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科目標目の分類定義と、
その表記 4

 

 手鉾、小薙刀、薙鎌、長鎌

手鉾や薙鎌は、うちのサイトでは力を入れている分野で、これこそは歴史をくつがえす大発見の宝庫、マイナーの穴場だと狙っております。
西之丸でときどき特集していますが、個人情報にからむので、かなり相手を選ばせていただいてます。

文献資料が一応あるようなので、入手した時のために、今のうちから薙刀や槍とは積極的に分けています。

手鉾は、品物は菊地槍のような形状で突く用途であっても、小薙刀という表記になっていることがよくあります。できるだけ、薙刀とは分けます。
つまり、薙刀が普及している時代ですら鉾を使っていたということです。
古くは、薙刀を片手で使う例が意外に多いようでもあり、もう一方の手に太刀を持って二刀のようになっている例すらある。

鍵槍の流派などにある長鎌というのは、薙鎌なのか十文字槍系統なのか、一概にはわからないので、そのまま(長鎌)と表記してます。
鉾を意味する言葉らしきものに、
利刃というのがありますが、これも同様です。

 

 薙刀、長巻

薙刀は(薙刀)としています。
原文では長刀という表記がとても多いですが(長太刀と書いてあることもある)、長い太刀とまぎらわしいという理由で薙刀という表記が生まれたのだし、実際まぎらわしいからです。

だから、大太刀、長巻、中巻のたぐいは、(薙刀)(剣)(居)などに分散してしまうことになりますが、長巻専門の流派というのはあんまりないので(あることはある。そういう場合はなるべく別記します)。

長巻は鍔と柄巻があるから太刀の一種だというのは、それはそうですが、それなら一部の薙刀(柄をすべらせた持ち替えの意識が薄いもの、ほとんど滑り止め加工)も、太刀の一種になってしまう。長巻は、長巻です。

世間では、薙刀を「薙」と略すことが多いですが、薙鎌と区別するため、薙刀と表記してます。

裏刃や横手の有無では分けません。
武士の薙刀と、女薙刀(バストと振袖という制限が前提のもの)は、技法も道具も全然違う場合がありますが、これも分けておりません。将来、薙刀の項目が増えたら、分けるかもしれません。
明治以降に作った薙刀流派(道場で試合をするための薙刀)というのもあるのですが、これを分けるととても叱られるので分けません。

 

 

 槍

伝書では、鎗、鑓などの字になってることが多いですが、ほとんど(槍)でまとめさせていただいてます。
槍は、古くはホコを意味する文字ですが、現代においてはヤリで通用しているし、流派とか技法に関する限り、槍術と言うので。

銃手との連携や対騎兵戦闘などに使う長大なものと、武術として使われるものとでは、まるっきり別の武器というくらいに別のものだし、定寸で2間(約3.6メートル)、9尺くらいでも短槍と呼ばれることがあり(厳密には9尺で小素槍、7尺で手槍)、6尺くらいになるともうただの棒術の技法でやってる人もいたり、ごく短いものは脇差より短く、さらに管とか鍵とか鎌とかにそれぞれ技法や文化がありますが、槍の流派を区別するためには流名と開祖と地域だけで今のところ間に合っているので、道具まで書いていません。

ただし、使う道具の仕様が流派の特徴になっていて、流名・流祖・地域・種目が同一または酷似、しかも複数系統ある場合など、ほかに区別する手段があんまりなさそうだったら、道具を書いて区別することがあります。他も同様です。砲術で、よくそういうことがあります。

筈槍とか、鐺の使い方とか、脇差の刀身が槍身になっててしかも投げちゃうとかは、できるだけ(弓)(居)(手裏剣)など、それぞれのところに含めます。

根本的にその武器であり、そのための技術であれば、その武器として扱い、応用や付属として他の武器と同じ効果を狙うものはそのそれぞれ本来の武器として扱います。他も同様です。

ソムリエナイフはブレードや缶切や栓抜がついていても基本的にはコルク抜であり、コルク抜がついていても十徳ナイフは基本的にはナイフ、ナイフとして使おうと思えば使えても本来は工具ではなく接近戦用に作った両刃ならばダガー、というようなことです。

槍は、銃剣術から工夫した先祖帰り復古調みたいなのもあるんですが、この手のものは俺もさんざん見て、たしかに槍術になっているようなので、流派名をおっしゃっているならば槍術に含めます。
日本の銃剣術は、古流槍術をまじめに研究して参考にして成立したので、連続性があると考えます。
塹壕戦の時代に三八式なんていうバカ長い歩兵銃を使っていたのは、弾道低伸と安定保持で命中率を高めて弾薬を節約するという理由もあったのですが、これに三十年式を着剣すると160センチを越えるというのは、歩兵が騎兵を刺し殺すという、全くの槍の発想です。
日本の銃剣は刀身型をしており、斬るという意識があったから槍とは違うという意見もあるのですが、鋳造ですから、ろくな刃が付いておりません。
銃剣で騎兵に対抗するのは、槍といっても西洋槍であり、しごく(前手をすべらせる)ということをやってないという意見もあるのですが、臨時に徴用した農民に長柄槍を持たせて騎兵に対抗する場合、しごいていたかどうか。日本の合戦でごく普通に用いられた竹槍は、やっぱりしごいていない。
結局のところ、
槍とおっしゃっているかどうかで分けます。

 

 

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