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神社仏閣が所蔵する資料類、
その重要性すなわち
写しを収録する理由

 

 奉納額

武運や上達を祈願したり、通し矢に成功した記念や、組織の隆盛を誇示するため、神社などにかかげるもの
特に上州でさかんにおこなわれてました。

名門団体の地元で、ヨソの流派がこれをやると、撤去を求めて喧嘩になったりするから、これがあるということは、当時どの流派がどの地域に勢力を張っていたかがわかります。

また、神仏と向きあう時ほど公式な席はないから、通称や別名が多い人物が、その時期は公式にどう名乗っていたかがわかり、門人一同が連名になっていれば、子弟関係と、道場内での地位もわかる。

木刀や棒や石火矢の模型がついていることもあり、どんな道具を使っていたかがわかるんですが、これは盗まれて無くなっていることが多い。

興味ない人にとっては、これの価値がイマイチわかっていないみたいで、道なき草むらをかきわけて神社の裏側へ回ってみたら、とんでもなく珍しい流派の額があったり。

外されて縁の下につっこまれてホコリだらけになっていたりすることもありますが、誰もいないようだったら、ひっぱり出して撮影してまた返しておけばいいかなというのは、やめたほうがいいです。
あまり知られていませんが、寺社の尊厳を冒涜するようなことを罰する法律があるんです。

 

 絵馬

これも奉納する板ですが、その技をやっている姿がカラーイラストになっていたりして、貴重な資料です。

ガラス張りで展示してあったり、少し離れた別の建物にまとめて展示してあったり、参拝者には見えない奥にしまってあったりする。
小さい神社だと社務所もなくて、もう新しい絵馬はここ数百年だれも奉納していないから、無造作にドアにくくりつけた当時のままで全部古ぼけていたりする。

自分の故郷の藩の指南役をおぼえておくと、武術の歴史からいけば無名の人たちではあるんですが、絵馬に限らず、意外な場所でその名前や、親族らしき名前を見かけたりします。

 

 社宝

その神社が秘蔵してる古文書などです。
とりあえず自分が氏子になってる神社と、ジョギングコースにある神社は、チェックしてみるといいです。
神主さんの息子や嫁が庭を掃除していたりするんで、つかまえて、何かないかと聞くと、藩主から奉納された太刀や甲冑があるとか、
かなり小さい神社でも意外と何かある

撮影はともかく見せてくれとねばると、それほどイヤとは言わないもので、なぜなら、その神社の維持費や、境内の公園の管理費なんかは、毎月町会費か何かと一緒に俺様も払っているものだったり、話してみれば同級生や後輩の親御さんだったりして、その日はダメでも後日出しておいてくれたり、あんた若いのに珍しい人だねとか言われて、歓迎してくれることもあります。
そのかわり、1万円くらい置いてこなきゃいけない雰囲気になっちゃうこともよくあるけれども。

それと、神社は無人になってることも多い。
ときどき太鼓が鳴ってるけれども、それは古神道のなにか秘密の儀式や修行をやってるんで、ごめんくださいと声をかけにくかったり。
神社の近くに、民家のくせに玄関に鳥居なんかつけちゃってる家があれば、それは神主さんの御自宅なんで、プライヴェートなほうへ申し訳ないんだけれども、そっちが本命です。で、茶髪のバカ娘がいたりするんですけど、こういう人脈もあとあと貴重な手ヅルだし、医者や弁護士と同じで神職の友人知人を持つといろいろ便利ではあります。

 

 寺宝

もちろん寺にもいろんなものがあり、特に掛軸や茶器はすごかったり、ほとんど博物館がわりになってます。
和尚さんは主義主張の強い気難しい人もいたりしますが、とにかく弁論はうまいから、その地域に伝わる昔話なんかは、神主さんより詳しく語ってくださることがある。

しかし、俺が見聞きした限りでは神社よりも敷居が高い
どちらかといえば地域よりも檀家さんや信者さんのために運営しているという意識があるようで、所蔵品はすごいことはすごいが、すごすぎて、県や市の教育委員会におうかがいを立てないと勝手にどうこうできなかったり、それに和尚さんは年がら年中いそがしそうで、何度アポとっても奥さんしかいないというようなことが多い。

逆に言うと自分が檀家だったり坐禅会の会員だったりすればしめたもので、行事のちょっとした空き時間に、普段は入れない部屋にまんまと入れてもらえたりして、思いがけず珍品に出くわすことがあります。
結局、カネとコネということになるわけで、自分の親が祭や町会の役員を引き受けている間とか、屋根をふき直すというんで寄付を回収した直後なんてのは、普段よりも狙い目です。

 

 墓碑

墓石に彫る文字や数字っていうのは、そうそう間違えるものじゃないから、誰がどんな正式名で、いつ生まれていつ亡くなったかがわかります(…でも、あきらかに日付を間違えてることも実際あるんだけど)。
墓が、どこにあるか、誰の墓と一緒に並んでいるか、戒名が誰の戒名に似ているかで、
人間関係がなんとなくわかることもあります。

学者さんは墓の中身まであばいちゃうこともあって、伊達政宗公は鼻が高かったようだが右目が御不自由だったかどうかはわからないとか、それもたしかに興味深いんですが、このコンテンツで扱うのは文献なので、広げてもせいぜい墓銘の写しまでにしてます。

私有地だし、なにしろ墓なんで、撮影もはばかられるし、門の鍵を開けてもらわないと墓場に入れなかったりして、子孫でもない者は花もあげられないこともある。

有名人だと、墓石を削ってお守りにするなんて風習もあったりして、イタズラされないように墓石がフェンスだらけになってることもある。
御存知ないのかもしれないが、墓を金網で被うというのは、罪人の墓に対してやることなので、絶対やめて頂きたい。

あんまり有名じゃない人だと、信じられないくらい小さい墓だったり、なんて書いてあるのか全然わからないこともある。
御子孫の許可さえあれば、というか立ち会いのもとなら、周囲のヤブを片付け、ツタを外し、半日がかりでコケを取り、寒空の下で水を汲んでは何度も坂道を往復して、雑巾がないからハンカチやマフラーをダメにして磨き上げるなんてこともすると、急に武運が上がるので、やっぱりそういう世界もあるのかねと納得したり。

 

 顕彰碑

お弟子さんや御子孫が、達人の偉業を後世に伝えるために建てる石碑です。

つまり身内の記述、しかも、ほめることが前提の物だから、美化しまくってウソだらけだったり、ウソは書いてないが都合悪いことも書いてないことが多い。
しかし、
その流派の公式見解や認識だから、これはこれで貴重な資料です。

これまた価値がわからんと見えて、ろくに手入れが行き届いていないことがあり、なんなら俺が掃除してやろうかと思うくらい。

都内だと区が立派な看板を作って寺の前の道路に立ててあって、あの英雄の墓がこんなところにあったのかねと意外だったりしますが、御役所のやることだから、あんまり上手な説明文ではなかったりします。

 

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