戦傷勲章
名誉の負傷をくらった将兵がもらう。アメリカのパープルハートが有名です。昔は日本にもこういうのありました。たいてい年金がつきます。
敵の兵器だけじゃなくて、戦場でのことが原因の病気にも発行されます。凍傷とか伝染病とか、原子炉故障とか、精神的な病気とか。
等級がある場合、平時や、戦闘に直接関係ない業務での怪我や病気を対象にした安いやつも設置していたりします。
多い人は何度ももらいますが、役職によって、めったにやられないかわりにやられたら即死するものと、怪我は多いが簡単には死なないものがあり、回数だけでは自慢になりません。指揮官がヘタなだけかもしれないし。
歩兵は「俺たちゃ生身の体をさらしてるんだ」と言い、戦車長は「ハッチから顔を出さなきゃ仕事にならぬ、顔を出せばすぐ狙撃される、目立つばかりでただのマト」と言い、砲兵は「いつも火薬の山と一緒、いつも俺の所にばっかり砲撃や空爆が来る」と言い、潜水艦乗りは「原子炉と核弾頭と水圧に囲まれて、どこにも逃げ場がない、これがそのまんま棺桶だ」と言い、戦闘機乗りは「棺桶のほうが広いわバカ」と言い、諜報員は「戸籍上はもうすでに死んでいる…」と言う。
軍隊では基本的に「骨折以上を怪我とみなす」という空気があって、捻挫、打撲、小さい火傷、重体にならない出血などは、ほとんど怪我とは言わない。ちょっと爆弾の破片が刺さったくらいでは、いちいち勲章を出しません。

 俘虜勲章
捕虜を経験した将兵がもらう。アメリカのプリズナーオヴウォーメダルなど。
ポーランドにはオシウィエンチウム十字章というのがあって、強制収容所に入れられた人がもらう。
捕虜になることが勲章に値するかどうかは、状況にもよるでしょうが、その国や軍隊の体質が出る。日本では全く誉められることではないので、こんなのありませんでした。
旧日本軍は、生きて虜囚の恥ずかしめを受けずといって、死ぬ最後の瞬間まで戦うのがタテマエだから、捕虜になることは任務放棄であり、自分の命とひきかえに国を売り渡したとみなされる。

 従軍章
ただ戦争に参加したというだけで全員にもらえる。勲章というより記念メダルだから、いかにもコインをぶらさげたような、メダル然としたメダルであることが多いです。
国連軍従軍章とか多国籍軍停戦監視章なんてのもある。
キューバのエルネストチェゲバラ勲章のように、いくらか勲章寄りの性格にしてる場合もある。
米軍のだったら600円くらいで実物が買えます。参加したくないのに徴兵された人や、志願したけどイヤな思い出を忘れたい人もいるし、頭数が多いから、この分野は安いんです。

 

 抗戦勲章、独立勲章、解放勲章、革命勲章、自由勲章
ナチスや大日本帝国にいじめられてた国や、ヴェトナムや朝鮮のようにくだらない戦争を経験した国や、長らく内戦やって分離独立した国などに、こういうのがある。
大変な時によくがんばって中心的役割をはたした国民に配るほか、支援してくれた国の政治家や軍人に贈られます。
ただの一時的な従軍章や戦勝記念メダルでは足りなくて、未来永劫わすれやしねえぞと、こういう名前の勲章をほとんど建国記念にちなむ勲章として常設することもある。
アメリカも独立戦争やって、自由を売りにしてる国なので、最高級の勲章を大統領自由勲章と名付けてます。

 精勤章
3年間くらい失敗も違反もなく軍隊で勤めていればもらえる。何度ももらえる。このへんは国家じゃなくて軍隊内部の制度でやる場合も多い。米軍のはメダルです。旧日本軍のやつは後述します。

 永年勤続軍人章
題名のとおり。勲章ではなく褒章や表彰や昇給の場合もあるけれども、北朝鮮では勲章にしちゃっていて、10年目くらいからもらえる。

 軍人徽章
ただ軍人(だった)というだけで、誰でももらえる。勲章ではないですが、御国のために命を捧げた証なので、そういう雰囲気の社会では一目おかれます。
恩給や市民権がついてきたりします。
米軍の場合、連続180日以上の現役勤務をした者は、土地建物の購入が優遇され、現役20年を勤め上げると、世界中どこへ行くにも、家族ともども米軍機に便乗させてもらえる(空席があればの話)。

 表敬訪問記念品
勲章ではありませんが。練習艦が練習航海に出て、親善国に入港し、観光がてら一同上陸して、基地や軍事記念館を訪問なんていう時に、参上!ここに一遊せり!という記念として置いていくもの。
盾、壁掛け、金属プレート、三角旗、幡、ナイフ、人形など。
その施設にとっては、勲章のような自慢になる。

 動物勲章
英国のディッキンメダル。戦争で活躍した動物に与えられるもので、軍馬、伝書鳩、警備や爆発物探知などの犬、ネズミ取りの猫などのうち、特に命がけでがんばった場合などに与えられる。

 

つづき 

 

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