「斉藤由貴型」
武術をやってるかわいい女性が数人いれば、斉藤由貴さん(ただし、お若い頃の。すみません)に似た子が必ず一人いるという説。
目がくりっとしていて、ややぽっちゃりで、ポニーテイルで、もみあげをピラピラ垂らしている女性選手。メガネをかけていることも多い。
このタイプの選手は簡単に倒す方法があるため、あまり試合では活躍しないが、同性からも圧倒的な人望があって道場の中心的人物であることが多い。

「サクラ」
他団体だが審査や試合でよく顔を合わせる人。
突然見かけなくなってそれきりか、いつの間にか先を越されていることが多い。

「サチコ」
運が悪い人。クジやジャンケンに弱くて損ばかりしている人、ただし武術自体は弱くない場合に言う。
語源は歌謡曲で、2曲あるという。水商売でも言う。

「サッカー侍」
武術はからっきしだが、他の運動競技で優秀な人。むいていないから、早く武術をやめて、得意分野で活躍しなさいという言い方。
語源は今川氏真公。女色におぼれ、桶狭間のカタキも討たずに逃げ回り、家来からも見捨てられ、とうとう武士をやめてしまったが、遊んでばかりいたおかげで蹴鞠だけは超一流だった、武将がそんなこと得意でも役に立たんわというのが、武士道の世界では笑い話になっている。
しかし、合戦も政治も抜群にうまかった北条氏康公も、蹴鞠の達人だった。

「雑兵」
道場の雑巾がけや草むしり、またはそれをやる人、ただし、ザッピョウと読む。
初心者の時にやったが、自分はもうやらなくていい身分になった、という、さげすんだ意味を含む。
弓道場は大会前に父兄が草むしりすることが多い。

「サトちゃん」
リエと同義。信越地方の戦前の女学校ですでに使われていた隠語だという。サトコという人が、たまたまそうだったのだと思われる。
一説には、たいして達人でもないのに守護霊とか予知夢とかお告げとか武術の席で言う人を、サトル、サトコと呼んだという。
『韓非子』に、「聞こえないものが聞こえることを聡という」とあるのが語源だともいう。

「左派」
精神論や伝統を極端に嫌っている人。特に、部活の顧問が国旗国歌の時に座ったままだったりすること。

「猿」
引退してほしい選手が、なかなか引退しないこと。がんばっているが空回りしていて、やってもムダ、周囲も迷惑だというニュアンス。
映画『猿の惑星』または、猿は死ぬまでという話が語源らしい。人をののしる時に猿という言う場合は、卑怯な奴という意味。

「ザンネンなカンジ」
ごくまじめにやっているのだが詰めが甘くて技が冴えず、体力もなく、決定打がなく、うまいちパッとしない人。カタカナで表記することになっている。

「三宝の捨て物」
ケチ、特に武門で重要な経費を出し渋ること。
角界では「しょっぱい」と言うが、日本語にはもともと、吝い(しわい)という言い方もある。

「サンレイ」
武術をやっていないのに、いかにもやっているかのように外観を見せかけること、また、そうしている人。
かつて武術雑誌によく広告が掲載されていたNEサンレイ日焼け灯という商品が、「ハワイ焼け、ゴルフ焼け、スキー焼けも思いのまま」という売り文句だったことから。

「シーチキン」
間が悪くて興醒めな人。
憶病者をチキンハート、オカマをシーメイルというスラングから来ているともいうが、正しくはシーチキンマイルドといって釣り用語らしい。
近頃では70代の先生方でもKYという言い方を使っておられる。

「自称総合格闘技」「合わせて○段」
手広くやっているが、どれも初心者という人。
特に、伝統空手と外国の打撃系、現代剣道と居合の組み合わせなどが悪く言われやすい。

「失礼」
武術は、まず大きく技を出すところから始める。もちろんスキだらけの遅い大振りパンチは、かわされやすいし反撃されやすいのだが、それでいいのである。打たれても全然かまわないという境地の先にしか極意はないし、実際のところ、打たれても全然かまわないのである。最初から小さくまとまってはならない。心身を大きく鍛えつつ、上達と共にだんだん動作を小さくしていくと、動作は小さくても威力の大きい技が完成する。こうしないと、心の器が小さな、コセコセした人物になってしまう。
ところが、実績を上げないと解雇になる指導者とか、護身術の指導者というのがいて、回し蹴りする人の金的や、面打ちをする人の脇の下(防具のない所)を、わざと打って、「あっ失礼」などとトボケる。
すると子どもさんは、やりかけた攻撃を途中でやめてでも防御するようになり、試合で負けにくくなり、護身にもすぐ役立つが、ビクッとしてかばうのは武術をやらなくてもできることであり、この子は一生、このレベルから上がれない人になってしまうのである。
こういう指導者を失礼と呼んでいる。

「シバリスの騎士」
外側ばかり飾るが中身がない軟弱者。特に、稽古中に髪型を気にしていることを言う。
かつてイタリアにシバリスまたはシバレスという国があり、凱旋パレードを派手にやろうとして、曲に合わせて軍馬がダンスをするよう調教に熱心だったため、戦場で馬が制御できず惨敗、パレードできなかったという故事。

「若師(じゃくし)
中国武術の指導者は若くても老師と言うが、女性指導員(たいてい道場主の奥様)に対しては、こう呼べと冗談で言われることがある。

「(重)戦車団」
体重が多い選手団。有利なこととされる。

「瞬間湯沸かし器」「ヤカン」
すぐにカッとなる人。旧海軍では「ホットヒーター」と呼んだ。
試合相手としては最高のカモであり、上級クラスにも必ずいる。この選手とトーナメントで当たることを「お湯がわいてるから、ちょっとお茶でも飲んでくる」などという。

「しょォ〜、濃すぎ!」
裏返った声で言う。
護身を勉強し始めたばかりの人が、小走りに移動し、曲り角でいちいち立ち止まり、つねに周囲をキョロキョロ見て、これでいつ襲われても大丈夫、隙がない、などと喜んでいると、お前ウザったいよという意味で、「濃すぎる」と叱られる。
マスターしているのに形がゆっくりすぎる人にも、大げさすぎるという意味で「ショーがコスい」などと言う。「コスい」を参照。
世界一の忍者俳優ショー・コスギさんの映画で、忍者が独特の神秘的な動きをすることが語源。

「消坊」
消防官。じつは強い人も多いのだが、ろくな選手がいないと誤解されていることが多い。
ネット上では、小学生に対する蔑称「小坊」の意図的誤変換として消防と書くことがある。

「スイーツ」
甘味、菓子、デザート類、特に流行最先端または入手困難なもの。
ダイエット中の女性が糖分を間食する時に、スイーツという言い方をすれば、後ろめたさがやわらげられるばかりか、都会的で上流階級なイメージまでつくとして、20世紀末から流行った言葉だが、その発想自体が「甘い」として、2007年の終わり頃から、肥満女性をあらわす言葉としてマスコミが使い始め、この場合は「スイーツ(笑)」「すいーちゅ」と表記する。
転じて、女性選手の現実逃避や努力不足をさす隠語になっている。
最近では、流行に流されやすい頭の悪い女性というような意味での用例が多い。

「スポンジ」「海綿体」
のみこみの良い弟子。教えを一滴も残さず吸収するの意。
禅では「曹源一滴水」、音楽では「バッハは小川ではなく大河」などといい、大先生の教えは一滴一滴の水であり、それが脈々と受け継がれて、巨大な川のごとき系統になるという意味を含んでいる。
海綿体は、それを揶揄した、卑猥なニュアンス。

 

 

 

「ゼロ戦」
打たれ弱くてすぐ負ける人。
この言い方をしていた先生は戦前生まれだが、どうやら一式陸攻の話と混同しているものと思われる。一式陸攻は軽量化のため脆く、すぐ炎上することからワンショットライターと言われていた。
なお、ゼロ戦は正しくはレイ戦だが、戦時中に日本でもゼロ戦と言っていたという。

「全員が女王蜂」
主義主張の強い部員ばかりという状態。
もともとバレー用語だというが、女子柔道で言われているのをよく聞く。
日本代表は各団体からエースが集まるので、プライドが高く、実績に裏打ちされた持論がそれぞれあって、まとめるのが難しいという意味。
単なる高校の部活くらいでも各中学から経験者が集まり、高校から始めた選手が楽しく育つ環境が作りにくいことがある。

 

「大時代的」
時代錯誤。目上への宛名に様ではなく殿と書いたり、〜でござる、〜で候などと本当に言って失笑を買うこと。テレビか何かのマネだったりする。

「大小」
一族みな同業ということはよくあるが、区別しにくいので、名前に大小をつけて呼ぶことがある。大バッハ、小モルトケなど、他ジャンルでもおこなわれている。小学生のほうを「小さい美穂ちゃん」、主婦のほうを「おっきい美穂ちゃん」などという言い方がある。
また、襲名のような称号として言う場合があり、小西郷、小型レーガンなどという。
今武蔵、よわ武蔵、などという言い方もある。

「高木」
ドラマ『はぐれ刑事純情派』に登場する脇役のうち、今井という刑事といつもコンビを組んでいる刑事。この人柄や立居振舞が、剣道選手の理想形だという。
しかし劇中の設定では、この人は柔道が御専門のようだ。

「ただただ暗い」
考え方も、表情も、態度も、なにもかも暗いこと。
武術では、暗いということを大変嫌う。わかっていないことを暗いと言うことがよくあり、暗師などという言葉がある。
名選手には必ず、カラッとさわやかなハキハキした明るさがあり、これが正しい技に直結しているうえに、このポジティブな雰囲気が運さえも招く。
密教や魔術のほうでも、光に包まれるということは大前提。
ヤクザさんの世界でも、ディーラーの暗算が遅いことを、盆が暗い、略して「ボンクラ」という。
神がわざわざ光を遣わしたのにわざわざ闇のほうへ行っちゃう奴は大バカヤローである、明るみに出されると都合悪いことがあるもんだから暗いとこでグズグズしてるのである、このことはすでに神に裁かれているのであって、救われる人とアホな奴が選別されちゃってる状態である、とイエス様がおっしゃっている。
ところが谷崎潤一郎など、ほの暗さ、かげりを好む耽美系の嗜好があり、オタクの人たちの間では闇とか魔とか裏とかネクラなもののほうが圧倒的に人気がある。
「ただただ◯◯」というのも若い人たちの言い方で、ただただ疲れるとか、ただただつまらないとか、強調に使われている。

「田力」
性格がトゲトゲしている未婚の中高年女性、特に、男女平等問題に熱心な女性をさす隠語。たぢから、と読む。
女性の忍者だけをくノ一と呼ぶのは差別的である、という理由で、男の忍者を田力と呼ぶべきだと提唱したが、ちっとも流行らなかったというのが語源だというが、「男のような女」という意味が込められているものと思われる。
ジェンダー論の分野では、武術とか伝統に対しておおむね否定的である。武力に男らしさを求めているのは滑稽、しかも、昔からそうなっているというのは、既成概念を疑問にも思わないダメな奴ということらしい。
同様のものに、「男女という言葉は女性差別だから女男と言うべきだ」と主張した人が、「男女で女性差別なら女男は男性差別では?」と指摘されて、一言も言い返せなかったという話がある。

「多摩川」
もともと読売ジャイアンツの2軍をさす表現(場所に由来する)。
空手では、あまりパッとしない選手が日焼けをしたくて多摩川の河原で寝そべることが多いことから、2流の選手をさす。

「蓄音機の犬」
人の話を聞いても理解できずにいる者、ただし、チコンキと読む。
死んだ飼い主の声が再生されるのを、犬が首をかしげて聞き入ったという故事が、ビクター社のマークになっている。これを古今亭志ん生師匠が比喩に使い、慣用句になった。
という流れを知っていないと、指導者会で年配の先生がこの表現を使った時に、若手指導者もまた首をかしげるのである。

「TBS」
背が低いこと。
アナウンサーの採用傾向として、NHK女子は「お嫁さん」、日テレ女子は「愛人」、フジ男子は「おぼっちゃま」、フジ女子は「アイドル」、というような言い方がある。
TBSの男性アナは「ちんちくりん」と言われ、背が低い人が多いのだという。人事課の偉い人が自分より高い人を採用しないのでは?とテレビ情報誌のコラムに冗談で書かれたのが始まり。
ただし武術では、武田鉄矢さんやなべやかんさんのように、小柄だがよく鍛えてあって体つきがムクムクしているというニュアンスでTBSと言うらしい。
TBSは給料がいいので、他のマスコミから悪く言われやすいらしい。

「テーピング様」
上達の見込みは全く無いが、道場にとって都合のいい会員。テーピングは非伸縮性のほうが使い道が多いため、「伸びない奴だが重宝」の意。

「出っ歯」
男を見返してやる、という目的で入門してくる女性。そういう人は、たいてい出っ歯なのだという。

「転向組」
他流派から移籍してきた人々。そんな組は無いのだが、この言い方はとてもよく使うので、生え抜きとの差別意識が根強いということである。

「天才」
天才とキチガ○は紙一重というやつで、天才という言い方は、あまり褒め言葉に使われない場合が多いので注意を要する。
伝統武術にも現代武道にも、それぞれ「標準的な、正しい技」というのがあり、規格外のものは、どんなに画期的でも、我流のゆがんだ芸風として排除されやすい。
伝統は、正しく受け継いでくれることを求めているのであって、個性を求めていない。創造は変革を伴い、創始者は何らかの破壊者でもある。
もちろん、そのまま成功せずに、ただの変人で終わった人も多く、そのような異質なものが社会に受け入れられ認められたということが、だから天才なのである。
「当たり前のことを当たり前にできる人が本当は偉いんだよって先生がおっしゃったけど、それって、できる人が少ないってことだから、当たり前なことじゃないじゃん、少数派で特殊じゃん(大意)」と中学生が発言したのを見かけた。この子こそ天才なのかもしれない。

「電助」
録音機のことだが、承諾未承諾にかかわらずインタビューや見学を録音録画する人をもさす。大変な失礼とされる場合があり、取材される側も緊張して口が重くなる。
俺は10代の頃これを知らず、居留守の門前払いを3度されて、手ぶらで行ったらやっと応対してもらえたことがある。

「トッポい」
もともと背が高いという意味だったらしいが、転じて、明治時代頃から、ええかっこしい、鼻につく奴という意味で使われ、現在では、キザ、ズル賢い、生意気、間抜けというような意味で使われることがある。
いずれにせよ、褒め言葉ではない。武術で背が高いことを誉める場合、タッパがあるとか、上背(うわぜぃ)があるなどと言う。

「轟現象」「よくある名字斉藤」
前者はラジオか雑誌か何かの「なめんじゃ」というブームで提唱された、不良グループのリーダーはあまり見かけない名前であることが多いという説。
後者は洋楽の替歌の一節。
転じて、部長や主将を選ぶ際に、鮫島、綾乃小路などという名前の生徒は一目置かれる。

「トン鉢」
とんぱち。トンボが鉢巻をしている状態、なにも見えないの意。
転じて、状況がわかっていない、空気が読めない、場違い、おぼえが悪い、どん臭い、不器用、というような意味で使われる。
プロレス界では、破壊王と言われた橋本真也さんを評する表現として多用されて以降、破天荒とか型破りという意味に間違って使われるようになり、プロレスから生まれた言葉だと勘違いしている人もかなり多い。
もともとはヤクザ用語だという。角界では本来の意味のままで使っている。

「トンビ」
修業年数や段位のわりに、幼稚な人。
二重引回しの外套を好む人が、たいていそうであることから、こう呼ぶのだという。

 

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