武術以外の流派 最終更新12年6月20日   →戻る 

 

武士は、斬った張っただけではないです。

世界観や価値観を構成するもの。
儒教、易学、朱子学、陽明学、国学、史学、民俗学、神道、禅、密教、修験道、陰陽道、道教。

武将、城主、領主としての心得。
法螺貝、太鼓、笛、狼煙、情報、政治、経営、金融、物流、産業、開発、調達、防犯、刑罰、帝王学、統計学。

兵力や構築物の配置。
測量、建築、土木、石垣、治水、算術、天文、気象、占星術、暦、風水。

心と体と感覚の仕組と実践。
気功、鍼灸、接骨、整体、救急法、栄養学、瞑想、呼吸、奇術、気合、催眠術、心理学。

武家でおこなわれる有識故実や芸能文化。
礼法、作法、茶道、能、舞、鷹、漢文、和歌、俳諧。

各家各流派で使うあらゆる道具の仕様、素材の知識、目利きの能力。
物理学、化学、動物学、植物学、獣医学、鉱物、金工、漆工、皮革、機織。

これ全部極めるのは無理だけど、なんの習い事だって、ひととおりは、いろんな科目を勉強するわけですよね。
手広く浅くやるとどれも中途半端になるけれども、自分のメインのことをひとつ極めつつ、関連するものに少しずつ手を出していって、小身なら小身なりに、たしなみ程度にはできたほうがいいわけです。

どんな武士でも、最後の最後には辞世の句で、和歌と書道の実力が問われる。
山田浅右衛門は代々、和歌を学んだそうです。切腹する人の気持ちを理解するため。

急に抜擢されて出世することもあり、指揮官が戦死すれば自分が代わらなければならない。あわてて勉強を始めたのでは遅すぎる。それが、志の高さということです。

雑兵も、雑兵をまとめる指揮を学ばなければならないし、応急手当から馬の世話まで、砲術から築営まで、道具の目利きから戦場の過ごし方まで、さまざまな知識や技術が要る。

『続雑兵物語』に、射程距離がわからないし、水準儀が手元になかったので測量もできず、しょうがねえから目見当で見積もって、火薬ロケットを打ち込んでやったが、いやー、なかなか当たりませんでした…なんてことが、さらっと書いてある。
雑兵でさえ、ここまでやってるわけです。

 

陸軍大学校の教科は、兵学、砲兵学、工芸学、築城学、軍馬学、軍路学、地理図学、兵要地学、参謀服務学、陸軍制度学、算学、画学、外国語学、文学などがありました。

それを知らない、できない、学ぶ気がない、というのは勝手だけど、そういう人はさっさと戦死するだけです。
スキルの低い人からリストラされる現代にも通じますね。

水戸学というのは、史学であり神道であり道徳であり、藩の方針であり土地の雰囲気であり住民の気性であり、これが武術の理論の基盤になって一体化してるんで、区別のしようがないわけです。
三宝院流はれっきとした武術ですけど、山伏の価値観で棒術などをやっている。

鉄舟先生は大師流の達人だとか、時代劇で売春婦が世話になる中条流など、武術と同名の他ジャンルも少なくないです。
武術以外の流派も知らないと、さしあたり現実的な問題は、せっかく手間と金を費やして武術の資料を手に入れたつもりが、お花の流派の秘伝書だったなんてことになりかねない。

それに、日本人の大人をやってて日本の文化も知らないでは(俺もあんまり知りませんが)恥ずかしい。
武術やっていれば、なおさら古美術や郷土史に触れる機会が多い。

自分の勉強用に作ったリスト(しかもまだまだ不完全)ですが、同じこと考えている方の手間を省いてさしあげられるかと思い、これも「文庫」に附属させておきます。

子どもさんをお持ちの方は、ぜひ、何のジャンルでもいいから、伝統に触れる機会を作ってあげてください。
早いほどいい。
べつに習わなくてもいいから、一度でもいいから、本物を見聞きする機会があったほうがいい。

仮想だけではダメです。
いきなり忍者が金閣(鹿苑寺)に住んでいて、トウキョウ、ジャパンと字幕が出る映画がありますが、ああいうデタラメも面白ければかまわないけれども、それを観る前に、本物の日本の文化を知っておいたほうがいい。

うちの母校には琴(正確には箏ですが)が25張くらいあり、義務教育なのに授業でかなり力を入れてました。
やはり身近かどうかということにつきる。機会がないと、思いつきもしないから、興味を持つことすらないわけです。

 

刀剣 鍔工、装剣、鍛刀

美術工芸 絵仏師、絵画、甲冑、漆器、七宝、装束、足袋、鋳金、彫金、馬具、仏師、根付、蒔絵、面打

文学、学問 歌道、狂歌、国学、算術、産婦人科、儒学、書道、鍼術、俳諧、連歌

芸能 華道、義太夫、香道、茶道、尺八、浄瑠璃、箏曲、庖丁道、蕎麦、南京玉簾、能、平曲、地車囃子、舞踊その他 

宗教 暦、修験道、神道、仏教 

例によって終戦以前順不同、五十音順…のつもりですが、そうなってないかもしれません。
読み方は全く自信ありません。これから勉強します。すみません。
同じ団体のことだとわかりきっていても別名もできるだけ載せました。
それでいて、載せなければならない流派が載ってないかもしれませんが…。
各ページ中、太字表記は、俺が知る限り武術にも同名流派があります。もっとあるかもしれません。

このページ、半年に一度くらいしか更新しなくなってしまいました。
やはり、興味がねーもんだから。

 

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