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学校の所蔵資料、その重要性、
すなわち収録する理由

 

 大学、図書館

もちろん体育大学や、国文学や考古学の大学、その付属図書館、国立県立クラスの図書館や資料館には、いくらでも武術の伝書があります。
これは個人的には拝見しにくいけれども、一応、方法はある。

まず、解放されている資料なら当然、閲覧は許されるんですが、申し込んでからだいぶ待たされるうえに、複製は有料つまりむこうでやって複製だけを渡されるとか、スライドみたいなマイクロフィルムを見るだけという、原本には触れる機会が全くない場合もある。

伝書に限らず古文書というのは、撮影させていただいたら、そのフィルムは複製をつくり、元のフィルムのほうは寄贈、つまり古文書の所有者にフィルムを差し上げるのが礼儀というか慣例になってるので、それ以降の人は、そのフィルムを借りていって複製することになります。
ネガではなくポジ、紙マウントがついてることが多いです。
プロのカメラマンは、1日拘束して実費込み3万円くらいですが、今はいいデジカメがあるから、工夫すれば自分でできる。

こんな面倒な手順を踏まなくても、最近は電子化されて、ネットで拝見できるようになりました。

電子化が遅れている小さい図書館は、それはそれで穴場です。
巻物はともかく、江戸後期くらいの和本であれば、簡単に手に取らせてくれることがある。もちろん貸出禁止、館内での閲覧のみ、鍵のかかった本棚に入ってますが、頼めば出してくれます。

そもそも研究室で研究結果を本にして出すことも結構ある。

やっぱりここでも、コネが、ないよりはあったほうがいいです。
学閥みたいなものがあるので、だれだれ先生に御指導いただいている者ですということを、言ったほうがいい場合と、言わないほうがいい場合がある。
前者の場合、たまたま道場に国際武道大や国士舘や筑波大の誰々が1〜2度ばかり来たという程度でも、御名前を出せば、いくらか優遇されることがあったり、優遇はされなくても印象がいい。

友達が在籍していれば、興味なくても学祭にはとりあえず出かけてみると、それだけでも見るもの聞くものすべて勉強になりますが、工業大学で機械の実演やってた院生が、姿勢がよくて立居振舞ただ者とは思えなくて話をふってみると、じつは武術の同好会でまあまあの地位にいる人だった、なんてことがあります。

同好会というのも油断のならない分野で、なにしろ学生さんというのは熱意と時間があるから、この方面はこの大学の同好会が日本一の道場になっているということがある。
それが出版したものも貴重な資料です。

 

 

 高校、中学

民間の郷土史研究家さんや武術家さんは、休日と権威と教養がある職つまり学校の先生をやっていることが多く、ついでに武術の部活の顧問もやっていたりする。

最近は生徒の頭数が少なくて校舎が余っていたり、余ってなくてもだが、学校の一部または放課後を生涯学習センターとか社会人講座に解放していたり、学校なら体育館があるから、道場の場所を聞いてみれば小学校だったなんてことがよくある。
もちろん、生徒じゃない者が立ち入っていい空間は限られていて、へんなドアをうっかり開けると、センサーが警備会社につながっていて、警棒とヘルメットとボディアーマーをつけた人が殴り込んできて、なんだ俺たちより長い鼻捻子だなとか、それはそれで興味深いですが、開けちゃった人は、かなり叱られることになる。

その地域に大学も博物館もない場合、この手の学校が文化の中心になっているため、校長室の半分が応接室兼ちょっとした展示室になっていて、その土地にゆかりのすごい資料がガラスケースに鎮座していることがある。

私立ともなれば金に糸目をつけないから、なんであの剣豪の揮毫がこんな所にあるのじゃ、卒業生でもないし全然関係ねえじゃん、ということもある。

地方だと、かつて藩校だった高校なんてのがあって、膨大な文献を所蔵し、そのリストを公開していることがあります。

また、たいして有名でもない学校でも、かつて旧制中学くらいだったなら、昭和初期の防具なんかが階段下の倉庫に突っ込まれていたりして、ちょっと武術にくわしい生徒がふざけているうちに発見して、これがどれだけ貴重なものかを先生に力説するのだが、先生はそんなものがあったことすら知らなかったし、ただカビが生えたガラクタにしか思えないので、片付けておきなさいとしか言わないから、その子が卒業してしまえば、また歴史の闇に埋もれてしまう。

藩校の校舎が、今は使っていないか移築してるにしても残っていて、これを資料展示室にして、200円くらい取って見物させていることもあります。
あんまり流行っていない所だと、べつに撮影禁止でもないことがあり、撮っていいかと聞けば、かまわんと言ってくださり、ガラスケースからわざわざ出してくださることもある。

 

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