戦死

 戦死

戦闘で死ぬのは、ほとんどが下級の歩兵です。歩兵の5分の1は死ぬ。
ただし、乗り物に乗っていると、爆発の破片からは身を守れるが、被弾すれば生身よりも死亡率は高くなる。

爆発の破片による出血死か、小銃の被弾が多い。
致命傷の4割は頭部、ヘルメットで守られていない部分。
被弾した者の3分の1が死亡、3分の1が除隊になる。
負傷者の5分の1が死亡する。負傷の4割は足。

 

 死亡認定(仮)

戦闘中は遺体なんか邪魔でしかないから、髪の毛だけ持ち帰ったり、首から2枚さげてる認識証のうち1枚を持ち帰ったりする。

まだ生きてるのに、足手まといだから見捨てて、おいていくこともよくある。
この場合、ラクにしてやることもある。

 

 遺体搬送

戦闘のあい間(砲爆撃がない時)に、担架で遺体が回収され、安置所に運ばれます。
終戦後に捜索や回収になる場合もある。

回収されない(できない)場合もよくある。ミンチになっちゃったとか、その場所が敵の勢力下になっちゃったとか。

軍艦だと、遺体と一緒に寝起きするわけにもいかないんで、葬式をやって海に捨てることもよくある。
軍艦は沈没することが前提だから、どっちみち同じだったりする。

 

 敵の手に渡った場合

遺体から、戦闘に使える情報や備品、金目のものが抜き取られる。

恨みがあれば、遺体を毀損されたり、いろいろと辛辣ないやがらせをされる。
特に、指導者、スパイ、裏切り者などは、さらしものにされたりする。

国際法では、敵の遺体を毀損せずに回収し、身元を確認し、ひとりずつ別々の墓に埋葬し、墓標を立て、その位置を相手国政府に通達しなければならないが、そんなの誰も守っていないという。

 

 死亡診断書、死亡認定理由書

軍医が遺体を見て死亡診断書を書き、これは7〜8枚ほど複写を作って、関係各所へ届けられます。

遺体がない場合、死亡認定理由書というのが出る。
行方不明だから死んだとみなす、というようなことです。
それが、ひょっこり生きて帰ってくることもある。

 

 遺体処理

五体満足でない遺体も多い。
何万人というバラバラ死体を、できるだけ1人分ずつに分ける。

あとで遺族に渡すため、ポケットの私物を抜き取る。
ポルノや、生々しい血や焼けこげがついたもの、私文書や写真などのうち情報流出するものは、遺族の手に渡らない。
米軍の場合、遺品の届け先は1か所だけ、なるべく血筋の近い遺族。

装備は、生きてる兵士に使い回し。

 

湯灌して体をキレイにする。ヒゲ剃りや爪切り。
傷口の消毒、ウジ虫を殺虫剤処理。
体内の空気を抜いたり、体液を抜いて防腐剤を詰める場合もある。埋葬まで死後1か月くらいかかることもあるため。

吹き飛んだ鼻や手足をできるだけ生前のように整形(形成)する場合もある。
遺体が原形をとどめない場合、綿布、ポリシート、白い綿のシーツ、毛布の順にぐるぐる巻きにする。

それから棺桶に入れる。棺桶は、待遇がよければシルク張り。
棺桶の上には国旗がかけられる。この国旗はあとで遺族が記念にもらえる。

 

 死亡通知

遺族には、死亡通知書という連絡がいく。
現代の場合、戦死者と同等以上の階級の者が礼装して、遺族を訪問する。米軍の規定では、この時、遺族の体に接触してはいけない(接触されてはいけない)ことになっている。

機密上の理由もあって、あんまり詳しいことは説明されないことも多い。
将校同士で決闘したとか(騎士道のなごりで憲兵が関与しない慣例になっているとか)、脱走して憲兵に撃たれたとか、つまらない死に方が、名誉を守るために戦死扱いになることもある。
本当にわからなくて報告できないこともある。

このへんは、中隊長クラスが、ウソ八百を創作した手紙を遺族に書いたりもする。
人数が多いとネタギレになってしまって、ちょっとした小説家なみ。
じつはこれが軍隊で一番つらい仕事だとかいう。

俺の伯父が2人、戦地で散りましたが、ひとりは部隊の危機を打開するため勇敢に突撃して、敵陣100メートル手前で撃たれたという、やたら詳細な説明があり、もうひとりは、従軍中に病死としかわかっていない。
軍隊にとって都合いいことはどんどん宣伝するものらしい。

旧日本軍は餓死もかなり多いですが、銃弾をくらったことにしちゃうこともあったようです。食べ物があったとしても、どうせ撃たれただろうし。

 

 埋葬

軍人用の墓地がある場合、無料で埋葬させてもらえる。

米軍の場合、葬儀と墓石の費用も無料、民間墓地に埋めるとしても墓石は国費でまかなう。
離婚していなければ、配偶者も一緒に埋葬される権利がある。

戦死者の所属部隊から、棺桶のかつぎ手、弔銃発射隊(7挺で3斉射、計21発の礼砲)、ラッパ手(または、その録音)が派遣される。

地位や名誉に応じて、弔意や、それをあらわす金額や勲章が、国から出る。

日本の場合、靖国神社に合祀される。現在でも。

 

これらすべてに、記録が作られて保管されます。

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