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科目標目の分類定義と、
その表記 8

 

 砲術、火術

銃と砲は原則として分けていません。
たいてい砲術の流派には、馬上の小型から攻城用の曲射まであり、弩器も付属することがあるからです。

火箭、棒火矢、噴射砲、空気銃、鉄放、各種雷、狼煙、弾弓、投石機まで含めて、だいたい(砲)でくくってます。
だから、砲と表記しております。
關流などは炮の字で表記しますが、砲に含めさせてください。

和砲と洋砲も、必ずしも分けておりません。
どうせもともと外来だし、洋モノでも全く日本化しないわけでもないので。
つまり、運用のことを言っております。これは現代の軍事においてもまったく日本人は日本人のままです。米軍などは、おおよその目見当でいいから一刻も早く迫撃砲をぶちこんで先手を取ろうとしますが、自衛隊は1発たりともおろそかにせず、きっちりと照準したがる。

厳密な鳥銃(地鉄砲。民間の狩猟用)は武術ではないので、有事に対人に使うとしても、これだけは分けます。
幕末の動乱の時、歩兵が足りず、鉄砲を扱える猟師を急遽雇用した例は見かけますが、とにかく武術じゃないので。

砲術は、銃列や砲台の配置展開、補給線の問題など、部分的な(軍)が附属することがあります。

忍術の仮面花火のような目くらましや、奇襲や隠し武器に属する火術などは、(火)として別にすることがあります。
つまり、砲術に付属する火術は(砲)に含めてます。世間では火術というと、砲術と同義か、砲身砲弾によるものでない火薬や油関係全般をさすのが一般的ですから、御注意ください。

和式砲術はすべて一度絶えていて、現存する流派は昭和になってからの復元である、という意見もありますが、現在でも流祖の直系御子孫が宗家で、昔の道具や教本がそのまま使われていて、御子孫は戦時中には砲兵をやっておられたなど、どう見ても文化が連続していると俺は考えております。

 

 武具製作

火薬や砲の製造法は、産業レベルでも(砲)に含めています。戦争の勝ち負けは戦術だけではないからです。
砲術師と、砲の開発製造指導者が、しばしば未分化であるのは西洋でも同じで、昔は特にそうでした。使う人の意見を取り入れて作らないと、使い物にならない。

同じ理由で、甲冑の仕様と着付は武術とみなしています。
これは軍学にしばしば付属しているし、武術の文化の一端なので。
安土桃山時代に、西洋甲冑をずいぶん取り入れてますが、これも日本に関係したものは収録します。

日野根兜は日野根流軍学、伊達家や甲州流の五枚胴、幕末に袴をズボンにかえて、借金を返して反射炉を操業し、後込、ゲベールよりももっと新型、という具合に、これはこれで理論があり、実技にも関連していて、戦果をも左右するからです。

 

 水泳、船戦法

游泳、踏水、泅水など、古式泳法は(水)、水軍、船戦、海戦のノウハウは(船)としています。
俺の勝手な分け方です。世間では両者を水術とか水芸とか言う場合が多いので御注意ください。

船軍に付属する水泳だったりして区別しにくいものもありますが、水泳で流派をなしているものの多くは船戦の意識が薄く、発生の系統も時期も船戦とは別、どちらかといえば渡河戦や攻城戦(水濠突破)を想定しているので分けてます。
しかし小舟くらいなら(水)にもあり、海の状態を読むようなことも含まれてます。

水泳は武術か?というのもよく議論になるところですが、これも十八般の内であり、状況が戦闘を前提にしている以上、武術に含めます。
講武所設立時の正課に水泳はあったし、現在でも日本水泳連盟と日本古武道協会の両方でくくられている。

古式泳法は水泳だけでなく、水中でのあらゆる戦闘、(剣)、(砲)、(馬)、(忍)などをやるので、内容で分けてます。
水泳の技術を見せるために、泳ぎながら書道をやったり、瓜の皮むきをやったりするからといって、書道や料理の流派ではないので。
つまり、川を渡るコツの中に乗馬や甲冑での場合が説かれているなら(水)、川に限らず馬術の障害越え全般ならば(馬)、柔術や忍術や甲冑装着法の一部として水中戦が説かれているようだったら(柔)(忍)(軍)、水泳の応用として水蜘蛛や浮袋が説かれていれば(水)という具合です。
たとえば無残流(小桐系)は水中戦闘にすぐれていても、剣術や槍術であり、水芸ではないと考えます。
(船)(砲)を含むことがあります。

 

 歩術

日本には長距離走の技術とその鍛練法もありました。
(忍)などに付属するものですが、(その他)の中に神行法という項目を立ててあります。

 

 築城、土木、治水、石垣、測量

縄張(城の設計)に関することにも、流派はあります。
ほとんどは軍学に付属することですが、これ自体が流派になってるものもあります。

武術(格闘術、戦闘術)ではないので、あんまり面白みはない分野であり、また、綿谷先生も事典からカットしてしまった分野でもあります。

しかし、秀吉公なんかはコレで天下を取ったのだし、神道流などには風水的な築城法は付属してます。

流派と名のつくものはできるだけ網羅したいので、今のところ、築城や石垣などの流派は掲載しております。

なお、土木工事に関するものを普請、建築物に関することを作事といいます。小さな大名の場合、両者を兼轄してしまいますが、国持大名みたいな所では、普請奉行と作事奉行を別に置きます。うちの城では分けておりません。

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