学生、生徒

軍人は、徴兵や開戦でしかたなく一時的にやるものと、早くから志願する職業軍人があり、後者は15歳前後から軍の学校に入って各種専門分野を学ぶのが一般的です。

指揮を学んで将校になるための士官学校は後述します。今ここに書いてる話は、手に職をつけて下士官になるための各種学校。
戦車、野砲、野重砲、高射砲、飛行、整備、航海、艦載砲、機関、電信、測的、機雷、潜水、医科、薬科、経理、軍楽まで、さまざまなことを、なにしろ国営だから恵まれた環境で英才教育する。

これの生徒は、士官候補生と違って、普通にスチューデントといいます。
在学中から上等兵くらいの地位はある。卒業すれば、いきなり伍長くらいで配属されます。

歩兵も、塹壕を掘って小銃を撃つだけなら召集兵でもいいけれども、各種重火器取扱、爆発物の設置と処理、落下傘降下、核生物化学兵器対策、密林・山岳・砂漠・寒冷地・市街地・夜間・上陸・偵察などの各種状況など、養成するには時間がかかる。
時間がかかるといっても、第一線の精鋭は体力勝負なので、老眼や中年太りでは使い物になりません。自衛隊も入隊に年齢制限はあります。

思想的にも重要で、あまり大人になってから始めると、国家とか政治とかにいろいろ小理屈をこねるので、命令に服従させにくい。
できれば、分別がつかない子どものうちに、軍隊色に洗脳してしまう。

うちの父は開戦前から航空学校に入りましたが、特に難しい課程に入れたとかで、名前が新聞にも出たと言ってます。学生といえど軍人、銃剣を腰に吊し、給料も出たそうです。

軍隊の学校の卒業証書は、父がもらったものを見ると、「陸軍上等兵だれだれ」というものと、「生徒だれだれ」だけで階級が書いてないものがあり、この「生徒」っていうのが、階級と言えば階級みたいです。
旧日本軍の生徒は、星のない、赤地だけの階級章を付けましたから、階級の規格外という正規の階級なんでしょう。

 

  武官

下士官以上は武官といい、旧日本軍の場合、朝廷の官吏です。だから用語も律令制。丸目蔵人佐とか遠山左衛門尉とか、そういう伝統です。

カミ(長官。大将、督、帥)。
スケ(次官。中将、少将、佐、副)。
ジョウ(三等官。尉、判官、監)。
サカン(四等官。曹、属)。

扱いにも4等級あり、親任官、勅任官、奏任官、判任官です。
親任は、天皇に拝謁して親任式をやって任命されるもので、大将。
勅任は、天皇から任命されるもので、中・少将。ただし、親任官クラスの重職につく勅任官は親任待遇といって、任期中のみ親任官扱いでした。
奏任は、首相が天皇に推薦して許可を頂くもので、大佐から少尉まで。
判任は、各省庁の長官が任免で、准士官。

日本では少尉に任官すると、アホでも正八位です。
中尉で従七位、大尉で正七位&瑞宝6等、と出世していく。

下士官は、陛下からは委任されてないから、昔は下士と言いましたが、下級とはいえ官吏です。階級だから、「剣道三段 右授与する」というような感じかと思いきや、父が受けた書類を見ると、「任 陸軍伍長」というような書き方をしてます。

兵長以下、兵は、武将が私的に(プライヴェートで)雇っている足軽か、または国民の納税として兵役をやってるにすぎないから、官吏に登用されたわけではない。昔は卒と言いました。アルバイトみたいなもの。
ただし、今の自衛隊は国家公務員だから、三等陸士でも「任官」です一応。

そもそも大佐とか軍曹とか階級の名前は、幕末の蘭学以来の訳語なんで、古めかしい感じもしますが、軍事はだいたい保守的な世界だから、階級に限らず軍事用語は何でも、掩体だの熕桿だの、音だけ聞いてもピンとこないとか、文字を見ても意味が予想つかない難字なんてことが多いです。

 

つづき 

 

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