「ナイスだね」
不格好でみっともなくて滑稽で、大いに笑わせてもらったぜ、という意味で、軽くバカにした誉め方。ロック音楽をやっている人などは、そういう意味で言うことがよくある。英会話においても、あまりいい意味でなく使われることがある。

「肉弾」
部外者が立入禁止区域に侵入してしまうこと。
特に、体育館の観覧席が団体ごとに分かれている時に、よその席に座ること。来賓の警備に関しても言う。
女性の場合は「ゆるい肉弾」、太った人の場合は「本当の肉弾」、マニアの場合は「硬い肉弾」などという。
もともと自衛隊の基地祭で言い始めたらしい。

「逃げ」「かわし」
不戦敗。
学生に多く、理由もなしに当日来なかったり、母親に仮病の電話連絡をさせたりする。最低の負け方。
かわしはボクシングでの言い方。

「ニーン(をやっとく)
顔の前でクロスした両腕をサッと両脇に降ろすこと。
空手における敬礼の動作。
正しくは「忍(にん)を切る」と言うのだが(押忍の意)、じつは応援団の風習であり、空手には本来なかったともいう。
ニーンは、伊藤四郎さんのギャグが語源。
試割や演武で、どこまでがひとくぎりか、観客にはよくわからないことがよくあり、わからないならわからなくていいという人たちと、はいここで拍手ですというアピールとしてキメの動作をして「ハーッ!」などと叫ぶ人たちの2種類あって、前者が後者を、まるで見せ物のようでみっともないとして揶揄するのが、ニーンという言い方だという。

「抜丸」
居合や剣道形で、初心者が刀の取り回しや作法の練習のため、鯉口をわざとゆるめにしておくこと。または、大事な本番で、刀が勝手に鞘走ること。
平忠盛公が昼寝しているところを大蛇に襲われた時、「木枯」という名刀が自動的に抜け出たので、「抜丸」と改名したというのが語源。

 

「張出」
はりだし。相撲の三役の定員外のこと。番付の欄外に張り出して書かれたことが由来。
転じて、シード権保有者、または、試合や演武の人数が奇数の場合にあぶれた人を張出と言い、いずれも、ちょっと別格というニュアンスがある。

「旗持ち」
団体の旗は、電車の網棚に置いたりバスの下のトランクに入れてはならない。つねに手荷物。
トイレにも持ち込めないので、2人の旗持ち係が運搬する。
もともとは応援団の風習だが、武術でも誇り高い団体ではおこなわれている。

「羽分け、半分け」
はわけ。弓道で、命中率が、当たり外れ50%ずつという結果のこと。
転じて、割勘、おあいこ、お互い様など、いろんなことに使い、特に高校弓道では多様される言葉だというが、俺が見たところそんなに使っているようには思えない。それよりも、オリハン(折半の意)と言う人がとても多い。

「万歳解散」「チャチャチャ解散」
武術の閉会式のしめくくり方の一般的なもの。
衆院解散に万歳するのは、再当選と再会を祈ってのことだというが、武術もまた、引退や逝去があるから、このメンツが一堂に会すのは今回限りの一期一会、今回の健闘を讃え今後の活躍を祈って万歳する。
一本締は万刀一刀に帰すとか、三本締はパパパン・パパパン・パパパン・パンの3+3+3+1が「九」に「ヽ」を打って「丸」、丸くおさめて大団円とか、応援団がパンパンパン・パンパンパン・パンパンパンパンパンパンパンの三三九度にするのは、足して15(満月、理極)に至るとか、こまかい理屈がいちいちある。
しかし中級以下の者はそこまで知らないので、万歳の音頭を取ることを大変に恥ずかしがる。

「半生記」「昔々」
偉い先生のスピーチ、特にお若い頃の話や、長い話。
拝聴しないわけにいかないが、むこうは立ってて、こっちは正座だったりする場合は、まったく話が頭に入ってこない。
俺が見た例では、自分の会社が倒産した話を開会式でえんえん語り、予定時間をぶちこわしにした人がいる。

「ハンデ付き」
審査や試合の、前日が定例の稽古日のため、疲れきった状態で本番に出ること。
事故が起きるからよくない、ムダな緊張や力みが取れていい、好成績は残せなくてもこのほうが上達が早い、最も調子の悪い時に勝てなければ武術の実力ではない、などの意見がある。
俺は、普段どおりが良いと思う。前日が稽古日ならば、それがその人の日常であり、事あればいつでも戦うのが武士である。
試合だからといって、特別な小細工をとりつくろって調整するのは、西洋スポーツのアスリートがやることであり、武道家の姿ではない。
 ※追記
どうしても試合結果(だけ)を求めるのであれば、前日は猛練習を少しだけしておくのがいい。
軽くても多いと疲れる。
少なくても軽いと、本番が実際より苦しく感じる。
当日はウォーミングアップ程度。

「ピアノ」
ハイキック対策で構えが高いことをアップライト、タックル対策で構えが低いことをグランドと言う。

「ピキ(をかます)
フェイントまたは陽動。一説にはオナラ。槍術用語?

「日々是好日」
毎日がかけがえのない良き日であり、暦に吉凶など無い、思い立ったら吉日というような意味。仏教用語。
ただし、好日をコウジツと読むと、毎日言い訳してるようでみっともないので、コウニチと読むことになっている。
やらなきゃいけないことを先延ばしにしているような場合、自虐的に、わざとコウジツと読む人もいる。

「122対0」
極端な実力差という意味。青森の深浦高校(当時)の野球部が惨敗した故事。最後まであきらめずにがんばって偉かった、手加減しなかった相手チームこそ偉かった、コールドにしなかった大人たちも偉い、偉くない、ここまで追い詰めるのは可哀想、相手チームのほうが気の毒、相手チームに対し失礼、などなど、ものすごく意見が分かれた。
なんにしても、あんまり実力差があるのは、見ていて、いたたまれない。参加することに意義があるというのは言い訳であり、最低限の努力は当然。 

 

 

「百万回」
水入り(合議など何らかの理由で試合が一時中断)の時、選手は再開まで待機するが、蹲踞か立ちか、その場かコーナーか開始線か、構えや組みを解くか納刀か、などなど、ジャンルや団体によって決まっており、これが、何度教えても間違えるため、試合前に選手によく説明しておけということを「百万回をすませておけ」などと言う。

「秒殺」
早めに勝負がつくこと。
感覚的には1分くらいで試合が決まることを言うが、1ラウンドくらいでも秒殺と言っている例も見かける。
旧海軍では、被弾後1分くらいで沈むことを「轟沈」と言った。

「服装の乱れを直しております」
つまらないことで時間をとること、または会場内で居場所がわからない人についてたずねられた時の返答。実況アナウンス風に言う。柔道用語。
または、女性が稽古着の上から下着をつまんで、尻の間に入った部分を広げる作業を、しきりにやること。
男性は、稽古着の下はパンツをはかないのが普通。

「ブー死に」
ブージニ。ブーイング負けの意。
男性が女性に力まかせの技を出すと、ひっどーい、かわいそー、サイッテー、というような声が客席から飛ぶが、それが女性の声だからカン高くてハッキリ聞き取れてしまい、一瞬、躊躇したところへ軽快な技を入れられて負けること。いい人ほど、やられる。
理沙はこの声援係を2人用意して、毎回やっている。

「ブー死に」
一説には、おならで負けるの意だという。
打撃系で試合前に食物繊維の多いものを食べると、腸内でガスが発生して打たれ弱くなることがある。
特に、トンカツはいいが千切りキャベツは残せ、ヨーグルトは意外によくない、などという。
そうでなくても便秘の女性などは、試合会場では意識と腸内が活性化して、ガスを放出する機会が多くなることがあり、しかし場所柄が難しく、そんなことに気をとられて意識が散漫になる。

「不戦敗」「不戦勝」「拾い勝ち」
勝ちは土俵に落ちてるから拾え、のたぐい。
大会のとき、椅子、机、雛壇などを出して並べるが、これだけで疲れ(または疲れるのを損と考え)、手伝おうとしない人に、お前らは戦う前からすでにひとつ負けだ、と言う。
大きな大会だと、準備も片づけも地元の学生さんがやるから、選手はしなくてよいが、かなり偉い先生でもすすんで椅子など運ぶことがあり、そのへんのゴミくらいは拾うので、あのお姿を見ろ、立ち話してる奴とどっちが武道家の姿だと思うか?などと言う。

「プッシュプッシュ」
組まずに突いて前に出ろとか、ひるむなというような意味。高見山さんに由来。
強引な訪問販売など、無理強いやゴリ押しという意味で、この言葉が使われているのを見かける。
高見山さんには「目から汗が出た」という名言があり、どうしてこっちが世間に広まらないのか。

「平常心是道?」
平常心是道は仏教用語で、日常生活ひとつひとつが修行であり、ただの掃除や洗濯もそれがそのまま仏の道であるという意味。
平常心は、沢庵和尚あたりから、武道においても重要な用語になったが、「是道」が問題であり、「平常心、これどう?」という感じのイントネイションで言われることがある。言われた者は、「どうもこうもねえっすよ」と受け答える慣例だという。

「へなちょこゴツン」
グローブのある打撃系では、試合開始直後にお互いの拳を接触させるのが礼儀だが、それが弱々しいこと。これで相手の体調などがわかる。強い人は軽い接触でもグッと抵抗感があったりするが、弱い人はそそくさと媚びた感じだったりする。
剣道でも、竹刀を接触させたらもう相手の実力がだいたいわかるなどと言うが、普通は立居振舞服装などで、試合前からわかっている。

「ポイント高いね」
得点制ルールの試合に勝つためだけの構えや技なので、実戦では使い物にならないね、という皮肉を、わからないように込めてある誉め方。

「坊主」
興行失敗(赤字)、特に、スキンヘッドの打撃系選手などについて言う。
本来は釣り用語で、ほとんど釣果がないことを言い、転じて、水商売で1日に1人も客が来ないことを言う。

「ホチキスで落ちる」
筆記試験の小論文は、原稿用紙の隅をホチキス留めという規定になっていることが多いが、当日の朝になってから、ホチキスを持っていないことに気付いて、コンビニや百円ショップにあわてて買いに行くこと。
ホチキスは商標、正しくはステープラー。服のほつれなど、あらゆる応急処置に使えるから、3センチほどの超小型のものを筆箱に常備しておく。

「本」「枚」「つ」
段位は、言うのもたずねるのもタブーであり、武道具店や合宿セミナーで、しばしば大トラブルの元になる。
初段は自慢にもならないスタートライン、2段は3段すらまだ取ってない奴、3段は町道場レベル、4段は審査にひっかかっている奴、5段は武道をやっと理解しはじめる出発点、6段はいい歳してまだ6段、7段は一生8段になれない奴、8段は8段にしては徳や貫禄の足りない奴、9段は自分のことばかりやっていて業界全体の発展を考えない奴、10段は10段にもなってまだ段位をひけらかす奴ということになり、一生勉強であるとして、どの段階でも言うのを恥ずかしがる。
そこで、2本とか、4枚目とか、6つとか、遠回しな言い方がある。
言われたほうも、すごいですねえとか私は何段ですとか言わない。

「本番を素通りして本番へ」
ニンニクが効くのは、女性で食後6時間後から、男性で12時間後から、持続時間は2日ということがわかっている。
大切な試合や審査の、当日になってから、精が付くものを食べても、試合後の性行為の原動力にしかならない。こういうことを「(努力が)迂回している」などと言う。

 

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