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令達その他
令達
職権か委任によって発する指図。
旧日本軍では、命令、日令、法令、訓示、告示。
自衛隊では訓令、達、命令、指示、指令などがある。
訓令
法令の解釈や、実際の事務手続を、御役所内ではこうしなさいと定める規範。官庁が下部組織に出す。
自衛隊の場合、防衛省と、陸海空にそれぞれ、たくさんの訓令があり、長官(大臣)の名前で出る。組織のこととか、経費のこととか。
内訓
軍事機密に触れるので、関係者以外には内緒にしておく訓令。
これも防衛省と陸海空それぞれにある。
達
幕僚長か、もうちょっと下の部隊長くらいが出す命令というか、お達し、お知らせ。
訓令の細部を定めたり、管理運営上の例規事項。
全体に関する広範囲なものと、それぞれの部隊や機関や基地の中でのことに限定したものがある。
命令
職務命令。業務上の指図。
軍隊では、号令(何をするか)と、訓示(何のためにするか)を、両方、指示すること。
原則として次下級(命令系統で自分のすぐ下の位置)に対して出す。
自衛隊では文書の形式によって、訓令、達、行動命令、一般命令、個別命令、日令などに分かれる。
行動命令
部隊の行動に関する命令で、長官または指揮官が出す。
自衛隊では作戦命令とほとんど同義。
自衛隊で師団以上の場合、A(作戦・戦闘全般)、B(情報)、C(兵站)、D(人事)、E(通信)に区分してます。DはCにくくられることがある。
作戦命令
作戦実行のための命令で、指揮官が部下に出す。行動命令よりはいくらか具体的。
敵味方の状況、指揮官はどう決心してわが軍はどうしたいのか(構想)、各自の役割、その他の連絡事項、この順番で伝えます。
その他の連絡事項は、補給、通信、連絡、特に発令者の所在、天候その他異変に応ずる処置などがある。
一般命令
編成、配置、移動、派遣、任務、訓練、演習、検閲、あるいはそれらに準ずるようなことに関する命令で、行動命令以外のもの。
個別命令
個々の職員に関する命令で、人事以外のもの。
幕僚長か部隊長クラスが出す。
日令
それほど直接には戦闘に関係ないが、日常の業務についての指図。
自衛隊では日日命令とか言ってるようです。
国によっては、歯みがきの時に水を流しっぱなしにしないとか、ウォッカは必ず割って飲めとか、明確にルールとして決めてしまう。
指示
法令や命令の具体的方針や細部を定める命令で、長官が幕僚長に出したり、あるいは、長官が出した一般命令の細部を幕僚長が定めたりするもの。
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指令
指揮命令の略。
長官が出した行動命令を遂行するにあたって細部を定める命令で、幕僚長クラスが出す。
通牒
訓令ほど厳密に手続をふんで全般的絶対普遍というわけではなく、その時その時で個々の問題について出す命令その他。
あるいは訓令などを通知する書面の形式について言っている場合がある。
現在はどちらかというと通達と言ってます。
通達、承認、許可、上申、申請、報告、進達、通知、協議、依頼、回答、諮問、答申などがある。
号令
どちらかといえば小さな組織で、ただちに画一的動作を実施するとき、音声で伝える合図。
もう、やることは決まりきっているから、撃てとか進めとか、動作しか言わない。
なんのために?なんてことは、言わないし聞かない。
復唱
命令や号令を言われた側が、言われた内容を繰り返し言うことで、お互いに確認するもの。
御注文を繰り返します、シャンプー入りまーす、のたぐい。
だから令達ではないのですが、現場では、偉い人が言ったことを中間管理職が復唱したものが、そのまま下っぱへの号令になる場合もある。
緊急の場合は「復唱よし」と言われるので、復唱してる時間も惜しんで、すぐにとりかかります。
特命
特別な命令や任務で、一時的に権能を本来よりも多めに与えられて別行動や派遣などするもの。
密命
秘密の命令や任務。
内命
やや非公式、どちらかといえば秘密の命令。
訓示
号令がなく命令に満たない指示。目的だけを言うもので、何をするかは指示せず、部下にまかせるもの。
そのほか、精神論的な、偉い人がかけてくださる御言葉。
がんばれ気合入れろとか、いつも御苦労さんだねえとか。
これがなかなか重要で、不利な状況でも訓示をうまく言い添える指揮官は部下を使いこなせる。
対空機銃や艦載砲が当たらない時、指揮官が激怒(または激怒してるフリ)して、なんだそのヘッピリ腰は!ケツの穴を絞めろ!というようなことを叫んで一喝すると、集中力が増して、急に百発百中で命中しはじめるということが、昔から実例が多く報告されてます。
注意
お叱り、ちょっと説教になってくる。
非公式、口頭、出頭、文書、厳重、査問などと、いくつかのランクがある。
制裁、指導、教育
厳しいお叱りというか、ペナルティ。
たぶん体罰(公式・非公式を問わず)が出る。
訓戒
減給とか降格になるくらいのお叱り。
これで足りなければクビです。
→つづき
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