旭日章

オーダーズ・オヴ・ザ・ライジング・サン。
日本政府の初の勲章で、少し格式が高い。
じつは徳川家も幕末に勲章を作ろうと、デザインだけは考えたことがあり、三葉葵紋に、やはり旭日を組み合わせたものでした。日いずる国が、これをモチーフにしないわけにいかないんで。

章は、警察の代紋みたいな光を放射する朝の太陽で、太陽は赤、光は白に金フチか銀フチかその両方、裏は表と同じ。ペタッとした、薄い板という感じです。
綬は白に紅フチ。鈕は五三の青桐。
鈕の裏には「勲功旌章」の文字。
星章は、丸みがあって立体的で、光の放射が二段重ねです。

本来は、国家に対して顕著な功績をあげた男性に贈るもの。明確な手柄がないとダメ。
しかし、人間が70年も生きてきて、なーんにも功績がなかった人ってのもあんまりいないもので、ただ本来の通常業務やってただけでも、責任の重い役職を不祥事なく無事に勤め上げたら、それだけで多大な功績と言われるものなんですよね。
だから、だんだん瑞宝章と違いがなくなってきて、ついに同格になり、女性にも出すことにした。

満州国名義で出した分は、景雲章といいました。景雲章は、見た目は瑞宝章に似ているけれども、旭日章に相当する。

 

 勲八等白色桐葉章
ジ・オーダー・オヴ・ザ・ライジング・サン、ホワイト・ポーロウニア・メダル。
小綬。章は、全体的に銀色、裏は無地まっ平ら。
旧日本軍の下級兵士
がもらった。つまり、ものすごい数が発行されたんですが、一番下の等級なんて自慢にならないから、こんなのもらっても、あんまりつけなかったという。
戦後は8等なんて発行しなくなり、ついに廃止されました。

旭日章といっても、7等と8等には日光の部分がなく桐紋だけなので、鈕だけじゃん、旭日章じゃないじゃん、と言われてました。

 骨董屋で4千円台。

 勲七等青色桐葉章
ジ・オーダー・オヴ・ザ・ライジング・サン、グリーン・ポーロウニア・メダル。
小綬。章は8等のものに七宝が入り、桐花は紫、桐葉は緑。章の裏は、無地まっ平らか、表と同じ七宝。
旧日本軍の下士官、警部補、巡査部長、消防団副団長、郵便局主任など。
これも廃止されてしまった。
旧日本軍の下士官といっても頭数が多すぎて、勲章も位階も手続きに2年待ちくらいになっていて、しかも御国が大変な時にそんなの申請するのは大バカ者という空気があったそうです。一応、下士官を15年やれば位階をもらえる慣例だったようですが。
うちの父は軍司令部付をやって、戦後は刑事もやったから、確実にもらえたんですが、断固としてもらわなかった。もらうなら教官やってたとき戦地に送り出して死なせた2期あとの連中がもらうべきで、彼らが優秀だったことが俺様の勲章だ、なんて言ってます。

これは父の友人の形見。特攻に出撃する時、父が滑走路で見送りしてたところ、キャノピーを閉める前に、引きちぎって、何も言わずに投げてよこしたそうです。だから綬の部分は無い。
何も持たずに生まれてきた、というのは禅の教えですが、何も持たずに逝くというのは、勲章の本質を示唆してると思いますね。悲しすぎて美しい。

 

 勲六等単光旭日章(現在は旭日単光章。以下同)
ジ・オーダー・オヴ・ザ・ライジング・サン、シルバー・レイズ。
小綬。ここからは日光がつく。
旧軍だと准士官くらい。自衛隊だと、いわゆる大人の理由でちょっとずつ扱いが低くて、少佐クラスでもこのへんだった時期もあった。
そのほか、警部、看守長、小さい消防署や郵便局の長など。
骨董屋で6万弱。

 勲五等双光旭日章(旭日双光章)
ジ・オーダー・オヴ・ザ・ライジング・サン、ゴールド・アンド・シルバー・レイズ。
放射してる白い部分のフチが、金と銀になってるやつです。小綬。
旧軍の尉官、自衛隊だと中佐くらい。
自衛隊は、尉官で一生を終えるような人はよく勲章をもらうが、佐官はあまりもらわない、もらうなら旅団長くらいになってから、もう少し高い等級をもらうんだそうです。
そのほか、県警や消防や郵便の本部長か少し大きな署長局長、省庁の事務とか書記、県の局長や部長、助役、市町村議員、公立の小中学校長など。今は助役と言わずに副区長とか言うみたいですけど。
6等が最下級になってからは、このクラスがよく出る。

 勲四等旭日小綬章(旭日小綬章)
ジ・オーダー・オヴ・ザ・ライジング・サン、ゴールド・レイズ・ウィズ・ロウゼッタ。
小綬に綵花つき。
旧軍の佐官。自衛隊の副師団長、方面総務部長くらい。
地方の局長や事務部長、県や区の議員、市長、公立校のヒラ教授や高校長くらい。
藤子不二夫Aさんがコレだったので話題になりました。つまり、文化では評価されず、国家への貢献度で計られるのはモノサシが違うし、マンガは芸術のうちに入らないが外貨獲得には貢献しているから国益には役立っているって?

 勲三等旭日中綬章(旭日中綬章)
ジ・オーダー・オヴ・ザ・ライジング・サン、ゴールド・レイズ・ウィズ・ネック・リボン。
中綬。中央の局長級、大使、主管、審議官、外局の次長部長、判事、地裁所長、高検検事か地検部長、国立施設の所長館長、正副知事、公立校の学部長くらい。
旧軍の将官、自衛隊だと方面総監くらい。日本大使館事件で殉職したペルーの大佐がコレでした。

 勲二等旭日重光章(旭日重光章)
ジ・オーダー・オヴ・ザ・ライジング・サン、ゴールド・アンド・シルバー・スター。
1等の副章と同じ星章を正章として使い、3等と同じ中綬を副章として使う。
国会議員、全権委任大使、事務次官、学長、鉄道の社長など。
自衛隊では、統合幕僚会議議長。これがどのくらい低いか、わかります? 幕僚のトップなんて、世が世なら元帥、菊花章でなきゃおかしいくらいだけれども、なんたって自衛隊は軍隊じゃないそうですから。

 勲一等旭日大綬章(旭日大綬章)
グランド・コードン・オヴ・ジ・オーダー・オヴ・ザ・ライジング・サン。
かつて旭日章は勲一等が2つあり、これは並のほう。旭日章の1等、旭一と略されるのはこっち。
現在は、これが旭日章の最高級ってことになりました。
大臣、衆参副議長、最高裁判事あたり。経団連会長、一日一善の笹川会長など。
嘉納先生は校長やら五輪やら功績が広範囲なので、これになりました。
戦前は中将以上の優秀な軍人か、政府のかなり高官でなければもらいにくかった。戦後は知事にも出したり、トヨタとかソニーとか旧財閥系とかの社長さんにも授与されてます。
っていうか、このへんはもう、自分がもらうというより、誰が勲章にふさわしいか推薦する立場になってくる。
外国人だと、たとえば国連事務総長をやめた後のアナンさんにコレが贈られました。国連は、各国元首より3枚も格下かよ。そんなことだから戦争を止められないわけだ。

 

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