警察系

 SRT

特殊部隊は、警察、保安隊、国境警備隊などにもあります。

軍隊は持たないが自衛権は放棄しないと言うのなら、このへんも、ある意味では自衛隊ではないかということです。

グレナダやハイチやコスタリカやパナマは、軍隊を廃止して警察だけで国防をやってます。

自衛隊を警察予備隊と名付けた人は、よくもまあ、こんなうまい言葉を考えついたもんだと感心させられます。
事実、特殊技能者以外は旧日本軍の生き残りをなるべく流用せずに、主に警察官を集めて発足した組織ではあるのですが、先見の明があったとしか言いようがない。

警視庁の機動隊も、最初は予備隊と言ってました。

 

 必ずしも国防軍ではない戦闘組織
(主なもの、順不同、最近は再編や統廃合してるかもしれないので注意)

ノルウェーには国家警察即応部隊。
スウェーデンにはストックホルム警察救助隊。
フィンランドにはヘルシンキ警察ベア部隊。
英国にはロンドン警視庁D11部隊。
ポルトガルには治安警察特殊作戦部隊。
スペインには国家警察特別介入部隊、刑事警察対テロ隊特殊作戦部隊。
フランスには内務省国家憲兵隊。
オランダには警察憲兵隊。
ドイツには国境警備隊第9隊。
オーストリアには警察特別部隊。
イタリアには憲兵隊特別介入部隊。
デンマークには国家警察情報局PE隊。
ポーランドには内務省治安部隊。
ハンガリーには国内警備隊、国境警備隊。
ギリシャにはアテネ市警特別任務小隊、対ハイジャック特別部隊。
ルーマニアには国境警備隊、保安隊。
トルコには内務省ジャンダルマ。
チュニジアには国家警備隊コマンド部隊。
アンゴラには緊急即応警察軍。
南アフリカには警察特別任務部隊、鉄道港湾警察特別任務部隊。
ケニアには警察偵察中隊汎用部隊。
モーリシャスには機動隊。
サウジアラビアには国家警備隊特別治安部隊。
バーレーンには保安警察、国家警備隊、沿岸警備隊。
イランには革命ガード、治安維持軍(?)。
モルディブには国家保安隊。
インドには特別国境警備隊対テロ部隊、国境警察。
中国には公安部人民武装警察部隊、香港には警察特別任務部隊。
インドネシアには国家警察対テロ戦術部隊。
シンガポールには警察戦術部隊。
マレーシアには警察特別攻撃部隊、特別機動部隊。
フィリピンには警察軽対応部、統合国家警察野戦部隊。
韓国には国家警察対テロ特別攻撃部隊。
カナダには騎馬警察緊急対応部隊。
アメリカには、ロス市警その他のSWAT、ニューヨーク市警の緊急対処課、FBIの人質事件担当部隊、エネルギー省の核緊急捜索部隊、連邦麻薬取締局の突入隊、そのほか、連邦地裁所属チーム、国立公園警察など。9・11で懲りてから、シークレットサービス、インフラ関係、科学分析など、関連部署をほとんど全部まとめて国土安全保証省という巨大組織を作り、沿岸警備隊も国境警備隊もここの管理です。
コスタリカには国家警備隊、地方警備隊。
パナマには国家保安隊。
グレナダには警察軍。
ベネズエラには国家警備隊。
日本には、警視庁警備部に、警備第一課特殊部隊(SAT)、警護課総理官邸警備隊、機動隊、特科車輌隊爆発物処理班など。警視庁公安部に、外事第三課、公安機動捜査隊NBCテロ捜査隊など。そのほか、いくつかの大都市に警察庁のSATがあります。

 

 軍隊に似ている

うちの父が戦後、警官になったのも、「下士官なら無条件でなれたのだ」と言ってます。

子ども番組に出てくる戦隊は、軍隊なのか警察なのか、よくわからないものも多い。
科学特捜隊じゃあ、地球防衛軍というより国際警察の鑑識課っぽい名前ですよね。

前述のとおり戦争の形態が変わってきているので、テロの取り締まり、要人警護、人質救出、過激な政党や宗教の監視、市街戦、室内戦など、やってることは軍隊も警察もどんどん似てきてます。

地下に潜伏して内乱や政府転覆をたくらむゲリラ組織の場合、爆弾をしかけて重要施設を破壊したり、無差別に民間人を殺傷したり、要人を誘拐したり暗殺したり、飛行機をハイジャックしたり大使館に籠城したり、資金調達のために麻薬の栽培や密輸をやっていたり、自国の民間人がひそかに資金や施設を提供していたり、他国政府が武器や技術を提供していたり、目的は軍事でも、やってること自体は全部犯罪なのだから、これを取り締まる警察は、軍隊と職域がダブることになる。

そういう相手に対しては、警察も、ヘルメットやボディアーマーを着て、サブマシンガンや狙撃銃を使っていたり。

旧日本軍は、警察官やってる人も軍隊に召集しました。

 

 法規制を受ける

ひとつだけ軍隊と大きく異なるのは、警察は、とにかく人命優先であるということです。
人質も、周辺住民も、犯人さえも、できるかぎり殺傷せずに解決しなければならないという、より難しいことをやってます。

軍隊の場合、人の生き死により、事態を早く収拾つけることのほうが優先されます。
国の方針によっては、人質がいてもすぐ軍隊を突入させ、ある程度の犠牲はやむをえないとされる。イタリアなんかは強気なほう。
それがいいか悪いかは別にして、これのおかげで、60〜70年代に多かった人質籠城は、確実に減ったそうです。

しかし警察の場合、いきなり射殺せず、交渉人がねばり強く説得することによって、上手に解決してきた実績がある。

見せしめがてら厳しく対処して、二度と類似の事件を起こさせないほうがいいのか、あるいは、事件は起きる時は起きるものであり、人命は重いし、犯人にも裁判を受ける権利はあるという、考え方の違いです。

 

 

 いつから正義か、いつから悪か

俺もテロには反対ですよ、爆破されたくないし。
しかし、今ある秩序を守ろうとする側が必ずしも正しいわけじゃあない。

もし今の体制がダメで、もっといい世の中を作りたくて革命をおこす場合、戦車にひかれて、ただやられただけの、やられ損の市民が偉くて、武器をとって立ち上がった連中はゲリラやテロリストかというと、結局は、勝って歴史を書く側が決める。
国家というのはみんな、そうやって作られてきたわけですよね。

アフリカや中南米は、近代になってもクーデターばっかりです。

今、原住民を射殺して土地を開拓(?)なんかしたら、ほかでもない米軍が、天誅をくらわしにすっとんで来る(ただし、アメリカの利害に関係ある場合に限る)。

インドネシアを植民地化するのは、オランダならいいが日本はダメで、そのインドネシアも東ティモールは占領してよかったらしい。

すでに核兵器を持ってる国は今後も持つが、まだ持ってない国がこれから開発するのは許されない。

 

 クーデターを防ぐ

日本には昔、特高(特別高等警察)がありました。
これも軍隊じゃなくて内務省の組織ですが、共産主義、社会主義などを取り締まる組織です。
戦時中は調子に乗って、反戦主義、民主主義まで弾圧しちゃったのですが、本来は、天皇暗殺とか政府転覆とかの大それた連中から社会秩序を守るために作られました。

治安を守るということは、特定の思想(政治・宗教・民族)を弾圧するということと、ギリギリスレスレどころか、通り越してかぶっちゃってるんで、未然に防げば人権無視の国民統制と言われるし、被害が起きてからでは無為無策の税金泥棒と言われる。
そのへんの妥協点が、中間よりは少し警察寄りなのかもしれません。

現代の軍隊は、他国からの脅威を防ぐものであるとするならば、軍人が自国民を攻撃するのは筋違いというもので、いつまでも内戦なんかやってて誰が喜ぶかと言えば、それを口実に軍隊を派遣してくる敵国が喜ぶだけなんですね。

クーデターは、一度うまくいくと、なんだ俺にもできそうだと思って、また誰かがやるんで、癖になるらしい。
スペインやボリビアは200回くらいやってます。

反政府組織が政権を取って新しい政府になっても、一部勢力が離脱して、また反政府組織になって、結局は内戦が終わらないということがとても多い。
政府転覆までは利害が一致してるけれども、どんな国にしたいか、自分がなりたい役職になれるかで、仲間割れするんです。

平和になっちゃうと商売あがったりの人というのもいる。

かといって一党独裁で固まってるのがいいとも思えない。
長期安定政権でもいいから、反対意見を出す人が必要です。

ボス猿が仕切るというのは人類の本能としてあると思うので、せめて社会人として選挙には毎回行ったほうがいいです。

 

 軍隊ではまずい場合

ドイツはナチスを思い出したくないから、ミュンヘンオリンピックで物々しい武装警備は控えていたら最悪の結果になり、優秀なGSG9が設立されたものの、軍隊にしたくないから警官にしてあります。

中国の人民武装警察(反日デモが建物のガラスを割るのを突っ立って見てた人たち)は、発足時40万、今は150万くらいいます(現在は公称66万人)。
人民解放軍が少しハイテク化したので余った人員を警察に回したものですが、有事には軍の指揮下に戻ります。

民主化を弾圧するには、軍隊より警察でやったほうが、国際世論の批判が少ないだろうし、内政干渉すんなと言い返しやすいですね。
形の上では軍縮したように見えていいかもしれません。

東南アジアでは海賊が人質取ったりするんで、日本の海上保安庁を手本にした組織を作ってる最中らしいですが、軍隊にはODAを回してもらえないからということも理由のようです。

 

 警察軍

イタリアの陸軍第5軍団雷撃旅団カラビニエリ大隊というのは、警察の一部を軍隊に組み込んで憲兵にしたもので、軍隊かというと、美術遺産保護部隊というのを持っていて、美術工芸品の盗難の取り締まりをやっていたりする。

トルコには普通の警察のほかにジャンダルマという警察があり、やってることは本当に警察ですが、重火器で武装してるうえに20万人もいて、これが有事には軍の指揮下に組み込まれます。

これらは長い伝統があって警察が軍隊になってる例で、警察軍などと訳されてます。

警察が重武装になれば、犯人も重武装になる。

近代警察はロンドンで始まったことですが、最初はあんまり信頼されていなかったのが、長いこと警棒程度でやっていて、銃は論外、剣も施設備え付けで普段は持ち歩かなかったため、のちには犯罪者からも尊敬されたそうです。

逆にアメリカでは、ギャングが重武装だから当局も重武装せざるをえなかった歴史があり、なにしろみーんな銃を持ってるから、難しいところです。

日本の警察もサブマシンガン導入には議論がありました。

 

 警察がいらない社会

武力で言うことをきかせようとするのは、軍人と犯罪者です。
そうまでしなければ治安が守れないというのは、もう手遅れ。
警察が戦車を使うなんて国家の恥です。

人災天災で社会が混乱した時、助け合うどころか略奪や強姦が起きて、国民に銃を向けなければ鎮圧できないなんて、日頃どういう政治をやってるんだか。

そうなってしまったからには、現実は現実だから対症療法も今すぐ必要ですが、中長期的には、こんなことしたら人が死ぬ、良心が痛む、世間様に申し訳ないという、心の教育も平行してやっていかなければなりません。

国家が脅して締めつけなくても、徳の高さ、民度で、国民が各自で誇りと恥を知り、ものごとの善悪をわきまえ、自然に治まるのが理想で、これは世界に誇れる日本人の得意分野だったのに、今では日本の治安は悪くなる一方です。

治安が悪いといっても、貧しい多民族国家が、がんばっているからその程度ですんでいるのと、日本が、恵まれた環境にありながら外国なみに犯罪が増えたというのは、日本が外国よりも余計にバカだということになってしまう。

警察で一番偉いのは、いばってるキャリアでもなければ、銃撃戦やってる人でもなく、市民に親しまれ道徳的手本として尊敬されているお巡りさん駐在さんたちです。
そういう警官も少なくなりました。
今どきは学校の先生も各家庭の父親もそうなので、決して警官だけが落ちたわけじゃないんですが。

 

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