法律的紛争、政治的紛争

法律的紛争は、義務違反、犯罪行為など、法的に善悪がはっきりしていて、国際裁判で扱えるもの。

政治的紛争は、それ以外全部。ほとんどの戦争はコレ。
三流の時代劇みたいに、いいもの悪ものというわけにいかず、双方に一理ある。

 

 低烈度紛争、低強度紛争

ロー・インテンシティ・コンフリクト、適確な訳語が難しいですが、今どき国家同士が面と向かって戦争すれば、国際的にも地位が失墜するし、国力も消耗するんで、もっと小さい非正規非公式の戦争です。

戦争を規模で分類していくと、大きいほうから、人類滅亡の核戦争、通常兵器の世界大戦、数カ国の戦争、二国間の戦争ときて、内戦・内乱、テロ・ゲリラ・レジスタンス・国際犯罪などが最後に残る。

しかし、規模は小さいけれども軍事としてきわめて重要で難題、しかも頻度が増えているので、これが後述する準軍事・非軍事の特殊部隊の担当分野になるわけです。

 

 内乱、内戦

内乱は、国内で、政府軍と反政府暴徒が衝突すること。
国際法の上では戦争ではなく、治安の悪い国が暴動を鎮圧できないだけと見なされます。

内戦は、内乱が武力闘争をともない、内乱をおこした連中が国際的に地位を認められて、法的に戦争として扱われるもの。
反政府軍は新政府になるかもしれないし、なってもいい、なる権利がある、と認められたために、政府軍と対等になったわけで。
こうなると、正義とか和平とか解放とか言いながら他国の軍隊が来て、片方を全滅させてくれたり、和解させてくれたり、戦闘が終わったのにいつまでも駐留していたりする。

 

 革命、動乱、放伐

革命は、急激な社会改革や被支配者層による政権奪取、ただし、ある程度は成功したもの。

動乱は、リベリオンの訳語として言っている場合は、革命やクーデター、どちらかといえば、まだ成功していないもの。
リベリオンは内乱と訳すほうが一般的らしい。

放伐は武力で政権を取ることですが、「禅譲」の反対語だから、クーデターとは少しニュアンスが違う。
つまり、君主制において、徳をともなわない悪政または無為無策をやっている王様を、国外へ追放するという感じ。
政権交代を天地が望んでいるというか。中国版の革命です。
軍部が独走して民主主義を破壊するようなのとは違います。

 

 クーデター、軍事クーデター、謀反

クーデターは支配者層内部での強制的または急激な政権交代。
適確な訳語がなく、乱とか変とか言う。
正しくは革命を含まないが、現代日本語では広い意味で反乱は何でもクーデターと言っている。
国家への一撃という意味の仏語からきているので、本当は現政権に向ける行動を言い、必ずしも軍事をともなわないが、軍部が政権を取ること(軍事クーデター)をさすことが多い。

謀反は、ミューティニーの訳語として言っている場合は、軍隊内部での反乱や命令拒否、どちらかといえば組織的。

 

 抵抗、反乱、蜂起、武装蜂起、一揆

抵抗は、リボウルトの訳語として言っている場合は、現政権の否定・反抗で、必ずしも軍事をともなわない。

反乱は、体制に向けられる組織的積極的抵抗活動。
軍事で言う場合は武力をともなう。
インサレクションの訳語として言っている場合は、政権奪取を目的とするもの。

蜂起は、どちらかといえば非支配者層(被支配者層)による反乱。普通は武力をともなう。

武装蜂起は、武力をともなう蜂起。
どちらかといえば、ある程度組織的に統制または訓練された武力。

一揆は、政権奪取を目的としない非支配者層による蜂起。
ただしプッチは一揆と訳されてます。
日本の一揆は少し特殊なので後述します。

 

 愁訴、駕篭訴、強訴、逃散

愁訴は、おねげえでございますだ御代官様と、情に訴えるもので、村一同の連名で代表者が出向いたり手紙を出したりしますが、あくまでも嘆願です。

駕篭訴は、幕藩の重役の駕篭を道ばたで呼び止めてお願いすること。
当然、警備の侍に突き飛ばされたり、もしかすると斬り捨てられるかもしれないですが、それでも起き上がってすがりつけば、3度目には話を聞いてもらえる慣例になっていたという。
しかし事情聴取後に、必ず死刑になったとか、死刑にならなかった珍しい例もあるとか。

強訴は、徒党を組んで、竹槍や鋤鍬を振りかざし、ムシロの旗を立てて、押し掛けて要求するもの。
お願いではなく、脅迫です。

逃散は荘園時代の言葉で、農民たちが野良仕事を放棄して、山林に逃げたり、他の土地へ引っ越してしまうこと。

 

つづき 

 

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