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非正規軍
民間人による戦闘
民間人が戦闘するのは、ただの殺人犯です、平時でも戦時でも。
民間人またはそれっぽいもの(軍服を着ていない、所属をあらわす徽章や旗がない等)が、正規軍に対して攻撃した場合、ただちにその場で殺してよい。犯罪に対する正当防衛である。…ということが、陸戦条約で認められてます。戦場というドサクサの中で、火事場泥棒みたいなのを野放しにしておくわけにいかないということです。
民間人が戦争をするためには、ただの民間人ではないという体裁を整える必要がある。
民兵、民兵隊
民兵は、民間人を戦時兵力として使うもの。
普段は普通の職業をやっていて、いざというとき召集されて、民兵隊を構成する。
平時もときどきは一応の訓練をおこなっていて、幹部だけは正規軍人がやるのが一般的です。
予・後備役に似てますが、民間人なので、正規軍として扱われない。
ナショナリズムや軍国主義ではなく、もっと素朴な郷土愛というか、地域密着で防衛的なのが特徴です。
スイスは、これと徴兵制の中間くらい。
米軍の制度は前述のとおり、少し違う。
先住民を殺しながら国土を広げ、独立戦争ではいち早くライフル銃を導入した民兵が大活躍したので、アメリカは伝統的に、成人男子ならば銃を使いこなせる土壌がある。
義勇兵、義勇軍
俺がボーイスカウトもどきの団体でボランティアの教程を受けたとき、教官が一番最初に言ったことは、「ボランティアは義勇兵という意味です。いかなる権威にも属さず、みずから立ち上がるものだから、手弁当でなければいけません」、これが最高にわかりやすい説明だと思います。
俺も施設の慰問とか地域の清掃とか、子どもの頃にさんざんやりましたが(根本解決になってないのに自分の気持ちとしては満足しちゃうので、今はWWF以外もうやってませんが)、お茶一杯受け取ったためしがないし、名前も伏せておこない、謝礼も表彰も全部断りました。
募金の一部を経費に使っていたりする奴らは、人の不幸を利用して自己満足を得ているサギだ。
しかし軍事の場合、各家庭から出して町会ごとに組織「しなければならない」決まりだったり、強制ではなくてもやらないわけにいかないような空気だったり、ときには正規軍から(つまり税金から)指導や補給も受けたり。
国によっては、正規軍の志願制度に組み込んで併用していたりもします。
隊を作るところまで民間でやって、それを丸ごと(バラバラにせずに)、正規軍の指揮下に入れたりする。
とにかく基本的には「召集されたわけではない」ということが、民兵と違うところです。
徴兵検査もないので、女性や年寄りでもやります。
敵が本土上陸してしまうと、軍隊ではない国民も、鋤鍬や竹槍を振り回したりして、地元を守らないわけにいかなくなる。生活がかかっているからです。
しかし、それだけではただの犯罪者や暴徒なので、義勇兵というのは、ある程度は組織的にやってるもの、義勇軍を構成してるものを言います。
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傭兵的義勇兵
たとえばフランスが戦争する時に、アメリカ人たちがフランスを応援したくて、フランスに出かけていってフランス軍に入って、アメリカ人部隊を作って(バラバラに参加するのではなく、アメリカ人だけでまとまった部隊)、フランス軍の部隊のひとつとして戦争参加する。
これを合衆国政府の管轄でやってしまうと中立違反、「アメリカが参戦した」という形になってしまうので、民間で個人的に自主的にやっている義勇軍です、ということにする。
でも実際は、職業軍人が派遣されたりするんですけど。
傭兵
傭兵は、金銭報酬によって臨時に雇う兵。
戦闘員や捕虜になる権利がありません。
正規軍だって給与はもらってますが対価ではなく、職業軍人は国防省への就職、兵役は国民義務や奉仕活動なので、性質が違う。
傭兵は金(と、人殺しの興奮)が目的で、「流し」で請け負う無所属であり、愛国心や政治的主義主張に関係なく、敵側にもつくから、敵味方両方から嫌われる。雇った国がろくに賃金を払えない場合、略奪が黙認されていたりして、民間人からも嫌われる。
「戦争が起きるとテレビに映る奴」という川柳があって、傭兵は若いうちしかできないので、体力が落ちてくると、人殺しを楽しんだ自分を棚に上げて、文化人きどりで国際平和を批評する解説者やコメンテーターをやったりもする。
しかし、軍隊は常備も育成も金ばかりかかる。
誰でも最初は初めてだから、一度も人を殺したことがない兵士ばかり何万人もいても全員がシロートであり、兵士は実戦をくぐらないと本当には育たない。
必要な時だけ熟練の兵を雇ったほうが、強い軍隊を安く早く作れる。
世界各地の戦場を渡り歩いた人たちだから、正規の軍人よりも最新の軍事事情に精通している。
どんなに綺麗事を言っても国家に軍事は必要であり、戦争の一番きたない部分をやってくれている人たちだとも言える。
正規軍の上のほうの人たちは、自分の手を汚さないで勲章もらってるんで。
古くは、スイスやドイツに優秀な傭兵がありました。
16世紀ごろは、国民を集めて軍隊を作ってもまったく役に立たず、傭兵こそが軍隊の主力だった。
昔の傭兵は、実質は正規軍の外人部隊だったりするので、志願兵と訳される場合もあります。
現在では、条約が定める一応の定義があります。
武力紛争への参加を目的に現地または外国で特別徴募され、実際に直接に敵対行為に参加していて、私的願望・階級・任務・相場以上の物的報酬を得ており、当事国の国民や支配地の居住者ではなく、当事国の軍隊や第三国が派遣した軍隊の構成員でもない、これらすべてを満たすのが傭兵です。
→つづき
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