金鵄勲章

かつて、旧日本軍で手柄をたてた人がもらったもの。

年金が一生ついてくるものだったんですが、軍隊が何百万人という規模になってきたので、一時金しかも20年ものの国債で支給されることになった。
陛下に拝謁する資格が付きます。ぺーぺーの二等兵でも。

リボンが垂れたような、王冠をつけたような、杖のようなもの(じつは剣。帯取がある)が中央にあって、その上に翼を広げた金色の鵄がとまり、盾を2つ斜交いにして、盾の上には、旗がついた矛をやはり斜交いで重ねたデザイン。
神武天皇が東方を征伐しに行ってナガスネヒコの軍隊に負けそうになったとき、金色のトビが飛んできて弓にとまり、光り輝いたら、敵はみんな目がくらんで腰砕けになった、という故事にちなんでます。

綬は緑地に白の双線。あせて、かなり薄〜い緑になってることが多い。
なぜか線章ではなく略綬が付いてくる。

同じ種類の勲章の、上位をもらったら、すでにもらっていた下位はもう付けないものですが、金勲章だけは、7級と6級とか、3級と2級とか、あるだけ全部を同時に並べて身につけることになってました。

80万人以上がもらいました。日清戦争が約2千、日露戦争が約11万、第一次世界大戦が約3千、太平洋戦争(満州事変や支那事変を含まず)が約62万人。

階級が同じ数字なら、功何級というのは勲何等よりもだいたい偉かったから、他の勲章よりはおおむね上席になります。
これも身分によってもらえる等級が決まるわけですが、これをもらうほどの人なら、早めに昇進する。

だいたい中佐以上だったら通常業務だけやってても戦争が勝ちなら手柄とみなされるでしょうが、下っぱの人は、上陸一番乗りで先頭きって突っ込んだとか、自分が逃げるだけで精一杯な時に怪我人や捕虜を連れ帰ってきたとか、捕虜になってた上司や敵の戦車をかっぱらってきたというような、ほとんど死にかけた人じゃないともらいにくかった。

それだけに、これこそは勲章らしい勲章であり、たまたま名門や金持ちの家に生まれたとか、年功序列で大企業や官僚の重役におさまったような奴なんぞよりも、ず〜〜〜っと偉かった。

なのに戦後廃止され、すでに発行したものも取り消し、つけて歩くことも禁止、お金も支給停止。

戦争放棄したからには、なにもイラクやアフガンの自衛隊員に出せとは言わない、「これがもらえるということになっていた時代に、当時の基準を満たして、もらえるはずの人が、もらえてないというのが、おかしい」と言っとるんです。
もらえると思い込んで一途にがんばった人の気持ち、国家のために命を捧げた名誉、しかもいったん授与したものまで、全部ナシってのはサギだ、お金はともかく価値だけでも復活させてあげたらどうか、どうせ老い先短いんだし、ということで何度も復活運動があったけれど、あの戦争を正当化するのか?と中国韓国が反発するので復活できず、杯や一時金が贈呈される程度にとどまってます。
首相の靖国神社公式参拝に大反対の俺でも、これは納得できん。

「返し泥棒というのを知っているか? 一度やったものを返せと言う。そんな奴は子どもの世界ですら鼻つまみだ」(時代劇『おしどり右京捕物車』に出てくるセリフ)

 

 功七級金鵄勲章
小綬。章は全体的に銀色、鵄だけ金色。
兵が最初にもらう等級。骨董屋で4万円くらい。

うちの親戚。
将校でなくても戦死しなくても金鵄勲章をもらったというんで、そりゃあもう自慢になりました。

 功六級金鵄勲章
小綬。章は全体的に金色、矛先だけ銀色。
下士官と准士官が最初にもらう等級。

 功五級金鵄勲章
小綬。章は、大きさは7・6級より小ぶりだけれども、このクラス以上はカラーで、光の放射がつき、構造が複数パーツの組み合わせになる。
鵄は金、光は紅に銀ぶち、盾は紺藍、鉾先は銀、矛柄は黄紅、矛につく旗は紅。
尉官が最初にもらう等級。兵はここまでしかもらえない。
これは骨董屋で30万弱くらい。

 功四級金鵄勲章
小綬に
綵花つき。章は5級とだいたい同じで、光が金ぶち。
佐官が最初にもらう等級。准士官と下士官はここまでしかもらえない。

 功三級金鵄勲章
中綬。5・4級よりも少し大きな章になる。
将官が最初にもらう等級。尉官はここまでしかもらえない。
生きてるうちから1級をもらう人は少ないし、将官はほかの大綬をつけていたりするから、将官の写真を見ると、金鵄勲章はノド元につけてることが多い。

 功二級金鵄勲章
1級の副章を正章として使い、3級と同じ中綬を副章として使う。
佐官はここまでしかもらえない。

 功一級金鵄勲章
特別な将官が特別な手柄を立てたのを特別に審議した上で与えられる。
大綬。大正天皇の軍服姿を描いた絵が、緑の大綬になっていたりするのは、これらしい。
この大綬だけは、左肩からかける。
副章がつきます。副章の光の放射は、ななめ四方は黄色。これを金色だと言う人が多いけれども、まったくのクロームイエロー。赤は透明感のある赤だけれども。

 

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