場所 

「愛の小部屋」
跳箱や平均台を収納する物置を、更衣室として使うこと。「今、愛の小部屋だから(開けるな)」などと言う。
更衣室がない場合、男子は道場のすみで着替え、女子は物置の中で着替えたりする。
ストリップ劇場の、踊り子と客が、ごく小さな部屋に入って数分ですませるというシステムが語源。

「綾瀬」「大阪城」「カメ」「キノコ」「九段」「ド橋(水道橋の意)その他
武道館や体育館を、地名や外観で呼んだりする。暖房付、というような言い方もある。

「泡の出るもの」
ビールまたはソープランドの意。これは一例だが、道場の品位が下がるので、道場内では下世話な単語は別の言い回しに置き換えるということがある。

「浮き目」
憂き目を見る、の意。使い込んで木目が凹凸になった床。適度にすべる場合もあるが、ひっかかる場合が多い。

「鰻の寝床」
3つ以上のクラブが体育館を分け合って同時に使っている時、長さがないと武術には使いにくいので、面積や幅はどんなに狭くても縦一辺だけは確保すること。

「大奥」「中奥」「表向」
師が御自宅で教えている場合、道場と、お住いと、接骨院など会社部分のこと。
どこまで立ち入っていい空間か微妙なことがあり、なるべくトイレも借りないようにしたりする。

「お静かに」「お平らに」
おかまいなくの意。
礼儀正しい道場に行くと、指導員に集合をかけて紹介してくれたり、子どもさんを整列させてこんにちはー!とやってくれたりするが、偉い先生ならともかく、こちとら単なる使い走りなので、それには及ばないから今までやっていた作業をそのままお続けください、という意味で言う。
武術に限らず、地方では食事どきに訪問してしまったような時によく言う。

「落とし穴」
体育館でバレーボールの支柱を立てる穴。フタはあるが、テープで止めないと武術ができない。

「お花代(にする)」
自腹。
榊を買いに花屋へ行かされる場合、高いものでもないので、代金は自腹になることが多く、近所でも財布なしで道場へ行くと恥をかくことがある。煙草代なども同様。
ただし、それとは比較にならないくらい飲食でおごられることが多い。

 

「開設、撤収」
公共の体育館や武道場を借りている場合、道場の看板は必ずしも常に掲げているわけではなく、室内には掲げっぱなしのこともあるが、玄関先には、稽古日の稽古時間のみ掲げて、終われば収納する。
これを、常設の道場でもやっていることがある。盗まれたり、いたずらされるのを防ぐため。
道場というものは本来は常設されて毎日開かれるべきものであり、週末にしか指導していないのに看板を出しっぱなしにするのはおこがましいという理由で、ひっこめる先生もいらっしゃる。

「格闘技の聖地として名高い後楽園ホール」
後楽園ホールみずから「格闘技の聖地として名高い後楽園ホールですが」と公言しているため、「後楽園ホール」と言う時はいちいち必ず、「格闘技の聖地として名高い後楽園ホール」と呼ぶ人がいる。
自分で自分を名高いと言うような奴に格闘技の何がわかっているのか、と嘲笑する意図で、わざと言うものらしい。しかしボクシングなどの試合会場として多用され有名であることは事実である。

「上座、下座」
「かみざ」とも「じょうざ」とも読み、「しもざ」とも「げざ」とも読むのが一般的だが(特に弓道では全く同義)、厳密には別のものだという。
その空間において、神棚のある壁に近いか遠いかを「かみざ」「しもざ」、神棚に向かって右側を「じょうざ」、左側を「げざ」と呼びわける人がいる。
仏教で、上位の者は祭壇に向かって右側に位置する。右が偉いというのは、いわゆる右へならえとか、右に出る者はいないというやつであり、軍隊でも同様である。
体育館の出入口は、校舎との連結は「しも座」でも、部室との連結は「かみ座のげ座」だったりすることがよくある。

「弓道場・・・カッコ仮」
「間借」の弓道版。恵まれない環境で、我慢強く弓道にはげむこと。
城址や旧藩校や私立ならともかく、まともな弓道場は、まともな土俵と同じくらい常設されにくい。
ベランダのような空中回廊、プレハブ校舎への渡り廊下、下手すると体育館裏に巻藁だけ立てて至近距離だけやっていたりする。

「釘目」
釘の頭が出ている床。突出していなくても危険。
壁の釘は、木刀で突技の標的に使われる。

「下駄箱」
自分の履物が邪魔にならないように整頓するというのは、親がしつけることだ、せめてそのくらいできるようになってから入門してこい、という意味。
作法の原則として、汗で汚れる内側を他人に見せないようにするので、靴を棚に置く時は、つま先を手前にする。それならハイヒールは逆ではないかという。それはそうだが、道場にハイヒールで来る感覚がまずダメなのであり、そこから説明しなければならないのか。…というようなこと。
この国をどうしたいのかという情熱も見識もない者が、知名度だけで担ぎ出されて国会議員になってしまう民度の低さをあらわす一例として、「元力士が当選インタビューで政策を聞かれた時、『これから勉強します』と堂々と答えた」という話をしたら、「正直で偉いですねえ」と横からサッと言われてしまい、二の句が接げなかった、というようなことを下駄箱と言っている。

 

 

「結界」
道場の入口や、剣道場と柔道場の間に、段差があること。わかっているのにいつもひっかける人がいたりする。どちらの足から道場に入るかというような作法も、こだわる人はこだわる。
結界は宗教的空間閉鎖のことで、普通は密教系の馬頭法か地天法をさす。武術道場では神道のお祓いが一般的だが、追い出しただけでは封鎖とは違う。ほかに、築城に関する風水的なものが各種ある。

「御案内する」
道場の窓から部外者がのぞきこんで、あれこれ批評していた場合、道場内に引きずり込んで袋だたきにすること。
これは意地悪でやっているのではなく、人様がまじめに稽古している姿を見て笑うことはよくないということを、おぼえて頂くことが、道場の本来持っている機能なので、相手が国会議員であろうとも必ずやる。

「広告付き」
協賛後援企業の看板がおびただしい会場。年配の先生は嫌う。特に色が派手なものは、知名度は上がるが嫌われる。
「ベアリング研磨で世界を制す○○」など、威勢のいいキャッチコピーも必ず話題になる。
なお、プログラムの後ろに印刷される企業広告は、誰も眼中にない。企業さんのほうでも、純粋に武術を応援して寄付してくださっており、武術をダシにして売名しようという意識はほとんどない。

 

「桟敷」
道場の周囲が一段高くなっていること。畳の場合もある。これの縁に腰掛けると殴られることがある。よくスネをぶつけるので「悪魔が住んでいる」という。
行事の時に設置する雛壇状の客席をさす場合もある。

「ザラ目」
畳が砂っぽいこと。

「霜降り」
道場の雑巾がけで、冬は手がかじかんで固くしぼれず、拭いたそばから床がうっすらと凍ること。
このつらさは、経験した人にしかわからない。

「場外」
稽古後にたまり場になる、道場近くの居酒屋や喫茶店や銭湯。ここでの雑談が、上達につながることが多い。
そうと知らない一見の客が、となりの席で、空手とボクシングではどちらが強いかというような、くだらない議論をやっていたりする。

「スリッパの人」
少し偉い人というくらいの意味。
たいていの公営体育館は、板の間は土足厳禁、廊下や応援席は土足である。
会場からトイレに行く時などは、靴紐などの手間を省くため、廊下では備え付けのビニールスリッパを使うことがあるが(トイレにはたいていトイレ用の木製サンダルがある)、袴にスリッパは見た目も音も醜く、スリッパが足りなくなるか会場入口がスリッパだらけになるので、子どもは使用禁止になっていることもある。
稽古着の時はつねに裸足で歩き、足を拭くための古い手ぬぐいを懐に入れていて、会場入口で使う子もいる。大人になってもそうしている人もいる。
ゴムのサンダルなど簡単な替え靴を持参して、土足区域で用いる人もいる。
報道関係者は、板の間の上にビニールシートで通り道を作って、つねに土足という場合もある。
来賓や、中途半端に偉い先生方は、板の間でもスリッパを使うことがある。
本当に偉い人は、政治家でも裸足になって一礼してから板の間に上がっている。
これらがすべて、相手の身分や心がけを見分ける基準になる。神聖な道場の床を、たとえわずかな砂でも傷つけまいとする気持ちがあるかどうか。

「前室」
もともとはテレビや演劇などで会場入口横の控室をさす言葉(楽屋ではない。共同で使う休憩室。単なるエアロックの場合もある)。
会場と続き部屋の放送室や、倉庫や給湯室に、お茶の用意をする場所が設けられ、ここで偉い人が談話するので、選手が挨拶に来て、人が多くたむろすることになる。これを前室と呼んでいる。
それとは別に、大会役員や審判の休憩所として、会議室などが当てられ、これが控室だが、大会中はほとんど無人で、選手は立ち入らない。
選手は、更衣室(ロッカールーム兼シャワー室、またはトイレ兼シャワー室)を共同で使い、荷物は廊下や観客席に置き、ウォーミングアップは会場の隅でやるので、控室はない場合が多い。

 

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