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科目標目の分類定義と、
その表記 7

 

 複合武器

外国には、斧と鉤を兼ねた矛、刃物をつけた篭手や盾など、組み合わせた武器があり、日本にも、薙刀と槍、鎌と鎖と棒、槍と鉄砲などの例があります。

骨董業界を半年も見て歩けば、とんでもない珍品に出くわす。俺が見たのでは、薙刀と刺叉という、何がしたかったのかよくわからない組み合わせがありました。
もちろん、武術を知らない人が武術を知らない人向けに作った後世のニセモノという可能性もつねにある。

こうした武器の種類も、あまり表示する機会はありませんが、表示するとすれば、その武器や流派が本来は何か、ということで区別させていただいてます。他も同様です。

ただし、銃剣や鎖鎌のように、ひとつのジャンルになっていれば書くこともあります。

 

 偽装武器

外国には、横笛の中身が刀とか、食器に鉄砲がついてるとか、カメラ型の鉄砲とか、さまざまなトンデモ武器があるのですが、日本にも似たようなことはある。

これまた、これだけで流派になってる例はほとんどない。みっともないからです。

これらの武器は、どちらかといえば武術をやっていない弱虫が武器の力に頼って身を守るとか、骨董コレクター向けとか、あるいは卑怯な暗殺をねらう者が、武器を持っていないように見せかけてじつは持っているとか、そういう使い方なので、正統な武術にはないか、あったとしても基礎や基本がある上で応用としての補助的な使い方だからです。

つまり付属なので、ほとんど書いておりません。

自分でやらないにしても、誰かバカがやった時のために、防犯という観点からは、必要な知識ではあるのですが、それは戦後編で。

 

 増強武器

見た目にこまかい武器、厳密な(隠し武器)です。
角手、鉄甲、ナックルダスター、メリケンサック、目潰、吹針、息倒器、ある種の火術など。

やはり、単品で流派になっている例はほとんどない。あれば書きます。
じつは多くの流派に付属してるのですが、存在すら秘密になっていることもあります。真の無刀などという名前の、真剣白刃捕の専用器具があったりする。

これらは入歯やメガネにたとえられるもので、素手では足りない場合に指に突起をつけて殴るというようなものだから、若い初心者がこんなものに頼ると上達を邪魔したり、生兵法の喧嘩を助長させてしまう。
ましてや、継承者でもない者にとっては、わかりきっていても表記しにくいので、あいまいな書き方をした箇所もあります。

ここまでコソコソした物を使わなくても、鉄扇のたぐいでも同じ効果が得られて、他の用途にも使える。
空っぽの手である空手に武器があるのは、正拳や裏拳や鉤手や手刀や肘打の技術が、そのまま武器に応用できるようになってるからです。

 

 代用武器

民具の転用も古今東西あります。

斧やハンマーは、日本でも武器に使われました。
鎌や熊手や鳶口は、専用もありましたが、最初は一時的な転用も多かったに違いない。
陣地構築具や船の備品は、武器に転用されやすい。戦場で手元にあるからです。

包丁での戦闘は軍記物に出てくる。
ノコギリでの実戦は民話に出てくるほか、刑具としてはあった。
外国ではフォーク(干草を扱う道具)などもごく一般的です。

薙刀流派には茶室で茶道具を武器にする技術、居合流派には畳を返して盾にする技術、手裏剣流派には出刃包丁を投げる技術、琉球武術には船をこぐカイや畑を耕すクワを武器にする技術が付属していることがあります。

要するに、これまた付属の応用で、キリがないし、しかもあまり表立って言っていいものでもないので、いちいち書いておりません。

なお、武術で使う鎌は、草刈鎌とは構造が全然違います。琉球武術でさえ、かなり特殊な専用の鎌を使うことが多い。

 

 

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