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巨大な先人に学ぶ 「帰る」の定義

中年の方、特撮マニアの方は、このページを飛ばして、次にお進みください。 →こちら 

 

 普通名詞になる

ウルトラマンというキャラは、『ウルトラマン』という番組に始まりました。
これに登場する主人公の巨大ヒーローは、単にウルトラマンと呼ばれました。

東京オリンピック以来、ウルトラCという流行語があり、ウルトラは今で言うところの「ちょーなになに」に近い、かっこいい言葉だった。
また、この番組は厳密にいうと『ウルトラQ』という先行番組から怪獣ネタ部分を特化させた派生シリーズでもある。

劇中で、ハヤタという地球人が、この巨大宇宙人をウルトラマンと名付けて以来、ウルトラマンということになった。
この時点でウルトラマンと言えばコイツ一人だったわけです。

ところが、ウルトラマンと呼ばれる者は、このあと何十年にもわたってウジャウジャ地球に出没することになる。
この中井貴一さんに酷似した銀色タイプのほかに、名前はゾフィーだけど男とか、プロテクター付き、ブレスレット付き、男女が合体する爬虫類顔のやつ、ツノが生えたやつ、もみあげが濃いやつ、その弟で原田大二郎さんによく似たやつ、父親、母親、おじいさん、教員の片手間に地球を防衛してるやつ、王女など、俺が知ってるだけでもかなりの種類が出現した。

しまいには、デパートの屋上で演劇をやったり、企業CMに出演して商品を宣伝したり、芸能活動を始めてしまう。

よく考えれば当然なのですが、光を食って生きようと、何万何千年という長寿だろうと、生殖器官が見当たらないにしても、雌雄別体の生物であるからには、それは一個体にすぎない。
生態地には、群れがいたわけです。人口180億だそうです。
それもまた、みんなウルトラマンと呼ばれました。
ウルトラ一族とか、ウルトラ兄弟という意味での、総称ウルトラマン。

さらに、獅子座L77星とか、U40とか、別の星にも、似たようなのが少なくとも1万人いるという。
しかもウルトラセブンと初対面の時に、「ウルトラマンレオです」などと、てめえで名乗ったとされている。

なおかつ、「この商品を買って、君もウルトラマンになろう!」とかなんとか、詐欺ギリギリな版権商品まで発売されることになる。

俺はエイティ以降の本編を観てないので詳細は不明ですが(ガイアというのはネット上で動画をちょっと観ましたが)、「光の巨人」と称するタイプもあるらしく、宇宙人かもしれないが宇宙人ではないのかもしれないという、特殊な地球人がなんとなく変身するのもあるようです。青いのまでいるらしい。
それも全部ウルトラマンらしいんです。ウルトラシリーズという程度にはウルトラマン。

もはや種の名ですらない。
動物界・脊椎動物門・ウルトラマン綱くらいには、くくってよいものと思われる。

シリーズ1作目のウルトラマンだけをさす場合は、初代ウルトラマンとか、マンとか呼称されております。

 

 ここからが話の本題ですが

シリーズ3作目のウルトラマンは、劇中では一貫して、単にウルトラマンと呼ばれました。
外観スペック必殺技とも初代マンに類似しているのですが。

体の色分けが微妙に違ううえに、赤色の縁に細線が入ること。
道具を使わず変身すること。
空腹で登校するな、晴れた日には布団を干せなど、地球人の少年に対して人生訓5か条の誓約と遵守を要求していること。
そして決定的なのは、劇中には初代ウルトラマンも登場すること。

あきらかに初代ウルトラマンとは別人です。
こちらは、新マンとかウルトラマン2世とかジャックとか呼ばれております。

ところが、これの番組タイトルは「帰ってきたウルトラマン」というんですね。
主題歌も、帰ってきたぞ帰ってきたぞーと連呼している。

 

 帰ってきたのかどうか

帰ってきたのはマンとセブンであり、新マンは初登場なわけです。

帰るというのも微妙な話で、こいつらが帰る場所はM78星雲(光の国)。
地球を「第二の故郷」「心のふるさと」とかなんとか詩的表現をほざいているのであれば、それでもいいが、この時点では、こいつは地球に来て以来ずっと地球に常駐しており、まだどこにも転出していない。

 

 可能性

5千年くらい前の地球に、ウルトラマンのたぐいが来て、怪獣退治をしたらしい。
これは『ウルトラマン』の、ミヤマクワガタみたいな怪獣が出てくる回の中で示唆されております。

新マンの年齢が1万7千歳であるから、過去に地球を訪れたことはあったのかもしれない。
それなら、帰ってきたと言える。

じつは、ゴジラとか、スーパー戦隊とか、仮面ライダーとか、米軍とか、「悪の手から地球の平和を守って戦う正義の連中」というのは有り余っていて、正義の味方の需要は間に合っております。
このことはオモチャ業界の最高機密なのですが。
悪役のほうが不足して、慢性的にネタギレになっているくらいです。

地球を侵略する悪党なんてのは、後楽園あたりでは毎週のように出没しており、そのたびに即刻、撲滅されている。
だから、どなた様が悪党をやっつけてくださったんだか、もう、どうでもよくなっているから、地球人のあずかり知らぬところで、何千年か前に新マンに助けていただいたことはあったのかもしれない。

 

 →つづき 

 

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