟弱者。
本当はいじめられっ子だったのに、幼少より喧嘩に明け暮れたなどと言う。空手用語。
彼女が望むならツッパリをやめてもいいという趣旨の曲名が語源で、子どもっぽい声の歌手があっけらかんと歌っていたため、その曲が流れると即座に、やめたほうがいい、むいてない、その程度でツッパリだと思っているのか、などと必ずツッコミを入れる慣例になっていたという。
一説には、ひとつの武術をコツコツやることができず、いろんなジャンルの「武技」をコレクションする人をさすとか、あきっぽい器用貧乏という意味で「ブキ(不器用)」のことだともいう。
また、応援団で幹部だが貫禄のない人をブギウギと呼んだことから来ているともいう。

「副長」「鬼軍曹」
ガミガミうるさい指導者。絶対に必要な役目である。
気に入らなければすぐ暴力、あきっぽくて長続きせず、なにかを成し遂げたことがなく、家業に身が入らず転職ばかりしていて、道場を現実逃避の場にし、そこそこには出世するが、武術に於いても中途半端なので免許皆伝をもらえず、ナンバー2くらいにおさまる。これの典型は土方歳三先生だという。
自分に甘いため他者に厳しく、私情を挟まず厳格なので、運営に大変重宝する。

「ふとん派、車庫入れ派」
右翼と日教組などを区別する隠語。
剣道で切り返しを打ち返しと言うかどうかから来ている。

「無礼者」
目上に対し上段を使ったり、サポーターをつけたままの人。事前に一言断れば、あっさり許される。特に女性選手でよく言う。

「プロ」
警官や警備員や社員だが、勤務時間中は武道の稽古だけやっていて、それが仕事という人。ケタはずれに強い。
試合で勝てないと通常勤務に戻されるが、それは「アマチュアに転向」などと言う。

「ぺぇ様」
背が高く、メガネで、若白髪で、手堅い公務員のような感じで、はは…という枯れた笑みをうかべ、無口で、聞き上手、という指導者。
たいてい長男で、乙女座で、婿養子または妻の親と同居で、美人の娘がいる。
中国武術や現代剣道や弓道に多い。試合に弱いが、昇段がものすごく早い。
このタイプは、見た目は温和だが、じつは残酷な一面があり、嫉妬で初心者をつぶしてしまうので、「避けたほうがいい指導者」とされている。
ドラマ『冬のソナタ』のカン・ジュンサンという登場人物に似ているというのが語源らしいが、見たことないので詳細不明。

「弁士」
相手選手をけなす人。
伝統武術では禁止されている。自分より弱い者に勝っても自慢にならず、負ければ恥、いずれも得にならないうえに、悪口を言えば自分の価値が下がり、しかも弱い者がムキになって自分は強いと言い張っているように見えて恥、単純にうるさいなどの理由。
もともとは、敵をほめるなという教えで、『三略』の「弁士をして敵の美を談説せしむるなかれ」から来ているが、なぜか逆の意味に使われていて、弱い犬ほど吠えるという意味で使う場合が多い。
スポーツ武術では、相手をけなすことが多いが、悪いこととは限らない。
亀田興毅選手は、試合相手が弱いと公言するが、公言するからには、「弱い選手ばかり選んで、勝ちやすいように試合を組んでいる」という批判を浴びても反論しないし、相手を倒して、実際に弱かったことを証明してみせるから、筋が通っている。
プロレスではマイクパフォーマンスで相手をののしるが、あれは興行(見せ物)としての演出とサービス精神であり、実際は入門時から先輩後輩の厳しい上下関係の世界にいる。

「棒使い」
棒術、棍術を得意とする人。
この言い方は下ネタである。女性選手の場合、「棒を使わせたら右に出る者はいない」「太いのがお好き」などと言う。
旧日本軍では「川下り」という表現もあった(「竿を握って右左」の意)。

「ホラーマン」
そのまんま東さん、竹田恒泰さんのような感じの人。頭蓋骨の形がわかるほど全くゼイ肉がなく、じつは意外に短気なのだが、普段は温厚で面倒見がよくてフォローがうまい。実力が安定しているため、このタイプを1人必ず置くことになっている。語源はマンガアニメ。弓道用語。

「ポン」「ポン助」
ばか者。愚かな発言を引用するときに、試合に勝てさえすりゃあ何でもいいのだポン、ポンちゃん今日は疲れちゃって途中で帰るポン、などと言う。
ミニモニジャンケンから来ているというが、それより前に野沢直子さんの『生理でポン』というCDがあった。
TVタックルで三宅久之氏が、政治家を批判する時にポン助と言う。アンポンタンの意か。
尾張三河付近では、被差別部落民をポンスケと言う。
ポンスケというあられ菓子があり、タヌキがキャラクターに使われている。

「本職」
暴○団員。武道を習いに来れば、断る理由がない。
プロと本職と言った場合は、警官と暴○団員という意味で使われる。

 

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