基本食

 平常食

普通〜〜の定食。基地の食堂で食べるやつです。
意外にうまくてびっくりするという。
しかし毎日食べている人たちにとっては、味わって食べてる奴なんかいなくて、あっという間に飲み込んでしまう。

 

 準平常食

平常食と戦闘食の中間。
これも戦闘食ではあるんだけれども、そんなに前線でもないから、平常食に近いものを届けることができちゃうので、まだまだ先にとっておける缶詰を今すぐ開けるまでもないだろうというような場合。

調理車というのを自走か牽引車か馬車で持っていって、中隊全員分くらいをいっぺんに野外で炊き出すか、基地や都市で作ったのをなるべく暖かいうちに運ぶかする。

 

 戦闘食

作戦行動中とか戦場での食事。陸軍では野戦食ともいう。

戦場で、自分たちで煮炊きするか、携行食ですませるが、あくまでも戦闘が前提になっているから、手間や腹持ちやカロリーなどが、平時とは異なっている。
大便が3日に1回ですむように配慮してある場合もある。

寒冷地では5〜10%、熱帯地では摂氏30度を1度超えるごとに1%、カロリー増加が必要になる。

 

 非常食

平常でないものはみんな非常ですが、いろいろな意味で言われているのを見かけます。

まず、戦闘食のうち、携行食寄りのものをさしていることがある。
飯盒や鍋は持ち歩いているから、戦場でも煮炊きはしますが、戦況や天候によっては不可能だから、缶詰だけですませたりするようなこと。

また、適宜食(後述します)に近いものを非常食と言う場合がある。
非常用糧食費によって調達するという、経費において非常な場合です。どっちかっていうと海軍の言い方。

自衛隊では、出動、待機、派遣、自然災害(自分たちがくらった場合)、材料補給の途絶などによって、平常食や患者食の支給が不可能か困難な場合に、別の食事に置き換えることを非常食と言っている。

 

 携行食

基本的に煮炊きがいらないもの。

軍隊では2食分いっぺんに作ることがよくあり、1食はすぐ食べて、もう1食は弁当にして後で食べる、その後のほう。

あるいは最初から缶詰やレトルトやフリーズドライで、1人分ずつセットになってるやつ。
レーションというのは現在、狭義にはコレです。

料理の材料の缶詰ではなく、料理の缶詰が作られるようになった。旧日本軍では、「一缶一食用缶詰」と言ってました。白飯、赤飯、鶏飯、五目飯なんていう缶詰を作った。
鶏飯っていうのは、満州へ侵略しに行ったら、現地の人がとてもうまい鶏飯を食っていたので、以来、旧日本軍はかなり気に入ってしまったらしい。自衛隊のは鶏ダシの炊き込み御飯みたいなやつです。
自衛隊には椎茸飯という不思議な缶詰もあります。シイタケが食えない奴に自衛官はつとまらない(笑)

 

米軍だと、缶詰で構成されたCレーションやMCI、栄養学をやりすぎてサプリみたいなことになり、まずくてひんしゅくを買ったKレーション、人数分がセットになったのが大箱で届くテンインワンやファイブインワン、宇宙食みたいにハイテク軽量化されたMREなど。
MREなら、日本の軍隊放出品の店でもときどき売ってる。

これらは、余裕があれば、携帯コンロや固形燃料で暖めるか、湯くらいは沸かすということになってますが、忙しければそのままでも食える。

なじみがない人にはピンとこないと思いますが、レトルトカレーをそのまま飲むとか、コンビーフ缶詰をそのままかじるなんてことは、軍隊でなくても、男の世界ではごく普通におこなわれてます。
俺の上司は、カップラーメンもバリバリ食って、「腹の中で完成する」とか言ってた。

 

 加熱缶詰分配方式

携行食を、なるべく準平常食に近づけたもの。
前述の、できるだけ各個ではなく集中でやるという考えによるもので、米軍が始めたTレーションというやり方です。十数人分の大きな缶詰を、暖めて、取り分けて食べる。
肉料理、野菜料理、デザートなどの缶があり、ほかにパンとスープなどが付く。

缶詰でなくても、保温器とか暖め機っていうのは昔から研究されてきた分野です。
暖かい食事は、疲労回復とか士気とか寒冷地とか、勝敗まで左右しかねない問題だからです。
自衛隊では最近、暖め機の導入で裏金だか癒着だかがあって有名になりました。

 

 緊急食

非常準備食。サバイバル食。ピンチの時のために用意しておくもの。

米軍でDレーションと呼ばれてるやつです。
時代によっては、航空食はみんな緊急食に分類する。

乾パン、ビスケット、クラッカー、缶詰、チョコレート、キャンディ、氷砂糖、角砂糖、常温保存できるチーズやソーセージ、カロリーメイトのようなものなど。

これは、備品です。
各自が持ち歩いていたり、乗り物に積んでおいて、いよいよ餓死しそうな時に食べる。

民間では、たとえばうちの山岳部なんかでは、これを非常食と呼ぶんですが、軍隊では、戦時ってことが全部すでに平常じゃないんで。

今の自衛隊だと、「救命糧食」などと言ってます。
同封のマニュアルの冒頭に、がんばれ!元気を出せ!救助は必ずやってくる!とかなんとか、はげましの言葉が入っているため、通称「ガンバレ食」と呼ばれている。
和菓子風味のスコーンみたいなA食と、ゼリーと羊羹の中間みたいなB食が、1対で1食。アルミパック。
これを、海自は9食1セットで赤いプラスチックの角筒に、空自は5食1セットで緑色の長方形の缶に入れてある。

 

つづき 

 

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