←戻る  ライターも喫煙の楽しみ

 

 高級品は10年早い

ライターというと高級品を持ってるかという話になりがちなんですが、俺はろくなの持ってません。普段はごく普通の、無地の、シンプルなジッポを使ってます。

これ高いんだぞ、とか自慢したところで、品物が高いのであって、自分が高いんじゃない。
どうしても好きなものがどうしても高級品で、若いのに苦しいバイトして買って大切にしてるとか、足で探してレア物に出会ったとか、一代で事業おこして高級品を自由に買える身分になったとか、そういうのならいいけれど。
身分相応というか、酒場でせっかくくつろいでるのに、このライターなくしたらどうしようとかソワソワ落ち着かないようでは、使いこなせていない。だからこそ高くていいものを普段平気で使うことがかっこいいわけで、俺ももう少し金持ちになったら銀のジッポを買いますよ。

うちの父は煙草吸わないですが、使ってないガラクタをひとまとめにした引き出しがあって、その中に、ダンヒルユニークやらロンソンバンジョーやらゴロゴロしていた。すげえ!と言ったら、コレ高級品なのか?なんて言ってる。父にしてみれば、それは軍隊や警察や会社の仲間に使い古しをもらったにすぎず、オイルやガスを買ってきて補充しなければ使えない面倒な品であり、普段の畑仕事や墓参りには100円ライターなんか使っている(笑)

あの『魁!!男塾』では、ライターが出てくるシーンではことごとく100円ライターでした。これだけでも、登場人物と作者が真の男であることがわかる。塾生は質素を旨とすべし、という校則があるわけですね。

 

 カコン、シュボッ

砲術とは別の火術という火を使った戦闘技術があり、たまたま縁があって俺もいろいろな専門家に習って大真面目に研究しており、わりと得意分野です。
摩擦、日光、ニクロム、車積バッテリー、石灰、過マンガン酸カリ、砂糖、ゴムボンド、ブランデー、本当に火が起こせるのか、どうすれば効率いいのか、ひととおりは試してみました。現代の日常では、こんなのできてもできなくても関係ありませんが、火種の確保はアウトドアの基本であり、登山を趣味にしてるからには命にかかわってくる。
それ以前に、そもそも人間が人間であるためには、火を使いこなせなくてはならない。道具や言葉なら猿でもイルカでも使います。
火打金、マグネシウムライター、火縄ライター、ブルーアイマッチ、万年マッチ、たいていのものは買ってみたけれど、やはりジッポが一番いいと思う。丈夫で安くて安全で、風に強く、照明にもなり、手を離しても置いても使え、乾いた開閉音と暖かい着火音が美しく、使い古して傷んでも風格になってしまうからです。

唯一の欠点はオイル切れの心配ですけど、綿をほとんどぬいて、かわりにオプションのインナータンク(写真右下)を入れて、アルコールランプのような構造にすることもできます。タンクを複数持てば、カートリッジ式に交換すればいいわけです。
少しずつオイルがしみ出すフェルトのフタをつけてセットするのが普通ですが、俺はあんまし煙草吸わないので、密閉用のフタをしめて、オイルが切れるたびにタンクから何滴か綿にたらしてます。

写真左は誕生日に人からもらったもの。色が気に食わなかったから表面をヤスリで削りまくってます。
ジッポも、レアなやつばかりコレクションして飾っとくようになったらオシマイです。使い込んでこそジッポ。

シンプルなジッポを使うもう一つの理由は鏡になるからで、くつろいでよそ見をしているふりをして、じつは煙草に火をつけながら敵を監視するというような使い方もできるからです。
一刀流では武士たるもの常に鏡を持ち歩けといい、現行軍隊の個人装備にも入っていて、光を反射させて信号を送るとか、曲り角や塹壕で体を出す前に安全を確認するのにも使えます。

ジッポの欠点がもうひとつあった。自分の煙草に着火したついでに、ちょうど吸おうとしてたとなりの人にもなんていうことは、親切のつもりでも、特に女性に対してはひかえたほうがいい。火を貸してくれと言われても、オイルですけどよろしいですかと確認し、できるだけ炎の先端だけ使ったほうがいい。
つまり、ナフサのニオイがダメな人もいて、これで着火すると煙草の味が変わってしまうというんです。こだわる人はこだわります。

 難しい100円

100円ライターといえば、こんなのもある。Vフレームジャパン、ヴェトナム製。電子ではなくフリント。これは着火の手ごたえがガリッとしてて、シュボッという感じで、じつに気持ちがいいです。気に入った。

俺は最初、使い方がわからなくてガスを5割がたムダにしてしまったので、たぶん俺だけだろうと思うけど、同じヘマやる人が出ないように御紹介しときます。

普通は、ローラーを回して石が火花を出したところで、ローラーを回した親指がそのままレバーを押すからガスが出つづけるわけですよね。ところが、レバーがない! シューシューとガスが出っぱなし! 止まらない! しまいには気体ではなく、液体のままでガスがシュルシュル飛び出す始末。臭い! 金属部分が冷えて霜だらけ! どうすんだ!?

よく見れば、フタを開けることによってガスが出る構造になってるわけです。フタを開けたままにしておくと、どんどん出てしまう。逆に言えば、手を離してもガスが出つづけるから、置いても使える…かと思いきや、火がだんだん小さくなって消えてしまったり、いきなり20センチくらいの炎になったり。+-調節がついてないので、炎の調子はライターまかせです。

 

 拳銃型

通販で売られていたレミントンのダブルデリンジャーのガスライターは御存知だと思います。実銃よりはるかに小さいけれど、見た目より重量感があり、じわじわっカチッという点火の感触が心地よくて、ホルスターもついてました。ダサい金色ボディも、かえって女性的デザインによく合い、グリップの白蝶貝がニセ物でも、子どもにしてみれば高級感があった。これはすぐ壊れるので、何度か買い替えました。黒いのも買った。

その後、よくディスカウントショップやアクセサリー屋にある、韓国製あたりのやつを買いました。
やはり少し小振りで薄いコルトガバメントはダブルアクションで、撃鉄を起こしても着火できた。
コルトパイソンはリボルバーなのに安全装置がついていた。
このへんもいじくり回しているうちに壊れました。

今では、この2つしか手元にありません。

写真左下はコルトのオート25で、ガス。
トリガーを引くとスライドが後退した状態で止まって着火する。これは実銃でいえば全弾撃ち尽くして弾切れの状態なので、オチみたいで笑えます。
全体はブルーフィニッシュ(ひところ実銃で使われたサビ止め表面処理)風で、この手のライターにしては火の出口がマズルではなくイジェクションポートなので、バレル内に余計なものがなく、前から見るとなかなかリアル。
たまたま同じ銃のエアガンも持っていて、ちょうど合うアンクルホルスター(写真上)があったので、これに入れて足首につけるわけです。
しかしオモチャだから冗談のタネにしかならず、持ち歩くのもバカバカしいし人騒がせ。使う状況はかなり限られる。今では机の引き出しに入れっぱなしで、たまに出してながめるだけの、小さな秘密みたいなもんです。

写真中央はよくわからないオイルライター。
この下品な金色は普通の真鍮ではないようで、使い込んでも渋い色になってくれない。
トリガーを引くとスライド後部がジャキン!と轟音を立てて上がり、そこから火が出る。マガジンキャッチが安全装置。
銃口は懐中電灯になっていて、いわばライト違い。スライド全体を開けて単5を2本入れ、スライドストップが点灯スイッチ。暗いのでマグ球に替えてあります。
これはデリンジャー(本物サイズの)用のホルスター(写真右)にムリヤリ入れてます。

 いい歳して・・・

最近、これを買ってしまいました…。

シリンダーが回って、スイングアウトできて、ダミー弾までついてるうえに、ターボライターなので。俺はS&Wのほうが好きなんですけどねー。
箱には、なぜか、次元と書いてある。つまり、版権とまではいかないにしても、ルパン三世を意識してるらしい。
ほかに、P38、PPK、ガバが売られてました。ルパン、不二子、銭形ということでしょうか。

 追記・・・

自分の身の丈に見合った、安いライターを、乱暴に普段使いにする、という信条でしたが、ちょっとこれではマズイ状況というのがあることを知りました。
バーで、悪酔いした客が、バーテンダーさんにからんでいる時です。
「タバコある? え? 置いてないの? 飲み屋のくせに?」なんてことを言う。買い置き煙草はあったとしても、「この銘柄じゃなきゃ吸わない。買ってこい。どうせ、この店ヒマなんだし」というようなことを言い出す。
そういうこと言いやすい店に限って、オーナーが一人でやってらっしゃって、急に混む。

これが、そこそこ社会的地位の高いオッサン客だったら、やりようもあるんですが(腕力で)。

なにか悲しいことがあってヤケ酒してる綺麗な女性だったりすると、ちょっと困る。
つまり、普段は吸わないのに、久しぶりに吸いたい気分になって吸おうとしたから、煙草がないという状態です。
「6ミリでよろしければ…」と、自分の煙草を分けてやる時に、「私、火は自分でつけたいの」とか言い出すので、ライターも貸すことになる。これは、ある程度は、いいライターでなければならん。

使い捨てライターでも、近頃はノベルティでオマケについてくるライターが、なかなかシャレたのがあるので、飲みに行く時はそういうのを使ってたほうがいいのかもしれないです。

 

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