←もどる 占星術における矮惑星問題  

 

 占星術は天動説でやる

もちろん、事実は地動説ですが、地球が自転してるなんてことは、紀元前のギリシャでも言ってた人はいます。
見かけ上の現象として、たしかに人間の頭上を星々がめぐっていく。
「自分がどんな星の下に生まれ、今はどんな星のめぐり合わせになっているか」というのをやるのが占星術です。
って言うとすぐ、「天動説がベース? これだから占いってのは…」とか、いや、それならまだいいほうで、「科学は万能ではない! NASAの月着陸はヤラセだ! 本当は天動説が正しいのに、国家の陰謀で情報操作されているのだ! 金星人はすでに地球に来て人間社会にまじって生活している!」とかなんとか、かなりアレな人もいる。
もういっぺん言いますが、科学とは区別してください。オカルトにおいては、科学のように見えるものはすべて、「オカルト世界の中での科学(擬似科学、あるいはそれ以下)」です。

 常識がない奴は占いをやるな

金星の自転は地球との接近周期に同調していて、金星が地球に最も接近する時は、つねに金星の同じ側が地球に向く。月も、地球に裏側を向けませんよね。このへんが、もし偶然でなければ潮汐力か何かだから、そうやって惑星は相互に関連しあっている。
そういう
宇宙の壮大な神秘が、人間にも関連している「と考えたほうが、ロマンチックで面白いし、そういう考えでやったほうが当たる(ように見える)から、しょうがない」というだけでやっているものであり、まともな占い師は決して科学を否定しないんです。否定する必要もない。科学者も、ガチガチに夢がなくてつまらない人間ばっかしというわけでもない。別のジャンルだからです。

 関連してるからこそ

ガリレオ風に言えば、「それでも地上に関連している」。新月や満月に産卵や開花や人為的ミスや病気の発作、黒点で電波障害やオーロラの増減、なんなら昼夜や四季がめぐって来ることだけでも、地上は変化している。
ここで注意してもらいたいんですが、同じ周期でめぐってくるってことと、現象が連動してるってことと、一方の現象がもう一方の現象を起こす原因になってるってことは、必ずしも同じじゃありません。
ただの偶然だってたくさんあるし、それ全部が、まだ知らない別のもっと大きな原因が起こしている結果なのかもしれない。
たとえば潮の干満は月が引っぱってるわけですが、だからといって、人体の血液にかかってる月の引力なんてのは無視できるほど小さい。たしかに女性の「月のもの」は月の満ち欠けと同じ波長で来るわけですが、じゃあ地球人が別の星に行ったら生理が2か月おきとか2週間おきで固定かっていうと、そんなすぐには変わりゃしない。
それは生命とか生物とか種族というのが、始まって以来ず〜っと地球上で生活してきたから、春に咲くとか冬に眠るとか、リズムが決まってきたわけで、そういう意味で、関連してるわけです。
だからこそ、
あんまり小さかったり遠かったり地球からよく見えないような星は、そんなの惑星と認めようが認めまいが、地上におよぼす影響も、地上と関連してる部分も、たいしたことないでしょう。
火星がものすご〜く地球に接近する時は、まあ何かあるかもしれないが、木星は放射線を出してるからには、それが地球にも届いてるかもしれないが、しかし、冥王星ごときがどこで何やっていようが、さしあたり昨日今日すぐに関係はないでしょう。

 

 

 太陰

話が横道ですが、このあとの話に関連するので。
太陰というのは月のことです。本来は東洋占星術の用語ですが、天文学でも太陰と呼ぶ人は結構います。何年何月も月と言うし、衛星という意味で「木星の月」などと言うこともあるので、まぎらわしいからです。
さらにオカルトの場合、幸運に恵まれる「付き」や、マイナスの存在がつきまとう「憑き」もあるし、月が精神にもたらす悪影響のことも月と言い、ある種の精神障害(俗に、電波とか盗聴と言われているものや、被害妄想の一種)を月(追いかけてくる月)と言うこともある。
西洋占星術では、年・月・日・時にそれぞれ対応する星が順ぐりにあるため、「木星が支配する1か月間」という意味で「木星の月」と言うこともある。

 太陽と月は、惑星じゃないでしょ

「天文学ではどうでも、占星術では冥王星は惑星だ」という意見の人が持ち出す根拠のひとつに、「占星術では、太陽と月も惑星だから」というのがあります。それは一面ではそうなんですけど、じつは西洋占星術では、太陽と月は2種類ずつある。
どちらかというと、サンとムーンと言った場合は、まどう星「惑星」の一種として言っている。後述しますが、各星座に割りふられた「支配惑星」なんて言う場合がそうです。
各星座を構成している恒星(ほとんど恒常的な星)だけが、一番狭い意味での星であり、それは、パソコンで言えば壁紙みたいなもの。その舞台の上で、太陽、月、惑星、天変(非日常的な星。彗星や超新星や流星など)がどう動くか、どの星座にかかったかを見るのが、西洋占星術です。

ソルとルナと言った場合は、太陽と太陰が対であり、他の惑星とは別扱い
です。この、ルナの訳語として、太陰と言うわけです。本来の西洋占星術は、こっちの考え方のほうが強かった。
地球からの見かけの大きさは、太陽と太陰はほとんど等しいし、昼と夜を交代で支配していると見る。
「三光(月・日・星)」とか、「日月辰(太陽・太陰・北斗七星)」とか言うくらいで、太陽と太陰は、「星」の範囲にさえ含まない意識もある。メソポタミアの神話では、月神シンが、星(星座を構成している星ぼし)を作ったことになってます。

 本来は、せいぜい7星

地球から肉眼で見える主要5惑星「水金火木土」、これに太陽と太陰を加えた7星でやるのが本来の西洋占星術であり、それでちゃんと当たるように理論の全体が組み立てられていたものなんです。
たとえば曜日の名前は北欧神話の神の名に入れ替わってますが、これももともとはメソポタミアの7星から来ている。メソポタミアは7進法で太陰暦をやってたから、1日ごとに7星を割り当てて、月が支配する1日、火星が支配する1日…と考えていた。
この、7つセットで考えるという発想が、西洋のオカルトではものすごく重要なところなんです。ローソク立てから天使まで、徹底的に7にする。それは両極端を調和させることの両極端をまた調和、3と4の調和、早い話が12をどう分けるかという解釈になってる。
東洋で言えば四神に7宿ずつで二十八宿ですが、だいたい月が1サイクル28日として、新月、半月、満月、半月、この4つが、7日ずつで、四七28になるわけで。
俺も7星が正統派だと思ってます。最初についた師や、勉強し始めた頃に買ってきて読んだ本が、ことごとく10星のやり方だったため、古いやり方を使っている先生を自分で探し出して習い直しました。

 

 →つづく

 

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